日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

3782声 2時間で立つ

2017年03月16日

今日は酪農場を撮影をした。昔はうちの近所でも同級生が牛を飼っていて、小学生のころにこわごわ牛舎を覗いた気がするが、しっかり牛舎に入ったのは初めてだったかもしれない。

 

90頭近くのホルスタインがおり、ここには自分のところで産まれた牛しかいないのだそうだ。雄牛は生まれてすぐに売られていくとのこと・・男はつらいよ・・。聞くと、つい2時間前に子牛が産まれたという。その時来ていればその瞬間が撮影できた!と思いつつ、産まれたての子牛も撮らせてもらった。

 

まだ体にぬめっとしたものを纏っている子牛が、牧草の上に縮こまって座っていた。けれど、世話をする女性が近づくと、ヨロッヨロッと・・立とうとするではないか。産まれて2時間なのに。おぼつかない足ながらも、子牛が4本足で立つまでに、時間はかからなかった。すごいな、牛。

 

人間と付き合うのもひどく大変だったりするが、動物と向き合っている人に会うと無条件に尊敬してしまう。おいしい牛乳が飲みたくなった。

3781声 花粉に効く薬

2017年03月15日

今日は1日山の中での撮影だったので、普段まったく飲まなかった鼻炎薬「アレグラ」を買って朝飲んでみた。

 

朝起きてすぐにティッシュがなければずーずー弁な状況だったのに、日中鼻水は一滴も出なかった。僕はその程度の花粉症だということと、「薬を飲んだから大丈夫に違いない」という思い込みの激しさ効果と、撮影の緊張がそうさせたのだと思う。思い込みの激しさも自分特有なのだけれど(「自分は肩こりしない体質」と長年思い込んでいたおかげで肩こりをしなかった。そうかも、と思った途端にこった)、撮影の緊張、これとても大事だと思っている。「今、何を撮るべきか、撮らないべきか、何を話すべきか、話さぬべきか」を意識することは、=いかに真剣に対象と向き合うか、であって、日頃わりと鈍感な僕には、その時間が楽しい。

 

撮影の集中を上げるために一時期「レッドブル」を乱飲したけど、それはもう辞めた。前の日によく寝とく、でいい。花粉の薬はここぞという日は飲もうと思う(悩んでいる人は一度お試しあれ)。あとは、思い込みの激しさを緩和させる薬だな・・失敗を繰り返すしかないかな・・

3780声 ストーブ

2017年03月14日

新聞代配が終わり午前6時。事務所に上がりお茶を入れる。なんだかいつもと違う。すぐに、ストーブをつけていないことに気付いた。

 

いつもそうだ。気持ちより先に、季節がやってくる。

3779声 遺言

2017年03月13日

『遺言~原発さえなければ~』というドキュメンタリー映画を観た。2014年の作品で、編集には僕の映画学校での担任であった安岡卓治氏が加わっている。2011年3月12日から3年の月日をかけて福島県飯館村を中心に、そこで惑い、そこを離れ、そこに留まる酪農家、農家を撮り続けた作品だ。

 

山あいの中之条町に住んでいるので、農家の知り合いも増えた。僕の親父世代の人たちは特に皆「屈強な男」という印象を受ける。自分の力一つで仕事を続ける姿勢がそうさせるのか、3食しっかり食べるご飯がそうさせるのか。対峙すると自分の心身の弱さを感じずにはいられない。

 

この作品の中にも、僕が知ったような顏の屈強な男たちが出てくる。けれど。放射線量が高く、一頭一頭家族のように育ててきた乳牛を飼育することが不可能となり、屠畜のために大きなトラックに乗せなければいけない場面。その屈強な男が、目にいっぱいの涙を溜めている。「見てらんねぇや」とひと時席を外す。タイトルにもあるように、酪農を辞めざるを得なかった直後に、自らの命を絶った方もいた(実際、震災による直接死よりも関連死の方が上回っている)。ああこの震災や原発事故は、屈強な男たちの心さえもズタボロにし、先祖から続くその地との結びつきを断絶させたんだな、と再確認せずにはいられない。

 

このドキュメンタリーは3時間45分にもおよぶ。端的なニュースでもなく、回想録でもなく、3月11日直後からのその場所での時間・暮らしを丁寧に映像に納めている。そしてラスト、「これが復興です」などと根拠のない希望は口に出すのも憚られるけど、福島の地で再び酪農を始めるという屈強な男たちの目には、強い意志が戻っていた。そして、この作品を観て「もし僕の近くで同じようなことが起きたなら、僕が知る屈強な男たちもまた、自らの手で自らの目に強い意志を取り戻すのだろうな」と思った。

3778声 尻尾

2017年03月12日

先日温泉で身体を洗っていたら、グラっと揺れて、孫悟空で言うところの尻尾が生えている部分を床に強打。座っていた木の椅子の足が折れたのだ。

 

そんなことがある位だから信じてもらえないと思うけど、年明けから不定期で腹筋運動をしていた。でも孫悟空で言うところの尻尾が生えている部分が痛くて、腹筋ができない。仕方ないなそれじゃ、できなくてもな、うん、仕方ない、残念だけどな、うん。

3777声 3月11日

2017年03月11日

新聞各誌も厳粛な朝。

 

昨晩会った金井夫婦とは、6年前の震災関連イベントで共にボランティアをし、急に親しくなった覚えがある。昨晩、今思えばだけど、震災の話は一切しなかった。でも、それぞれがそれぞれの場所で行動している人たちなので、今思えばだけど、言葉にしなくても震災以後を共有している気もする。

 

偉そうなことは何も言えないけど、僕にできることは「6年前の気持ちを忘れずに、もっと自分の足元を見る」ことなのかなと。今年のゴールデンウィークか夏には、小さなビデオカメラを持って、福島へ戻ったあの人たちにも電話をして、二泊三日くらいの東北観光をしようと思う。

3776声 北毛

2017年03月10日

「高崎エキビレッジ」を主催する金井さんに呼ばれ、北毛の人たちが集まる飲み会に参加した。北毛の人たち、とはざっくりすぎるが、みなかみ町「たくみの里」近辺に暮らしている花屋さん、さくらんぼ農家、カスタネット職人、先生、旅館業兼活動家のみなさんだ。

 

たくみの里は、中之条町からも山ひとつ越えた近さなのだけれど、仕事や遊びで週1は行く前橋高崎に比べて全くと言っていいほど北の山は越えない。でも行けば「豊かだなぁ」と思うに違いない。現に、そこに集まった人たちは年は僕と同年代あるいは前後であるけれど、「地に足つけて自分の力が最大限生かせる範囲の仕事を淡々と喜びももって暮らしている感」が滲み出ていて、気持ちいい人ばかりだった。映像を作りたい、なんて話しも出た。その後フェイスブックで友達となったので「春になったら、まずは遊びに行きます」とメッセージを送った。

3775声 とり野菜みそ

2017年03月09日

とり野菜みそ、をご存じだろうか。

 

群馬で焼きまんじゅうを知らない人がいないように、石川県では有名・・らしい。ようは鍋のもとで、甘みのある味噌に肉やニンニクのエキスが入った調味料なのだ。たしか高崎の「まるおか」でも売っていた気がするが、ぼくんちの側の「ヤオコー」でも売っていて、試食で渡されたものが美味しくて、買った次第。

 

2日連続で、家に帰ると一人用鍋を火にかけ、適当な野菜と適当な肉をぶちこんで、とり野菜みそをニューっと入れ(チューブタイプなのね)、豆腐を乗せて蓋を乗せ、10分位煮たら、湯気たつ鍋の両脇をタオルで掴み炬燵へ運び、鍋に箸をつっこんで、はふはふ食べた。

 

焼きまんじゅうを許容する群馬県人だもの。「甘じょっぱい」、これには弱いねー。もう春はすぐそこだと言うのに、飽きるまで食べそう。

3774声 小さな音

2017年03月08日

前橋市の美術館「アーツ前橋」。「表現の森」というアーティストと前橋市内のコミュニティとの協働企画以降、映像制作の依頼をいただき時々撮影をしている。「アーティストインスクール(仮)」と銘打った、これはアーティストが市内の学校へ行き学生たちとワークショップを行う企画があり、桐生市出身の神楽太鼓奏者の石坂亥士さんが小学生たちと楽器作りを行った。亥士さんに最後、インタビューをしたのだけれど

 

「小さな音でもいい音はいい音だし、それを肯定していくことが大事なんじゃないかな」

 

という一言があった。編集段階でそれを配置していて、そうだよな普段の学校なら声の大きい子(主張の強い子)によって声の小さい子(おとなしい子)は後ろに回りがちだけど、楽器作りとその後の演奏においてはおとなしい子も主張ができて、亥士さんは小さな音に耳を澄まして「いい音だね」と褒めていた。

 

こういう物語どうですか!というドラマと違い、記録撮影は受け身なんだけど、映した相手から「僕もそう思う。それ、伝えたい」という言葉や動きが、自分の予想範囲を越えて出て来る時に、この仕事の面白さや意味を感じる。僕はきっと、小さな音を拾っていきたいのだと思う。

3773声 草が枯れるのは

2017年03月07日

今日の上毛新聞コラムは、北軽井沢に住んだ詩人・岸田衿子さんについての話しだった。おせっかいなので、すぐに北軽井沢で「麦小舎」という素敵な喫茶店をしている藤野さんにメッセージを送る。

「コラムには今日が命日とありますが、たしか来月の7日ではないかしら。」という、上毛新聞やってしまったか!という指摘もありつつ、まだ読んでいなかったようで喜んでくれた。僕は2年くらい前、その「麦小舎」でふと岸田衿子さんの詩集を手にとったのだ。印象に残った「草が枯れるのは」という詩を思い出し、検索して読んだ。洞察と言葉の奇跡だと思う。

 

「草が枯れるのは」岸田衿子

草が枯れるのは
大地に別れたのではなく
めぐる季節にやさしかっただけ
つぎの季節とむすばれただけ

3772声 心の蓋

2017年03月06日

話す言葉は出ないのに、気持ちはまだ何か言いたがっている状況になった。

僕はたぶん社交的ではあっても、心の蓋が閉じがちなんだと思う。

家に帰り布団に横になってふと、蓋の下にあったのは「寂しさ」だと気づいた。

おいおい勘弁してくれよ。この年になってまだ自分の「寂しさ」かよ。目をつぶった。

 

3771声 上田全天氣候展

2017年03月05日

今年、気になる場所には行き、気になる人には会おう。と決めた。

 

碓氷峠をぶいーんと越えて、上田市立美術館で開催中の白井ゆみ枝個展「上田全天氣候展」へ行った。上田で生まれ育ち、東京での活動を経て再び上田で作品を制作している白井さんの美術展である。東西南北、初夏秋冬をモチーフにした絵画・インスタレーション作品が並び、山の形に切られた大きなキャンバスには空を映した田んぼが広がっていた。若い頃の作品を見ると、山田かまちを思い出す線画もあったりして「思春期の内的葛藤を絵を描くことで処理します」的な印象も受ける。それ止まりであれば一部の人の共感に留まるのだろうけど、それがやがて自然に向いて、山の形の作品などは、彼女がもつ内的宇宙や葛藤が山や田んぼに流れ込み、多くの人を惹きつける濃度・表現になった気がして、作者の数年数十年の経過を見るようだった。絵があって良かった。上田に生まれて、今戻ってきて良かった。作者の白井さんとは会ったこともないけど、その声が聞こえるような展示だった。

 

~があったから良かった。

 

物でも人でも場所でも行動でも、結果としてそう思える人生がいいな。

3770声 なくて気付くこと

2017年03月04日

昨日はひな祭り。

 

ふと、会社近くの和菓子屋さんに寄ろうと思ったらもう店が閉まっていた。で、近所のAコープに行ったら桜餅みんな売り切れ。で、わざわざヤオコーに寄って購入。あ、自分こういうお菓子好きだったんだなと気付いた。年をとって洋菓子から和菓子に嗜好が移るということもありそうだけど、味そのものよりも「その時食べる習慣があるものを、その時しっかり食べたい」という欲求が増した気がする。5月5日の、のめっこい柏餅が今から待ち遠しい。

3769声 西京焼き

2017年03月03日

今日からあさって5日まで、月夜野びいどろパークにて「利根クリスマスローズ展」が開催されている。主催する高崎クリスマスローズガーデンの富沢さんとの付き合いは長く、今回もチラシを担当していることを口実に月夜野まで行ってみた。

 

一緒に昼飯をという話になり、施設の人に「近所においしい店あります」と言われ富沢さんと二人で歩いた。富沢さんが「レストランワ」だって。と言うので「は?」と思いながら行くと「レストラン竹」だった。富沢さんは富久樹園経営者としてプラムや梨などを作りつつ、ここ数年で日本でも有数のクリスマスローズに特化した展示直売所を作ってしまった蒸気機関のような人。クリスマスローズ展を吾妻で始めた5年前に比べて変わらないな、と思っていたけど、今年講演の時にふっと眼鏡をかけて、もっと前からそうなのかもしれないけれど、着実に時間は過ぎているんだな、と勝手に思ったりした。

 

「レストラン竹」の日替わり定食は、鰆の西京焼き&刺身定食だった。「こんな山の中なのに魚なんですね」と言ったら「だから喜ぶんじゃん」と富沢さん。奢ってもらったから言うわけではなくて、これからもずっと尊敬したいと思う。

3768声 坂の上の沼田

2017年03月02日

広告の納品で沼田へ行った。

 

中之条からは高山村・ロックハート城を越えていくのだが、17号をまたぎ利根川を越えてからの上り坂、その先にある沼田市街地は何回何十回行っても「別の場所に来た感」が抜けない。それはきっとあの坂がそうさせるのだろう。沼田城下、ブラタモリ的に考えれば真田まで話しはもっていけるけど、割愛。

 

別荘を建てるとしたら、坂の上だな。缶コーヒーをすすりながら、坂を下る。

3767声 so young

2017年03月01日

あらやだ風邪かしら?と思っても、おおぎやらーめんで生にんにくギュッと絞って完食これで大丈夫!と思える僕は若い。さらに会計の時に若くてかわいい店員さんが僕のことをじっと見た気がして、ごめんなさいねダンディズムでと思える僕は若い。

 

あ、会計の時、はなみず垂れてたかも。どうも、岡安です。3月を担当します。こっちはまだ寒いッス。

3766声 梅と菜の花

2017年02月28日

こちらではもう一週間もすれば、
梅が最盛を迎えます。
郊外へ足を伸ばせば、菜の花などもちらほら。
葉の花ってのは、独特な香りがしますね。
中之条はどうでしょう、岡安さん。

3765声 新年の朝の一杯目

2017年02月27日

二月も、もう明日で終わりである。
次の担当の岡安さんも舞台袖に控えているはず。
 
先月から各報道機関ないし巷の話題は、
就任したトランプ大統領の話で持ちきりである。
しかし、私の大統領といえば、もちろん上野。
アメ横にある大衆酒場の「大統領」である。
 
今年の正月、つまり私の新年の吟行は、この大統領から始まった。
高崎線で上野に向かいつつある堀澤さんを待つため、
岡安さんと大統領のカウンターで、一杯やっていたのである。
まだ午前だというのに、満席であった。
そして、新年の朝の一杯目だというのに、
岡安さんは、ずいぶんと重たい話を持ち出した
話を掘り下げて聞こうとしたところ、
つまみなどがどっと来て、あたふたと箸を割ったのであった。