日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

3920声 フォーカス 

2018年08月08日

塩野七生の面白さは、対象となる主人公なり、戦争なり、国なりに対して、
ググッとフォーカスして、愛情のある目線で語るところである。
かなり女性性を感じる部分がある。若い騎士なんてほぼ恋している感じである。
ただベースとなる文献はラテン語の原典を読み込んでおきながら、私は学者ではないと本文でも何度も言っているが、
竹でスパンと割ったように事実を解釈するあたりが非常に小気味良い。
かなり複雑なローマの政治体制やインフラ等の解説も平易な文章で尚且つ面白く書いてくれる。
それと地図や図解での説明が親切。欲しいところで、欲しい尺図の地図が挿入されてくる。
塩野七生の呼吸や歩幅に会わせて、その時代のイタリアを旅しているようである。

3919声 塩野七海

2018年08月07日

イタリア、ローマと言えば、塩野七生を外しては語れない。
ローマ在住の著者が日本にイタリアの歴史を紹介した功績は計り知れない。
私もコンステティノープル陥落、レパントの海戦、ロードス島戦記の三部作から始まり
(学生時代にはこの本の影響でロードス島に行った程)
海洋都市国家ベネツィアを描いた「海の都の物語」
チューザレボルジアあるいは優雅なる冷酷など、20年来の読者である。

3918声 ROME

2018年08月06日

照りつける明るい太陽、地中海性のカラッとした風、愛が第一のイタリア人。
細かいことは気にするな。それよりワインを楽しもう!みたいな。
私の憧れの地ローマ。

3917声 ローマでアモーレ

2018年08月05日

そして、先日見たのがローマでアモーレ。
何組かのカップルや夫婦がローマで織りなす群像劇だが
みんな一生懸命なのに、何か1本ずれていたり、すれ違ったりで
不思議に展開するそれぞれのストーリーに、名優たちが華を添え、
まさかなタイミングで発掘された、見事な美声にクライマックスへと持ってかれる。
相変わらず飽きさせずテンポよくまとめてくれる。
ほんの少々の真理と皮肉を添えつつ。
それそれ失敗(例えば愛し合った新婚夫婦がそれぞれに浮気してしまうみたいな)をするのだが、
まぁなんとなく人生間違いぐらいあるさ、ローマだから良いよね
みたいなポップで明るいコメディーとなっている。ローマ熱高まる映画。

3916声 ミッドナイトインパリ

2018年08月04日

ミッドナイトインパリは真夜中のパリをさまよううちに
毎夜、昔の時代のパリに迷い込んでしまう話。
ファンタジーっぽく聞こえるかもしれないが
パリの街ってそんな雰囲気がする。
古い建物が多く(一説には石造りが頑丈すぎて壊せない)
カーブや路地が多くて一つ角を回ると全く雰囲気の違った街並みに出会える
これが真夜中になると更にエキゾチックで、この路地を曲がったら
印象派時代のパリに繋がっているんじゃないかと、本当に錯覚してしまいそうになる。
ミッドナイトインパリが見せる、都市としてのパリの雰囲気は非常に共感できる

3915声 ウッディアレン

2018年08月03日

ウッディアレンがヨーロッパの主要都市を舞台にした映画3部作
恋のロンドン狂騒曲
ミッドナイトインパリ
そして、ローマでアモーレ

3914声 憧れの国

2018年08月02日

長く憧れであったが、あえて行かないでいたイタリア。
今までドコでも一人で旅行したけど
イタリアだけでは誰かと行きたいなと。ねぇアモーレの国だし。
ちょうど良き連れもできたので今月末に行くことにした。
イタリアもベネツィア、ミラノ、フィレンツェ、ナポリ、アマルフィと
行くとこが多いけど、今回はローマとシチリアに絞って、
ゆったりした旅を楽しみたいと思っている。

3913声 ごめんね

2018年08月01日

岡安くんの投稿を見て、はて自分はいくつなんだろうと。
40歳は過ぎた。41歳か2歳のはず。
調べたら41歳と5ヶ月でした。
先月、41歳と4ヶ月で新たな伴侶を迎えました。
世間では新婚と言います。
夫婦というか人間関係の持続性は
普段の不断なメンテナンスが一番重要。
何かあればすぐ謝る。その日その時その場所で。

3912声 7月の終わり

2018年07月31日

忙しい7月だった。あと1年と4ヶ月で40歳になる。色々な人に迷惑もかけつつ、それまでは「やれるだけやってやる」のつもりでいる。

 

「若い時はあれもできる、これもできると思うけどできないからつらい。歳をとると、実際できることが少なくなるし、やりたいことしかやらなくなるからいいよ」

 

ずいぶん前に、堀澤さんがそんなことを言っていた。僕にはその境目が40歳ではないかと思っている。では、また数ヶ月後に。

3911声 故郷は

2018年07月30日

夏休みに入り、新幹線も混んでいた。うきうきが隠せない男の子が、もう時期開く扉の前でしきりに「お父さんのふるさとはどうだったの?どうだったの?」と聞いている。そばには、幼子を抱えたお母さんと、大きなリュックを背負ったお父さんがいる。しばしの間があり、お父さんは「お父さんのふるさとも、いいところだったよ」と返した。

 

やがて、扉が開いた。

3910声 おかわり不要

2018年07月29日

自分1人ではなかなか行かないが、みんなで行こうというので「ステーキのどん」へ行った。超・粗挽きハンバーグ250gのAセット(ご飯・サラダ)。おおお、美味しい。食べ終わり車に乗り込んでふと思った。

 

「ご飯のおかわりをしなくなったのはいつからだろうか」

 

学生時は、「ご飯おかわり自由」なとんかつ屋へ行って、「とんかつ1切れでご飯1杯」をしたこともあった。店としては迷惑である。けれど、夏もくもくと湧き上がる入道雲のように、食欲が尽きることはなかった。

 

僕は来年、40歳になる。いや、今のキープでいいんだ。メタボぎみだし。ただ、「1人前のご飯を残す」時がやってきた時僕は、少ししんみりした気持ちになることだろう。

3909声 オールラッシュ

2018年07月28日

5月末に中之条町や前橋市等で撮影された、篠原哲雄監督・横山秀夫原作・山崎まさよし主演の映画『影踏み』。角川大映スタジオで、今日はオールラッシュが行われた。オールラッシュとは、音楽が入らず音や色味の調整はまだだが、それ以外はほぼ完成という状態。関係者向けの試写だった。

 

僕が実行委員長をつとめる「伊参スタジオ映画祭」はそもそも、篠原哲雄監督・山崎まさよし主演の映画『月とキャベツ』のファンが中之条町を訪れるようになったことを大きなきっかけとしている。「クライマーズハイ」「64」などで知られる小説家の横山秀夫さんも、映画祭のシナリオ審査員を務めていただいた時期があり、映画祭での3者の雑談がこの『影踏み』を作るきっかけにもなっている。縁深い映画なのだ。

 

原作もシナリオも一部撮影現場も読んで見た作品ではあったが、実際2時間程度の映画として組まれているものを見ると印象は別。普段映画を見ても泣くことはないのだが、あるシーンでは(そういう展開になると知っていても)泣いてしまった。

 

1本の映画が作られるまでは、長い道のりがある。『影踏み』とも、長いお付き合いになりそうだ。

3908声 オハ

2018年07月27日

東京へ行くときは、めったにないけど泊まりで行くときは、当日どこに泊まるかを考える。東京なんだもの、どうやっても寝る場所くらいはあるだろうと思っている。

 

目的地は新宿だったのだが、当日、アパホテルは全て埋まっていた。ちょこっと検索したくらいでは、高級ホテルくらいしか出てこない。ちょっと困ったなと思ったら、booking.comを下にスライドさせていけばカプセルホテルなどほんとのただの寝ぐらがあることに気づいた。で、1泊3000円のオハゲストハウスを当日予約。

 

携帯でマップを見てその建物に来たが看板がない。電話をしてみると、「そのビルの7階です」と言う。カウンターらしき場所につくと、アジアからの観光客みたいな人が女性店員と話していた。「ちょっと待ってくださいね」と話す店員さんは韓国籍っぽいなまりがあり、壁を見ると「ここに泊まった外国のアーティストがその記念に描きましたよ、というような東京の地図絵」が、その過程を追った写真と共に飾られていた。新宿歌舞伎町側、そういう立地だからもあるが、ほんのり異国気分だった。

 

その寝ぐらは、ホテルというものではなく漫画喫茶。天井を除く四方がパーティションで区切られただけの室内。3000円だから文句も出ない。むしろ「僕はもっとずっと若い時に、日本を出てどこかの安宿に泊まるような体験をすべきだったのではないか」という後悔のような独り言が出た。

 

安く泊まったので翌朝、道路向かいに「すしざんまい」を発見した僕はすぐに入ってしまった。

3907声 山形国際ドキュメンタリー映画祭

2018年07月26日

2年に一度、山に囲まれた盆地、山形市内において世界中のドキュメンタリーを集めて1週間にわたり上映を行う「山形国際ドキュメンタリー映画祭」」が開かれる。

 

僕は2001年の映画学校の学生時に初めて訪れ、そのあまりの素晴らしさに2003年には東京事務局にアルバイトとして入らせてもらった。その間に見たドキュメンタリーや、その間に会ったドキュメンタリー監督・関係者との出会いは僕にとってかけがえのないものだ。

 

今年、中之条ビエンナーレの参加作家でもある斉藤邦彦さんが「東京の仲間とともに「ドキュ部」をやっていて、昨年山形映画祭に行った記録をZINE(小冊子)にしたんですよ」と話してくれた。高崎のZINEイベントでその「ドキュ部」の皆さんに会い、純粋な「山形映画祭への愛」を感じた僕の口からふと「東京の映画祭事務局に遊びに行きませんか?」という言葉が出た。

 

それから半年くらい経ってしまったが、明日の東京への用事と合わせ、15年ぶりに事務局の浜さんとも連絡をとり、その場を作った。89年の第1回開催から山形映画祭を静かに牽引してきた矢野さんはじめ、会う皆さんすべてが「自分がやりたいことをやり続けている」からなのか、変わっていなかった。僕はもういい中年になってしまったが。

 

「ドキュ部」の皆さんと、山形映画祭の皆さんが楽しそうに話しているのをニヤニヤしながら見ていた。事務所から近くの中華料理屋に場所を変え、酒も飲んでいたので、僕自身「僕は山形国際ドキュメンタリー映画祭に関わってドキュメンタリーを好きになったおかげで、映像って自由だなって思ったし、世界が広がった気がしたんです」と2、3度言ったことを覚えている。

 

まだ始まってもいない気もするけど、僕がやりたいことはドキュメンタリーなのだ。

3906声 恩返し

2018年07月25日

軽トラの荷台から自力で抜け出せない雨蛙を、そっと藪の中に移した。そういえば半月前、アスファルトの上で悶えていた蝉の幼虫を、そっと近くの木の幹に移した。

 

雨蛙と、蝉の幼虫の恩返し。
美人は来なそうである。

3905声 咲耶美

2018年07月24日

「これは、地元の酒です」

 

自信をもってそう人に勧める時ほど、嬉しいことはない。自分が造ったわけでもないのにね。「咲耶美(さくやび)」は、高山村との境のちょっと手前、中之条町にある貴娘酒造のセカンドブランド的な銘柄である。これが、美味しい。

 

貴娘酒造の「貴娘」はもうずっと昔からの地酒なのでよく知っていた。けれど個人的にはそれをあえて誰かに買っていこうと思う酒ではなかった。「咲耶美」を知ったのは、実は外からの情報。「とても美味しい日本酒がある。それ、中之条で作ってるらしい」と高崎の知人が言っていたのを聞いたのだ。多分、あまり出回っている酒ではなく、中之条でも「歴史と民俗の博物館ミュゼ」下の平形酒店でのみ購入が出来る。

 

ピンク色ラベルの「直汲み荒ばしり」は、ほのかな発泡性もあり、爽やかなんだけど飽きることなく芯のある甘みと苦味がある。今まで、映画のクランクアップの酒の席や、親しい人が集まる場所に、何度か好き好んで買って持って行った。今年偶然、仕事で貴娘酒造の撮影を行ったことも、愛着の一因になっている。

 

群馬には、たくさんの酒蔵がある。それはとても豊かなことだと思う。

3904声 おいしいものだけを売る

2018年07月23日

「スーパーまるおか」をご存知だろうか。現在は場所をイオン高崎そばに移した、全国各地から「作り手と商品・材料がはっきりわかるもの、店員が食べて美味しかったもの」だけを集め売っているスーパーだ。もう5年くらい印刷の広告を担当している。

 

きっかけは「以前チラシ作成を頼んでいた人がもうやらなくなったから。BIOSK(高崎で固定種野菜と加工品を売る店)にチラシが作れる人がいると聞いて」というシンプルなもの。そのきっかけをもらうまで行ったこともなかったが、1度2度行ってその徹底ぶりに驚いた。普通のスーパー感覚でレジに向かうといい金額になるので、「1回行ったら何か1つ、買ったことのないものを買う」という自分ルールを儲け、結果鍋の素でも酢でも「こんな美味しいものがあるのか」と度々感動している。

 

創業50周年を迎えるまるおか。そんなに長く続けていて今まで「新聞折込広告は入れたことがない」という徹底ぶり(つまりはリピーターと口コミ頼り)もすごいが、今回はじめて前橋・高崎に新聞折込を入れた。反応は上々だと聞いて、ほっとした。

 

良くも悪くも「高級スーパー」と呼ばれ、来るお客・来ないお客が2分化している気がするまるおか。けれどわりと長く関係して来た僕が思うのは「いいと思ったものを適正価格で売っている」だけとも思う。いい物でも定価が安いものはその程度で売っているし、牧草にも非加熱処理にもこだわって手間と時間をかけた牛乳が高価なのはそこまでした結果なのだ。全てが価格競争でジャッジされたら、いいもの、いい生産者、いいお客は残らない。

 

この商い、仕組みはわかっても、実践し継続しここまで積み上げるのは至難の技。すごい店である。

3903声 出来た!

2018年07月22日

9日間の「温泉郷クラフトシアター」が終わった。映像担当として、パンフレットだけでは伝わらない各ものづくりの面白さを、即撮・即編で映像化し、会場やネットで紹介し、それを見た人が「これ作ってみよう」と思うような動線作りにチャレンジした。結果、26人くらいの作家のうち半数くらいは会期中に間に合わなかったが、2〜3分の短編動画をある程度は量産した。全てが揃ったら、結構面白い映像アプローチになると思う(後々youtubeにアップするので8月半ばくらいに「温泉郷クラフトシアター」で検索してみてください)

 

撮影していて一番いいなと思うのは、アクセサリーにしろ刺繍にしろお盆にしろダルマにしろ、作家の指導のもとにお客さんが自分なりにそれらを作り、作るまでの大変さの大小はあるにしても、完成した直後に見せる「出来た!」という喜びの顔である。実にいい顔をする。

 

ものが溢れる時代。使い捨ての時代。いい材料といい時間、手間をかけて作るものは美しい。自分の手がかかるとなるとその美しさは5倍にも 10倍にもなる。きっと、長く愛してくれるに違いない。

 

僕ができることは、映像という手法で石を宝石に見せることではなく(そういう腕はないのもあるが)、9日間というその時間の中で、かけがえのない時間に立ち会い、それらを削って「彫刻」していくことなのかもしれない。まだ編集は終わってないけど、僕にとってもとてもいい体験だった。