日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

3881声 カメラの前

2017年06月23日

午後、俳句の雑誌の撮影があった。
お気に入りの一冊の写真を撮るのだが、
野外での撮影であったため、非常に緊張した。
今月はじめに鼻の横に突如出現した出来物は、
ようやく沈静化したのだが、色素沈着というか、
そこの部分だけ濃い痣のようになってしまった。
間抜けな顔が、いっそう間抜けになっている。
そんな顔で、うすら笑いを浮かべながら、
カメラの前に立っていた。
 
撮影が終わり、しばし編集者の方と会話する時間があった。
普段、面と向かって際する機会がなかったので、新鮮であった。
単純だが、目標に向かって走らねばと思った。

3880声 結局

2017年06月22日

酒をおごってもらった人には、逆らえない。

3879声 戒め

2017年06月21日

車を所有している。
はじめて買った車で、もう十年程度乗っている。
走行距離は八万キロに届いていないので、まだまだ走れるが、
十年も乗るといろいろなところにガタが出ている。
その際たるものは塗装で、青空駐車が災いしてか、
天井の一部の塗装、正確には塗装の上のクリアというらしいが、
それがどんどん剥げてきている。
修復などはせず、する予定も無く、かまわず乗っている。
 
その昔、ほりさーさんの車の後部ドア付近に、
目立つこすり傷があった。
赤錆が浮き出てきており、かつ車体が白いこともあり、
非常に目立っていたので、「直さないんですか」と聞いたことがある。
 
ひとしきり、この深いこすり傷ができた際の状況を説明したあと、
「そういうことで、この傷は自分への戒めのために残してある」
そう締めくくった。
その一連の話を聞いたときは、なんとなく「そうか」という気がしたが、
いまになって思えば、単に直す金が無かったのだと思う。
いまの私がそうだもの。

3878声 駅ビルの三笠山

2017年06月20日

最寄り駅まで帰ってくると、構内が騒がしかった。
改札脇に貼ってあるポスターを覗くと、
長らく改装中であった駅ビルが、
本日リニューアルオープンとの由。
駅ビルと言っても、駅併設の二階建てとこじんまりしたビルである。
当然ながら開店セールとのことで、どの店も行列ができている。
わわわっと活気にのまれて、人の流れにしたがって、
ひとしきりビルの中を見てまわった。
そこはかとなく「何か買わねば」という心持になり、
目を光らせていたのだが、何かとタイミングを逃した。
若者向けのお店ばかりだったからかもしれない。
結局、以前からそこの同じようにある文明堂で、
昔からたびたび買っていた、三笠山を買って帰った。
昔から変わらぬどら焼きが売っているということは、
とても重要である。

3877声 ストロングスタイル

2017年06月19日

夏めいてきたせいもあろうが、
夕方ないし夜に駅構内をあるいていると、
飲んでいるおやっさんを頻繁に見かける。
気になったのは、飲んでいることでなく、
飲んでいるものの、種類である。
おやっさんたちがぐびびっと飲んでいる、
コンビニ袋に包んである、缶。
その種類。
缶チューハイが非常に多いのである。
銘柄は、近頃人気である、アルコール度高めの、
いわゆる「スロトング系チューハイ」と言われるもの。
それが近頃、圧倒的な勢いでおやったちの心を掴んでいるようだ。
その中に、麦酒を持っている方を見かけると、
すれ違い様、心の中で、「同士」とつぶやいている。

3876声 通り具合

2017年06月18日

先週まで、ばたばたと俳句関係の締め切りが続いていたので、
この週末は俳句のことをあまり考えずに過ごした。
昨晩も麦酒をやや飲みすぎてしまったが、さほど、残っていない。
体調が良くなってきた証左だ。
それだけ、許容、ゆとりがあるのだ。
そういうときは、何を飲んでもぐいぐいと飲める。
もっとも、麦酒しか飲まぬのだが、同じ缶麦酒でも、
一口で、体調のそのときの状態の良し悪しがわかる。
どちらかと言えば味ではなく、喉の通り具合である。
いつもの麦酒がすいすい入るか、入らぬか。
同じ麦酒で味がまずいとき。
それは、賞味期限が過ぎているのであろう。

3875声 静かな花

2017年06月17日

梅雨の晴れ間であった。
二日酔いではなく、睡眠不足に起因するであろう、
頭痛のため、紫陽花などを見てぼんやりと過ごす。
紫陽花はなんと静かな花なのであろうか。
眺めていると頭の中もなんだか静かになってきて、
頭痛もいつしか沈静していた。

3847声 レモンサワー

2017年06月16日

古い友人と会うため、夕方から上野へ出かけた。
アメ横あたりからはじめようと、
大統領やたきおかなど数軒覗くが、
どこも満席で早々に御徒町方面へ流れた。
こちらまでくると悠々と店を選べる。
手ごろな店に入り、焼き鳥などつついた。
駄菓子屋の粉で溶かして飲むジュースのような、
毒々しい色のサワーをがぶ飲みしていた。
この点はずっと変わらない。
 
むかし、この友人と前橋市街の硬派な焼き鳥屋の
暖簾をくぐったことがある。
店内には常連ばかりで、独特なやや重たい空気。
カウンターへ腰掛けると矢継ぎ早に、
煙の向こうの店主から「飲み物は」の鋭い声。
「び、びーる」と私。
その友人はと言えば、長考した挙句、
「カシスオレンジで」と。
その声にかぶさる勢いで、店主から、
「そんなもんあるわけなーだろ、サワーしかねぇ」
とつっこまれ、語尾にバカヤローが付かなかったところは、
店主のやさしさであろう。
圧倒された友人は「じゃ、じゃあさわーで」と難を逃れ、
私も胸をなでおろしたが、その後は煙がいっそう目にしみた。
 
この御徒町の焼き鳥屋は、毒々しい色のサワーが沢山あったので、
私もひと安心であった。
あの前橋の店で「サワー」といったら、レモンサワーなのである。
しかし、あの時の店主のつっこみは、店内全員の声であったろうな。

3873声 鉄のにほひ

2017年06月15日

梅雨の晴れ間であった。
草木が一気に精彩を帯びて、煌いていた。
街にはサングラスやビーチサンダルが、
沢山闊歩しており、夏の匂いがした。
凡兆の句に〈市中は物のにほひや夏の月〉がある。
今日の梅雨の晴れ間は、なにかこう、むわっとして、
市中を通ると、アスファルトや鉄の匂いが立ち込めていた。

3872声 分かるのだが

2017年06月14日

そういえば、ほりさーさんがいまの私くらいの年のころ、
すなわち三十代半ばに差し掛かったころである。
しきりに、「食生活の改善」に取り組んでいた。
それは、マクロビオティックという思想的な流れを経て、
発酵食の実践に至るわけだが、それに取り組もうとした
きっかけが、いまなら分かる気がする。
否、十分に分かるのだが、いまはまだ、自宅の冷蔵庫の
半分をコーラとビールが埋め尽くしている。
変われるだろうか、食生活。

3871声 変わり目

2017年06月13日

梅雨らしく、降ったり止んだりの一日であった。
体調は回復傾向にあったが、今度は口内炎が出来てしまった。
それが、酒を飲んでいることもあってか、
大きく成長してしまい、いま、何をするにも痛い。
しゃべる時も、食事をするときも、痛い。
酔っていると痛みが軽減するので、その時ばかりは非常に楽だが、
覚めた時の苦痛といったらない。
帰り際に購入した安物の塗り薬を患部に塗布しているのだが、
それもしみて痛い。
久しく口内炎になっていなかったので、こんなに痛いものかと、
驚いているくらい、痛い。
三十台中頃にさしかかり、体質の変わり目が来ていると、
この痛みをもって実感している。

3870声 地ビールとクラフト

2017年06月12日

銀座のちょっとした店での宴席より帰宅した。
ビールのラインナップに「那須高原ビール」があった。
スタイルこそひとつしかなかったが、美味しかった。
お店の方はしきりに「地ビール」と説明していた。
地ビールはその名の通り、味わいながらそのビールの地元に、
思いを馳せるのが醍醐味である。
 
ひと昔前、いまのような「クラフトビール」の呼称がなかったころ、
大手の、つまり大量生産されて一般的に流通する以外の、
ビールはおしなべて地ビールとなっていた思い出がある。
そして、それらの多くは土産的な要素が強く押し出されており、
製造しているのも、サイドビジネス的に製造している地場の企業が
多かった。
いまは淘汰されてみな美味しく飲めるが、
当時はやはり味にばらつきがあり、いまでも「地ビール」と聞くと、
敬遠する方も、実際、多く見てきた。
「昔、お土産で買ったどこそこの地ビールがまずかった」と。
 
そんな方でも、「クラフトビール」と聞くと、飛びついて飲んでいる。
確かに、その語感からも、クラフトマンシップで造られる、
一杯入魂のビールが連想され、美味しそうである。
確かに美味しいのだが、「地ビールはまずい、クラフトはうまい」
という図式が定着していることは、地ビールファンとしては悲しい。
だからどう、ということはなく、ただただ、美味しい「地ビール」を
薦めていきたいと思う。

3869声 若竹

2017年06月11日

かかえていた書評におおかたのめどがつき、
ひと段落である。
草むしりをほったらかしていた庭には、
草などが蔓延っているのだが、
やっかいなやつが生えてきた。
竹である。
朔太郎ではないが、
 
青空のもとに竹が生え、
竹、竹、竹が生え。
 
という具合に、やたらめったら地面から突き出ている。
まだ若い竹なので、枝きり鋏でちょきんとやれば済む。
しかしながら、竹の成長の早さには驚いた。
ほんの一週間前は目立たなかった竹が、
いまは私の背を追い越しているのだから。
月夜に向かってぐんぐん伸びていると思うと、
なんだか不気味である。

3868声 一線

2017年06月10日

定例の句会で原宿へ出かけた。
いつもは代々木公園を主として吟行をするが、
今日は明治神宮へ。
菖蒲田が見ごろを迎えているからである。
梅雨時のむわっとした水の匂いと人いきれの
立ち込める中、花菖蒲を鑑賞した。
ここには全国から優秀品種が集まっているらしく、
たしかに、みな気品あるように見える。
月並みな表現だが、しばし都心ということを忘れた。
明治神宮も入り口の脇に雰囲気のよいカフェなどできて、
田舎ものの私がいうのの何だが、だいぶ垢抜けてきた。
しかしながら、都心にありつつ都心と一線を画す場所で
あってほしい。

3867声 衣

2017年06月09日

最寄駅の近くに、から揚げ屋ができた。
近年、流行っているようで、たこ焼き屋のように、
から揚げを主力として展開する店舗を良く見かける。
「なんとか金賞受賞」や「満足度№1」なる幟に引かれ、
寄ってみた。
当然ながら、弁当でなく、麦酒のつまみにするので、
単品で数種類、購入した。
すぐに帰宅し、早速、冷えた麦酒の横に添える。
さくさくの衣に、しょうゆやにんにくの香りが効いていて、
たしかに美味しい。
いま風とでも言おうか、てんぷら然り、から揚げ然り「衣」
といえばなんでも「ぱりぱり」である。
ぱりぱりにあらずはころもでなし、とでもいう具合に。
私は昔から、弁当屋お手製のから揚げ弁当に入っているような、
落ち葉のような色の、もったりした衣のから揚げが好きである。

3866声 蛍火

2017年06月08日

昨日、四国、中国、近畿、東海、関東甲信地方が、
「梅雨入りしたとみられる」と気象庁から発表された。
梅雨入りといえば、蛍である。
群馬に住んでいる時分は、さっと前橋などに出かけて蛍を見れたが、
いまはそう簡単に見られぬ状況である。
椿山荘のほたるの夕べに、気軽に出かけられるような暮らし向きで
もないので、週末などに満を持して出かけねばならない。
千葉では房総のあたりにいくつかよいスポットがあるのだが、
いささか長い帰路のことを考えると、二の足を踏んでしまう。
やはり蛍は、だだっぴろい田んぼの広がる里山で見たい。
できることなら野生の、あの力強い光の。

3865声 月の雨

2017年06月07日

夕方からちらちら降り出した。
空は垂れ込める雲で重たいが、頭痛はいくらか軽くなった。
翳ったと思ったら、すぐに雲が切れ、ぼんやりと月が現れた。
月は晴れているが、その下の空は雨が降っている。
六月らしい光景であった。

3864声 チューニング

2017年06月06日

入梅前の貴重な晴れ間であった。
継続して頭痛である。
庭先で鳴く野良猫の声が、なんだか、ざらついている。
季節の変わり目に、体調でも崩したのであろうか。
それとも、私の体調が崩れているからそう聞こえるのか。
食欲は不振だが、無性にポテトチップスが食べたくなったり、
なんだか、おかしい。
さっきからしきりに聞こえてくる猫の声のように、
体のチューニングが狂っている気がする。