日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

早足の日常

2013年05月27日

朝から厚い雲に覆われていて、
終日曇り。
梅雨がすぐそこまで来ているのかもしれない。
今年は桜が咲くのも早かったけれど、
その後の季節も早足で過ぎているようだ。
この「鶴のひとこえ」の代筆もあっという間に一月が過ぎ、
毎日書くことの大変さと、
日常を書き留めることの意義深さを感じている。
私の担当は今月いっぱい。
もうしばらくお付き合いください。

大人の遊び場

2013年05月26日

渋川にて「かみつけきき酒会」に参加。
よくある日本酒党の会と違うのは、
日本酒に対して細かく探究したがるというか、
つまりしつこい参加者が多いこと。
けれども酒が進めばありふれた機嫌のいい酔っ払いとなるのだから、
結局純粋においしく酒を飲みたくて集まるのだと思う。
有名な都々逸に、
「お酒飲む人花ならつぼみ 今日も咲け咲け明日も咲け」というのがあるが、
そういうご機嫌さというかある面においては無鉄砲ともいえるような大人の遊び場が、
この頃は少なくなってきている気がする。

発酵

2013年05月25日

「発酵」というキーワードは、
歳を重ねれば重ねるほど共感せざるをえなくなるのかもしれない。

選択

2013年05月24日

選択するということは、
一方を選んで一方を選ばないということではあっても、
正しいことを選んで正しくないことを選ばないということではない。
その選択が正しかったかどうかの判断は、
正しいと思えば正しくもなるし正しくないと思えば正しくなくなるというくらい、
たえず揺れ動いていくものだから。

大泉町

2013年05月23日

大泉町に行ってきた。
住民の1割がブラジル人と説明されたが、
1割どころではないだろうと思いたくなるくらいに町中がブラジルの店だらけだった。
ブラジルの飲食店に入るとまず驚くのは肉料理の多さ。
付け合せにはフィジョアーダという豆の煮込み料理が必ずあって。
味付けはほとんどが塩だとのこと。
醤油の味になじみはないらしく、
とくに甘辛の醤油味がダメなんだとか。
料理に砂糖は使わないのだそう。
その分デザートは飛び切り甘いのだが。
シナモンの味がするスティックドーナツのような揚げ菓子を食べたけれど、
その中にたっぷり入っていた練乳のあの甘さはきっと一生忘れない。
こんな近くで味わえる異国。
食文化だけでなくいろんな面で交流したら楽しそうだが、
意外と日本人との交わりは進んでいないという印象だった。

認識改善

2013年05月22日

誰しも体質改善を必要とするときが人生の中で何度か訪れる。
疲れやすい。集中が続かない。病気になった。理由はいろいろだと思う。
そんなときは生活を見直して、中でも食を改めることで改善できたりする。
これに似たことで、「認識」を改める必要を迫られるときも人生には多々あって。
いいと思っていたことがそうではないと思い知らされたり、
うまくいかない理由が自分のわがままにあることに気づいてしまったり、
目の前の誰かを何とかして助けたかったり。
けれども体質改善より認識の改善の方が容易でないのは、
体の弱さは自分の生活の仕方や食べ物、運動不足など己に非があるとは思えても、
人生の上手くいかなさを、自分の考え方、物事のとらえ方がよくないからとは認めにくいからなのだと思う。
まずは他者否定をやめる。
そんなに簡単なことではないかもしれないが、他者否定してしまう限りはなにもわかれない。

2013年05月21日

横綱白鵬が、無傷の10連勝。
これで二けた勝利が38場所連続となり、北の海を抜いて歴代単独1位となった。
今の大相撲は年に6場所あるので、6年以上も10番以上勝っていることになる。
この数字がいかにすごいか。
大相撲は1場所15日制で、横綱以外はみな8番勝てば番付が下がることはない。
そのくらいに勝ち続けることが難しいのが相撲というもので。
そもそも江戸時代まで、番付に横綱はなかった。
番付最上位は大関で、その中で人間離れして強い力士に称号を与えたのが横綱誕生のきっかけ。
つまりそれは神の域、ということになる。
その、歴代の土俵の上の神の中の一つの記録において、白鵬は史上最強となった。
白鵬の取り組みが神々しく見えるのはきっと私だけではないはず。

爽やかな風

2013年05月20日

梅雨が迫っているのか、
少し湿度が上がってきた気がしていて、
昼間の風がとても心地いい。
ひところの強風も影を潜めてきたし。
日に日に色を落としていく麦畑の麦が、
刈取りを前に、風にそよいでいる。

懐かしい匂い

2013年05月19日

図書館に行く道すがら、小学校の脇を通ったら、少年たちが野球の練習をしていた。
ちょっと歩を緩めて練習風景に見入っていると、懐かしい匂いがしてきて。
あまり気に留めずに、そのまま学校の外をおよそ半周したところで匂いの正体に気がついた。
ソースの香りがぷんぷん漂う、もんじゃ焼き屋がそこにあった。

文化財

2013年05月18日

前橋の文化財建築である臨江閣で出張料理をしてきた。
明治の建物で、とても格式と風情があふれる造り。
天皇も泊まったことがあるというから迎賓館としての役割も担っていたのだろう。
今回は建築家の集まりでの会合だったが、
おそらく誰でも申請すれば使えるはず。
文化財は使ってこそ意味がある。
建物はなおさら。

悪意

2013年05月17日

自分のことがよくわからずに困っている人というのは、
自分以外の人の悪意についてはとても敏感に、よくわかっていたりする。
一方自分のことをある程度わかって、
仮にわからないところがあってもさほど困らない人というのは、
人間の悪意について、たいしたことないと思っていたりする。

緊張

2013年05月16日

「堀澤さんでも緊張するときがあるんですか?」と聞かれるということは、
あまり緊張しないように見られているのかもしれない。
緊張していると思われたら余計に緊張してしまうから緊張していないように見せるようにしているということはあるかもしれないが、
だいたい緊張している。
とくに料理を作るときは。

縄文時代

2013年05月15日

ランチを臨時休業して新潟の博物館に行ってきた。
秋に恒例のものづくりの展示会のテーマを見学しに。
今年はそれがどういうわけか「縄文時代」に決まり、
新潟は遺跡や発掘物が多いので見てきたというわけ。
「縄文時代は1万年も続いた時代」というだけで、
想像が及ばなくなる。
文字もない時代の手掛かりは土器や土偶や人骨などの目に見えるものしかない。
専門家はここからひたすら想像してそれに説得力を持たせようとすることになるのだが、
面白いのはそれぞれに言うことがずいぶん違ったりすることである。
それがまたみな実にいきいきと、
こちらが止めなければ終わらないかもしれないと思うほど熱心に話してくれるのも面白い。
わからないことが人間をかきたてるんだよな。
縄文時代は人間を知るための研究対象である一方で、
それが「わからないことであること」が大事なのかもしれないと感じた。

名店

2013年05月14日

昔よく通った高崎の小料理屋を久しぶりに訪れた。
女将は変わらぬ自然体で迎えてくれて、いつも思うが距離感がちょうどよくて。
とくに余分なことを言うでもなく、それでいて目配りはちゃんとしている。
親方はきびきびと、見ているこっちが気持ちよくなるテンポの良さで仕事をしている。
これも昔と変わらない。
カウンターでいつもより少し飲み過ぎたらしいお父さんが会計の後、「あと半分だけくれる?」と一言。
そう言いたくなる気持ちがよくわかる。

ホップのゲップ

2013年05月13日

インディアンペールエールというビールがある。
ビールの原材料であるホップを、通常の2~5倍くらい使った香り高いビールのこと。
ビールにはゲップがつきものだが、このビールを飲んだ後のゲップは、香り高い。

 

勘弁

2013年05月12日

勘弁してくれって言っているのに「オマエ」が勘弁してくれないから「オレ」は苦しいんだ。
と言う「オレ」は、
たいてい「オマエ」を勘弁していない。

恵みの雨

2013年05月11日

やっと雨が降った。
この時期畑は種まきの時期で、
雨が降らなければ幼少期の野菜が育たない。
知ってか知らずかラジオのお天気キャスターは「農作物にとっては恵みの雨」と言っていたけれど、
この潤いは人間にとってみたって恵みの雨だなぁと感じている。
トタンに落ちる雨粒の音が、ゆるゆると鳴っている。

2013年05月10日

特定の誰それさんが嫌いなのではない。
聞き分けの良くないあなたが鬱陶しいのではない。
口が臭いおやじの全てが悪いのではない。
常に突拍子もなく都合の良い方向にしか振れない脳の、
そのわけのわからなさが手に負えないだけである。