日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

5008声 ワインの順番

2022年01月24日

友人がコロナ感染でホテル療養となった。直接の知り合いの感染は初めてである。症状はとくにないらしくほっとした。私もいま検査したら陽性だったとしても不思議はない。ほぼ人と交わらないから濃厚接触者にもなりにくい。昼過ぎにジョギングをした。今日はどうにか走れるくらいの寒さで、明日はまた底冷えだというから走れるうちに走った。コロナより寒さが怖い。今日も器に思いを巡らす。いくつか注文もした。やりたい盛り付けをしたときに器が放つ雰囲気が民芸を保ちつつ緊張感と余韻のある器はどんなものかばかり考えている。いくつも寿司屋に行ったことで、寿司屋をやりたいのではないことがわかった。やりたいのは飲み屋である。今日またもう一つ、他のことがわかった。おいしいと思うワインと寿司に合うワインは必ずしも一致しない。おいしいと思うワインの中の一部のワインが寿司に、うちのシャリに合う。燗酒は基本的にうちのシャリに合う。それはおそらく先に燗酒を好きになったという事実がまずあって、それを基準に寿司を始めたからだと思う。ワインは違って、ただおいしいから飲んできた。それで好みのワインはたくさんできたが、寿司に合わないワインもたくさんあることに気づいていった。今日わかったのは、いくらおいしくとも寿司に合わないワインを飲んでもらいたいとは思わない、ということである。つまりワインは寿司の次ということがわかった。自分の好きな燗酒、うちのシャリの寿司、ワイン、という順である。すごくめんどくさいことをわかってしまった。

5007声 寒い

2022年01月23日

器の整理をしながら改めてイメージをやり直す。北陸と東京と行ってきて、新しく気づけたこともたくさんあったし、具体的な場面も少し想像できるようになってきた。まとめていきたい。それにしても寒い。

5006声 寿司政

2022年01月22日

九段下の寿司政へ。看板には文久元年創業の文字。1861年である。国定忠治が死んだのが1851年だから、それはもう歴史上の寿司屋と言っていい。ランチの握りをいただく。シャリはほどよく軽く握りは柔らかい。カウンターの付け台は10cm近い高さがある。神保町の鶴八もそうだった。人形町の喜寿司は塗りの付け台だがここも高め。お盆やテーブル、厨房の骨董感がたまらない。流行の高級寿司屋は少し飽きてしまった。老舗を周りたい。店内の額に俳句。「秋風や江戸一番の新こはだ 1973年7月」私が生後半年の時の句である。

5005声 民芸系

2022年01月21日

今日も器巡り。民芸系の器の店へ。やはりこの質感が好き。ひとことで民芸と言っても色々である。民芸産地ではない地域の作家物でも民芸調のものもある。器には3種類あると思った。美術工芸系とクラフト系と民芸系。九谷焼や京焼は美術工芸に傾きやすい気がする。いわゆるクール、あるいは派手。良くも悪くもつるっと硬い。クラフト系はこの20年くらいで最も増えたふわっと柔らかい器。民芸は、質感の土っぽさがまずないといけない。中でも力強さと温かさ、素朴とエッジが同居している器がいい。だから織部や備前でも、そういう器ならば民芸に近いと思う。唐津なんかは民芸に入れてもいいのではないか。

5004声 器巡り

2022年01月20日

都内で器屋を周る。料理屋と飲み屋の違いに気づいてから、料理屋と飲み屋では設えからして違うと思った。たとえば白木のカウンターは料理屋にはいいだろうが、飲み屋には向かない。飲み屋はどちらかと言えば少し色のある、やや暗めの証明が映えるようなカウンターだろう。カウンターの色が変わればそこに置く器の色も変わる。照明が変わればそこに置く器の質感が変わる。そんなことを考えながら器屋をはしごして、器を手にとってじっと想像して周った。

5003声 所作とリズム

2022年01月19日

銀座の寿司屋へ。昼で2万円のコースはまんぼう直前だというのに満席だった。つまみはなく最初から最後まで握り。隣の男女は銀座のクラブの話をしている。端の若い女性二人もおしゃべりをしながら、それでも目の前に寿司が置かれるとすぐに食べる。その辺は皆心得ているようだ。ネタもシャリも大きめで腹が膨らむ。後半になって店内が静かになったのはお腹が苦しくなってきたことと無関係ではないだろう。大将の所作はきれいで、リズムも心地よい。おまかせの寿司を握る板前は落語家に似ていると思った。所作とリズムが肝要。談志師匠ならば内容もなきゃだめ、と言うだろう。

5002声 まんぼう決定

2022年01月18日

先日いただいてきた夏みかんを使ってビールの仕込み。今年はどこも柑橘がよく実をつけている。いただいてきた夏みかんも果汁たっぷりで、絞れた果汁は8リットルにもなった。皮は丁寧にむいてこちらは2.2kg。両方使って贅沢な仕込みとなった。そんな最中、まんぼうの知らせ。群馬も対象地域になったらしい。21㈮〜来月13㈰まで外で飲む人がほとんどいなくなる。ビールの出荷が止まると空きケグがなくなる。空きケグがないと、今日仕込んだビールを含めて500リットル以上の行き場がなくなる。できるだけ瓶に詰めたとしても最低限必要な本数を確保したい。

5001声 怪しい気配

2022年01月17日

朝からケグ詰め、タンク洗浄をして明日の仕込みの準備。都内は週末からまんぼうになるらしい。高崎も先週末から一気に人出が減った。ばっちゃんと対策を話し合う。そこまでしてダウン。飲み疲れ。旅疲れ。

5000声 5000声

2022年01月16日

ひとこえが5000声となった。2007年夏に始まって足掛け15年、最初は私堀澤が書いていてある時から抜井に変わり、抜井が一人で書いている時期が長くあった。最近になってすーさんと岡安さんが加わり、来月からは坂口さんも新たな書き手として加わることになった。鶴のひとこえはこれから5人で続けていくことになる。15年は長いのか長くはないのか、少なくとも5000回続いたのは長いと思う。もしあと5000回続いて10000声にまでなれば、私はその時62歳になる。そんなに長く生きられるのか。過去の時間よりもこれからの時間のほうが遠く感じる。

4999声 寿司屋と飲み屋

2022年01月15日

昨夜は野々市の有名寿司店へ。金額も過去に経験のない高価なものならば、20時半スタートという遅い予約時間も初めてだった。それでも行こうと思ったのは、とにかく予約の取れない店であり一度経験してみたかったから。キャンセルが出たらしい。紅ズワイガニから始まってズワイガニ、毛ガニ、その後も甘海老、ボタン海老、うに、メジマグロ、そしてまたカニ。テンポよくどんどん出る。大将はおいくつくらいか。50代半ばくらいだろうか。小柄で細身の方だった。決してお客に深入りせず、ネタの説明を淡々と繰り返す。ビールを一杯と熱燗をニ本。1時間20分でコースは終わった。早い。食材の味をダイレクトに感じることができておいしかったし、待たされるより早いほうがいい。ふとあっけない気もしたが、寿司屋ってこういうものかもと妙に納得してしまった。やはり自分がやりたいのは飲み屋なのだと思う。

4998声 金沢のワインショップ

2022年01月14日

7:11の電車で金沢へ移動。ボタン式扉のローカル線は通学の生徒で混んでいた。途中雪は止んでいたが金沢に到着するとまた少し降ってきた。ビニールハウスをそのまま店にした、変わった店で玄米粥の朝食。とてもおいしくて驚いた。おいしくて驚くのはなかなかない。ホテルに荷物を預けてお茶の専門店へ。台湾茶と日本茶数種を飲ませていただいた。道は水溜りが多く歩道は雪。日陰の路面は凍っている。台湾茶と日本茶数種を飲ませていただいて次の店へ。ナチュラルワインショップ。隣接のレストランでランチを食べながらワインを二杯。その後ショップでワインを購入した。二度目の訪問だが、ここの女性店主は言語化の力がすごい。センスも味覚も信頼できる。また来たいとまた思った。

4997声 雪の北陸へ

2022年01月13日

朝昨日の仕込みの後片付け。金柑が予想以上に粘質でその片付け、後始末。煮出したあとの出し殻のはずの金柑が麦汁を吸って膨らみ、濾せず。かと言ってそのまま廃棄するにはもったいなく、発酵タンクに移した麦汁とは別に発酵させることにした。そこまでしてそのまま駅へ行き、富山へ、魚津へ向かう。日本海側は広範囲で雪の予報。長野市を超えたあたりから雪が増えてきて、海岸線の新潟と富山の県境あたりでまたさらに雪が増えてきた。そのどちらも山を越えたときに、雪が増す。天気は山が変えていることをリアルに体験した。魚津で目当ての寿司屋さん。つまみもすべて地物で握りも旨く、女将さんは美人だった。けれどもとにかく、大将がすばらしかった。

4996声 松屋で朝定食を食べていたら鼻血が出た

2022年01月12日

9:30まで起きられず。昨日張り切りすぎた。小皿料理が多かったこともあり、皆さんゆっくり飲んでいただけた。あのスタイルいいな。野菜をもっと多くできるといい。さてビールの仕込みをしなければならない。明日から北陸へ行く。大雪らしいが大丈夫だろうか。それよりこのヘトヘトの状態でちゃんと仕込みできるのかが心配。さっき松屋で朝定食を食べていたら鼻血が出た。今日は金柑のビールの仕込み。

4995声 食中酒百席26回目

2022年01月11日

食中酒百席の日。朝市場に行ったら内子たっぷりの雌蟹があったので購入。脂が乗って肉厚の鰆も買った。使い切れないのにいい魚を見ると買ってしまう。その後は分刻みで仕込みと休憩の繰り返し。食中酒のときはいつもそう。今日は小皿だけで10品以上出す予定。

4994声 連休最終日

2022年01月10日

朝ケグ詰めをして角上へ。連休最終日なので魚は少なかった。それにも増してお客さんが少ない。開店前に20人くらい並ぶのが常だと思っていたがこれも連休最終日だからか。店に食材を下ろしてタンク洗浄。今日は温かいから動きやすい。久しぶりにジョギングもできた。さて今日は夜の客足はどうだろうか。

4993声 連休中日

2022年01月09日

連休中日。昨日より人出があった。シャリの保温釜を新しくして2日目。もう少し水分を多めに炊いてもよさそう。シャリ切りのやり方も変えてみるか。全国的にコロナ感染者数が増えてきた。沖縄は1週間前の17倍の感染者数らしい。

4992声 暇な土曜日

2022年01月08日

正月明けの初営業。市場の魚は品物は標準なのに値段は軒並み高かった。時化が続いてるのだろう。ひとまず数を揃えて新しいシャリの保温釜も設置して営業スタート。けれども土曜日なのに店は暇。握りを頼むお客さんもほとんどいなかった。これから更に暇になっていきそうな予感がする。先手で動いていかないと精神がやられる。

4991声 鈴なりの金柑

2022年01月07日

ケグを洗って前橋へ。庭になっている金柑と夏みかんを分けていただけることになった。気温は低いが風もなく冬晴れ。果物刈り日和だった。柚子は何度も取ったことがあるが金柑は初めて。鈴なりの金柑の木を前に気合いが入る。一つ一つが小さいため想像以上にはかどらず。2時間近くもぎ続けて段ボール箱に2/3くらいになった。それを今度はヘタを取るのに1時間以上。今日はこれでおしまい。