日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

4534声 この半年を振り返る〜自分編〜

2020年09月18日

7月、8月の収支が出てきて、おそらく向こう1年くらいはこんな感じなんだろうなと思う。当然売上はマイナスだ。それでも、4月〜6月までコロナに合わせて大急ぎで変化させてきて、どうにか間に合って沈没せずにすんだ。ザブンの改装、寿司のトレーニング、プレハブ冷蔵庫の設置、地道な補助金申請、そこに運よく、本家ボヘミアンピルスナーを教えてもらえたことで、ビールの幅が増した。マイナス成長でぎりぎりのお金回しかもしれないが、私はなんだか成長していて、40代後半になってこういう実感を持てているのはたいしたもんだ、とすら思う。とにかくおいしいビールを作ること。ここが一番大事。あとは次への見極めの段階になった。今の形ではザブンは続かない。そもそも春の段階でザブンを続けるとなったときに決めたのは、給付金を市場につぎ込むこと、つまり仕入れをケチらないことと、寿司を握れるようになること、だった。要するにコロナとは関係なく沈没しかけていたザブンの起死回生は、安く寿司を、刺し身をお客さんに食べてもらう、ということだった。これは、毎日そこそこの数のお客さんが来て成り立つモデルで、また、私一人で継続はできないモデルなのもわかっていた。そろそろ次を考えないといけない。

4533声 くなしり

2020年09月17日

朝から仕込み。3時過ぎに目が覚めて、布団の上でウトウトと5時過ぎまで。一旦目が覚めると眠れなくなってきた。今日は高比重ビールの仕込み。普段の1.5倍の麦芽を使った。いい感じになったと思う。ひと息つきにロイヤルホスト。くなしりのマスターが亡くなったと、昨日柴田さんから聞いた。心筋梗塞だったらしい。つい10日ほど前に、モントレーの食品売り場で見かけたばかり。魚売り場の若い子を捕まえて、コロナの愚痴をこぼしていた。このコロナが始まって、少し慣れてきた5月、はじめてくなしりにお邪魔した。とびきりの鮪と手作りの塩辛、ツマがまたおいしくて。骨まで食べられるというぶり大根は初めての味だった。とにかくすべてが、唯一無二の料理だった。その後2回ほど伺ってそれきり。マスターは若い頃北海道で漁師をしていて、毎日漁場の船の上で1,000本の魚の下処理をした、なんていう豪快な話を聞いた。78歳だったらしい。そんな歳には見えない。若かった。78歳まで調理場に立てることが、まず私には想像できない。立派だ。たしかに立派かもしれないが、昨日まで一緒に店を切り盛りしていた奥さんはどうするのか。その寂しさ、想像を絶する。同業者として、後輩として、どうしてああいう老舗名店の、しきたり、技術、心を残せないのかと、それがとても悔やまれる。どうぞ安らかにお眠りください。長い間、お疲れ様でした。

4532声 日本一おいしい松屋

2020年09月16日

今日も仕込みをしようと起きたが身体が重い。明日ザブンを休みにしたので、無理しないで明日にすることにした。事務仕事をやろう。4日続けて松屋の朝定食。4日同じでもおいしい。夜中担当のおばさんと、朝担当のおばさんがいて、どちらも仕事が丁寧。他の若いアルバイト、店長も含めて、他の人が作る料理にはない愛情が、この二人の料理にはある。朝たまに、この二人が重なるときがごくまれにある。今日がそうだった。そういう時、「いまこの店舗は日本一おいしい松屋だな」と思っている。

4531声 チェコ人の友達

2020年09月15日

朝から仕込み。デコクションのポイントがいまいち掴めない。何度もやらないとだめだな。デコクションを教えてくれたコチャスさんに電話をしたら、月末にまた高崎に来てくれるとのこと。「もうホテルは予約したから大丈夫」と。早い。2泊するそうで、会うのは中日の夜だけになった。他の時間は「遊ぶ」と言っていた。前回の、奥さんとの水入らずの旅が楽しかったのかもしれない。とても純粋に、目の前のことに取り組む人。同世代の、身長198cmのチェコ人。体は大きいが、まるで少年のようだ。一緒にいるだけで元気が出る。

4530声 酒を減らしたい

2020年09月14日

昨日は久しぶりに早く眠れた。早く寝たいと思うのに深酒してしまい、このところ布団に行くのが0時を回ることもしばしば。昨日は21時前に眠ることができた。なぜそこまで飲まないといられないのかというと、1日を納得するため。納得しないと、布団に行けない。それを酒で、酔うことで納得させることが常態化していいはずがない。酒を減らしたい。ほんとに減らしたい。なんとかしたい。今日は朝5時前に起きられた。ケグ詰め、タンクの洗浄まで終わり、これからひと休み。昨日一昨日とザブンがかなり暇だったので、今日は定休日だが営業するつもり。魚を無駄にしたくない。

4529声 どこで飲むか

2020年09月13日

昨夜はシンキチビールとミッケラーを飲む会が美食倶楽部で。おきらく亭の関さんが開いてくれて、ゲスト扱いで行ってきた。ミッケラーのヘイジーIPAは、トロピカルジュースのようだった。バランスもいいし、あと2割くらい糖が切れたら、ワインに対抗できる。飲んだあとが重い。ビールは喉で飲むものと舌で飲むものと、つまりゴクゴク系とチビチビ系と2種類ある。ピルスナーとセッションIPA以外は全てチビチビ系でいいと思うが、甘さと苦さが残るとチビチビでも飲み続けられない。ビールはアルコールの低さから、ゴクゴクを要求される。ワインはされない。ワインはゴクゴク飲んだらすぐ酔ってしまうアルコール度数だからである。ビールはどんなにチビチビ系として作ったとしても、アルコール7%くらいまでのものは、ゴクゴクを要求される。つまり喉越し、無防備に飲み込んだときの違和感のなさ、である。シンキチのビールは、チビチビとだけ飲んでいればおいしいが、ゴクゴクといこうとするとどこか引っかかる。昨夜それに気づいた。昨日のミッケラーは、チビチビもいけるしゴクゴクもいける。シンキチも7%までは喉越しを考えないといけない。喉で飲む、そして、舌で飲む。あと、当然もう1つある。身体で飲む、である。飲んだあとが軽いかどうか、そこをずっと大事にしてきた。そこはミッケラーよりシンキチに軍配が上がる。

4528声 今日も報われたい

2020年09月12日

朝になって降り出す。昨日はお客さんが来た。常連さんに混じり、初めてと見えるスーツのお客さんが何人か来てくれた。希望の持てる出来事だ。忙しいのに売上は伸びない。安すぎるのだと思う。お客さんが来てくれればいい。今日は一日雨の予報。タンクを洗って熱湯消毒。珈琲館のモーニングへ来た。午前中から混んでいる。いつも大ママがいるが、自分のシフトのとき以外はお客に挨拶をしない。それでいいと思う。それが許されるのは、60歳過ぎかな。帰って休憩をしてザブンへ行く。

4527声 報われたい

2020年09月11日

工場は涼しいが相変わらず外は暑い。少し動いたら汗ばんでくる。今年の夏は長い。 今日はあまり動けない。頭もあまり、働かない。今日唯一高揚したのは、市場にたくさん魚があったこと。うまそうな魚を見ると元気が出る、という新しいスイッチが、50歳を目前にして備わったようだ。 そろそろザブンへ行く時間である。さて今日は、お客さんは来るか?仕入れも仕込みも完璧で、その時点で大半のエネルギーを使ってしまったとしても、営業中の忙しさを前提にして精神の準備しているから、忙しくなれば身体は動く。ところがこういう肉体状況のときに暇だと、最も堪える。飲みに来い。損はさせない。来てください、だろう。

飲みに来い損はさせない来てください

今飲食店は、皆同じ気持ちなんだろうな。

4526声 飲み過ぎ

2020年09月10日

シャリの外側にもう少し粘りがほしい。米の内部は固めでいい。ほんとに微妙な加減。休みがないと酒量が増える。それでまた余計に疲れる。ゆっくり動く、ゆっくり歩く、ゆっくり考える、意識的にゆっくりする時間が、1週間のうちに最低半日くらいは必要。さらに、ひたすら動かない時間も半日は必要。要するに週に1日は休みがないと、酒というクスリで半ば無理やり、自分を走らせることになる。休む時間を作らないといつか壊れる。

4525声 何かが伝わらならないと意味がない

2020年09月09日

昨日お客さんと夜中まで飲んでしまい、起きたのは9時過ぎ。10時から瓶詰めの予定なので、急いでシャワーを浴びる。いつも食中酒百席のあとは体重が減る。今回も1kgくらい減っていた。やりきった重い身体と放心の脳ミソで、昨夜の出来事を反芻。良かったところ悪かったところ。料理は残りがあるものは、はやく確認したい。いい友人、お客様に恵まれた。こちらから何かを伝えられる準備もできてきた。もっといい時間を味わってもらえるよう努力したい。いい時間のイメージを、もっと日頃からイメージし続けることが大事。

4524声 20回目の食中酒百席

2020年09月08日

食中酒百席の日だった。朝からどこにも隙間はなく、日をまたいで書いている。濃密な1日だった。ただ濃密であればいいというものでもない。的確な濃密さでなければ勝利を手繰り寄せられない。本番とはそういうもので、本番は何日も前からの準備があって成り立つものでもある。また次、2ヶ月後。

4523声 いつまで働けるか

2020年09月07日

朝市場へ。いい鮪、のどぐろが手に入った。いい魚を見ると買いたくて仕方なくなる。原価計算が追いつかない。板前を25年やってきて、今が一番楽しいかもしれない。もっと魚を触りたい。昔は市場が嫌いだった。魚に値段も書いてなければ買い物かごもない。ひと昔前の、市場独特の突進型の雰囲気も苦手だった。けれども今は魚屋も代替わりしてスマートになった。なにより丁寧になった。自分が年をとったから相手から丁寧に扱われるようになったのか、自分がいろんなタイプの相手を受け入れられるようになったのか。どちらもあると思う。時代もある。年を取るのは悪くない。昨夜You Tubeで談志師匠の映像を見た。おそらく60代前半くらいだと思う。矍鑠としてウィットに富んでいる。全盛期の寅さんの、いやそれ以上の頭の回転力だと思った。はたして60歳になったとき、あのくらいの動きをできるか。60歳まであとひと回り。12年。1つ何かを成すのに5、6年はかかるとすれば、あと2クールしかない。うまい寿司が握りたい。うまいビールが作りたい。頑張ってから死にたい。

4522声 ファミレスのモーニング

2020年09月06日

朝起きてザブンに酒を運んでシンキチに戻り、ホップ抜き。昨日の朝ドライホップしたホップを段階的に抜いていく。一気に抜こうとすると詰まってしまうから。今回は6回に分ける。うまくいくか。17号のガストでモーニング。今日はスクランブルエッグ。7時半でも、10組くらいはお客がいる。ほとんどが50歳代から上の男性1人客。ファミレスのモーニングは、公然と寂しさを受け止めてくれる場所、現代の隙間である。寂しさというのは、あってもなくても構わないもののように扱われることを受け入れていることを、前提にする。今気づいた。だから、皆文句など言わない。パンの焼きが甘かろうが、サラダの野菜が萎びてようが、スクランブルエッグに火が通りすぎてようが。文句を言った時点で、それは寂しさを受け入れていないことの表明になるのである。寂しさを受け入れている者よりも、寂しさなんて受け入れてたまるか、という者のほうが生き残りがち、なのも知っている。モーニングを食べたら明後日の料理を考える予定。海はシケで市場に魚が来るかが心配。

4521声 木金土日の過ごし方

2020年09月05日

5時に目が覚めてしまいそのまま眠れず。布団の上で小一時間。横になったまま、綿密なドライホップの計画を立てる。シンキチへ行って酵母回収、ドライホップをして市場へ。最近の土曜日の市場は品物が少ない。あれではますます客が来なくなる。うに、帆立、鯖、鯵、小鰯、ほっき貝を購入。ザブンへ行って魚の水洗い。ロイヤルホストへモーニング。最近の木金土日はほとんどこんなスケジュール。朝市場、水洗い、ロイヤルホスト、その後2時間くらい醸造仕事、家に帰って休憩、ザブンで仕込み、営業。昨日はまずまずお客さんが来てくれた。今日はどうなるか。また、九州に台風が近づいていると言う。今日も暑い。

4520声 コロナ第2波後

2020年09月04日

昨日は暇だった。この夏一番だと思う。早朝から市場へ行って、1万円以上仕入れて仕込みをする。開店時間に体力のピークを合わせて動く。それでも売上1万円に届くかどうか、という現実は厳しい。いろいろ試される。世の中は、新たな段階でまた、コロナに慣れてきた。外食が減ったアンケートによると、半数が、外食が減って健康になった、と答えている。そりゃそうなる。JRは、都内の終電を早める方針を発表。いよいよコロナ後が見えてきた、ということだと思う。夜の街に今までと同じようには、人は戻らない。いなくはならないだろうが。さて、高崎はどうなるのか?それで、うちはどうするか?週に働ける時間日数、家賃光熱費、売上を再度洗いざらい検討する必要がある。何度やっても同じかもしれないが、何度もやるとまた違う景色が見えるのが、そろばんの不思議だ。その前に、これからの人生をどう生きたいか、である。その前に、今日の売上である。

4519声 台風一過

2020年09月03日

台風一過。天気は曇り。朝シンキチに行ったら、隣のお菓子屋の雨樋が止め木ごと折れていた。古い家だから木が腐っていたのかもしれない。うちも屋根は同じ。建物続き。きっと似たような状態になっているはずである。天災保険に入らねばならない。仕入れに市場へ。市場は閑散としていた。鯵、鯖、ヒゲソリダイ、つぶ貝、ほっき貝、赤貝、帆立、白魚、蟹身を購入。週明けの仕入れとしてはこれでも少なめ。鯖がようやく、まあまあのが出回ってきた。もう少しで秋。

4518声 ハックルベリー

2020年09月02日

今日は涼しい。涼しいのに、台風の影響か気圧の低さが重い。朝から直売所を巡ってきた。そろそろ来週の食中酒百席のことを考えるため、どんな野菜が出てるのか見てきた。まだ夏野菜が多い。茄子きゅうりピーマンししとうオクラ。果物は豊富。梨桃ぶどうブルーベリー。いちぢくが出始めた。里芋が少し。野菜は端境期に突入かもしれない。ハックルベリーという木の実が売っていた。見た目も大きさもブルーベリーに似ているが味はわからない。酸っぱそう、という思い込みだけでたくさん購入。酸味があればビールに使える。(私の頭は、料理のことと、加えてビールのことを同時に考えている。料理の頻度が高くなったからである。私にとっての新しい思考様式だ)帰って味見をしたら、甘みはおろか酸味も全くない。甘くないスイカに少しアクを感じるような、なんとも言えない感じ。調べてみた。ナス科ナス属の果実らしい。それは全く予想外である。7kgくらいある。ナスのビールやってみようか。

4517声 ラガーの仕込み

2020年09月01日

朝からラガーの仕込み。エールビールの単純な糖化温度曲線と違い、手間がかかる。37℃スタートで53℃、63℃、73℃、78℃と5段変速で上げていく。しかも下火のガス火だから時間もかかるし、窯の上と下で温度を揃えるのが難しい。おいしくなるならそれでいいとは思うが、もっと使いやすい設備でやりたいとも思ってしまう。ビールが少しわかるようになって、新たな欲が出てきた。