この前まで青んでいてた麦が、もう色づき始めている。
高崎界隈の麦畑はもう、麦秋と言った具合である。
昼飯時、行きつけとしている、うどん屋へ寄った。
店内、とても混雑していた。
夏場は、みな冷たいものが食べたくなるようで、
巷のうどん屋や蕎麦屋が、特に混む傾向があると感じている。
このうどん屋でも、九分九厘のお客さんが、
冷たいかけうどんや、もりうどんなどを注文していた。
カウンターの隅で、もりうどんを啜っていると、ふと、気が付いた。
味の変化に、である。
先の震災以降、何度かこの店に訪れているのだが、
その都度、味の変化の機微に気付がつく。
変化しているのは、麺。
以前は、ボソボソと、歯ごたえのある食感で、風味が強かったのだが、
今日の麺は、若干であるが、つるつるとして、風味が弱い。
所謂、讃岐風なうどんに、近づいている。
小麦粉の業界にも、多少なりとも影響があるのだろう。
と推察するが、そんな味の機微には関せず、まずは、この味に慣れる。
と言うのが、常連に必要な事。
この店の常連は、見掛けるところ、およそ八割が男なのだが、
二割くらいは女性がいる。
つまりは、そう言うような雰囲気の店、なのである。
その二割の中で、更に選りすぐれば、二十代と思しき女性が数名いる。
その内の一人なのであろう、近所の会社の事務員風な女性が、
今日も来ていた。
驚きべきはその女性の、食べっぷり。
セルフサービスの天ぷらを3枚、もりうどんの上に押し込んで、
豪快に食べてゆく。
完食したところで、徐につまようじを取り、歯間をツンツンと、
小気味良く刺している。
その腹の据わった食後の寛ぎスタイルは、もはやおじさん顔負け。
昔のバンカラのように、口に楊枝を刺したまま、私の横を通り過ぎて行った。
これから肩で風を切って巷を闊歩するのは、女性かも知れぬ。
などと、うどん屋の店内。
私の横にあるテレビの中の被災地で、ボランティアに精を出しているのも、
また、二十台の若い女性である。
【天候】
朝より雨。
午後には止み、その後、天気は回復。
日中、晴れて蒸し暑し。
夜になると、長袖では涼しいくらい。