日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1142声 湯温問題勃発中

2011年02月15日

巷間で、と言っても、高崎市街の裏街の一部地域での話。
そこで今、一寸した、問題が起こっている。
と言う事を、行きつけの食堂で、常連のおやっさんから、聞いた。
何故、そのおやっさんが問題の話を私に持ち込んだかと言うと、
それが勃発している場所が、銭湯、だからである。

その地域には、かつて2軒の銭湯があった。
仮に、「風の湯」と「呂の湯」としておこう。
昨年、風の湯がその長い歴史に幕を下ろし、
残念ながら、廃業してしまった。
すると、幾年も風の湯を贔屓にしていた常連さん。
銭湯と言うと、自然、近所にある呂の湯に足が向く。
それが、問題の火種となった原因なのである。

呂の湯の湯温が熱いと言う事は、その地域では常識とされていた。
反面、風の湯の湯温は、呂の湯よりは幾分温く、
私も初めて伺った時分に、随分と入り易かった印象がある。
さて、呂の湯に通う様になった、風の湯の元常連さんたち。
呂の湯の湯船に浸かっている時に、こぞって、
水をジャバジャバ出して、うめてしまうのだと言う。
風の湯の適温を、呂の湯でも実現しようと言う試み。

これで面白くないのが、呂の湯の古い常連さんたちである。
それまで、伝統とされてきた呂の湯の熱湯を、
他所者に容易く温湯にされてたまるか。
ってんで、正面切って指摘したと言う。

「ちょっとすみません、ここは皆、熱い湯が好きで入ってますから、
あまりうめないで頂けますか」

おそらく、こんな丁寧語ではなかったと思うが、
大体、こんな調子であろう。
すると、風の湯の元常連さん。

「いえ、ね、あたしもあなたと、同じ湯銭を払っているんですから、
私にも、湯をうめる権利ぐらいあるんじゃないでしょうか」

「権利ときましたか。いや、呂の湯が熱湯ってのは、
もう、伝統ですからねぇ、ここいらの」

「伝統ったって、ここは銭湯なんですから、
銭を払った者が、快く風呂に入る場所なんですから、
あたしゃ、何と言われようがうめますよ」

「分からねぇ、野郎だね、まったく」

と言う具合に、常連さん同士で、問題が勃発しているらしい。
私に話してくれたおやっさんは、呂の湯の古い常連。
なので、勿論、熱湯に入りたいのだけれど、最近はこの問題で、
いささか湯が温いと嘆いていた。
それを聞いて私。
大岡越前の様な名裁きが下せる筈もなく、
曖昧な相槌を打ちながら、ただただ、ラーメンを啜っているばかり。
ラーメンがいささか温くなっていた。

【天候】
朝は雪雲が残っていたが、直ぐにすっきりとした快晴。
降り積んでいた雪も、午後には綺麗に溶けていた。

1141声 窓辺の雪景

2011年02月14日

もはや、雪国。
硝子窓に広がる光景が、である。

夕方から霙が降り出し、夜には雪となった。
現在時刻午前零時において、積雪は10cmくらいであろう。
高崎市でそのくらいなので、高崎市以北では、
更に雪の嵩を積んでいるだろう。
ニュースによると、東京でも本格的に、積雪している。
上越新幹線一部地域を筆頭に、各公共交通機関が、
その運転を停止しているらしい。

おそらく、明朝の巷では、交通機関の乱れが、甚だしいだろう。
こう言う日は、終日、家でおとなしく。
していられる筈もなく、私も勤めに行かねばならぬ。
そんな切羽詰まった状況だと言うのに、私は先程から窓辺で、
降る雪を凝視している。
雪。
そのひとひらの裏側に潜む声を、五七五に収録する為に。

【天候】
夕方まで晴れ。
夕方より曇りのち霙。
夜には雪となり、たくましく降り、積雪。

1140声 風穴に雪

2011年02月13日

スタッドレスタイヤにチェーンを巻いたマイクロバスは、
咳き込む様なエンジン音をたてながら、榛名湖畔を走って行く。
榛名神社へと続く、峠道。
雪深い路面。
辺り一面の雑木林は、ことごとく雪に覆われている。

悲惨だった。
昨日、榛名湖俳句合宿からの帰路で見た光景が、である。
雪道を下って行くバスの前方に、まず、赤色ランプが見えた。
バスが近づいて行くと、おそらくスリップしたのだろう。
路肩の側溝に突っ込んでいる、軽自動車が1台。
パトカーの脇に、警官2人。
過ぎると直ぐに、路肩に動けなくなっている乗用車が1台。
運転手の若い男性は、一心不乱で携帯電話に話しかけている。
次に、正面衝突している、車が2台、路肩に寄せてある。
そして、路肩の浅い小川へ、横転している1台のワンボックス車。
最後のその光景を見た時に、バスの一同、声を失った。

雪道は、本当に危険である。
改めて、痛感した。
身に降りかかるであろう災難が、潜んでいる。
その雪の、直ぐ隣に。

途中でチェーンを外し、私たちのバスは、無事、高崎駅へと到着した。
私以外の皆さんは、東京へと帰られた。
一番遠くは四国から。
皆を見送ってから、私ひとり、高崎の街へと歩を進める。
二日しか、一緒には居なかったが、何か、
心にぽっかりと、風穴が空いてしまった感覚。
立ち止まって、句帳を開こうとして、止めた。
そして、また、一歩二歩。

【天候】
朝は雲多くも、午後には快晴。
やや風強く、寒い一日。

1139声 一面の雪の中での俳句会

2011年02月12日

高崎駅からバスへ乗車し、榛名湖へ着いたのが、午前11時頃。
結氷している榛名湖上は、しんしんと降り積んでいる雪のお陰で、
一面の銀世界。
テント村の如く、公魚を狙う釣客たちのテントが、色とりどりに点在している。
句帳とペンを握りしめ、ザクリザクリと、湖心へ向かって歩を進めて行く一団。
それが、私たち。

10句を投句して、句会。
終わったら、雪原と化した湖へ。
宿へ戻って、10句投句で句会。
終わったら、また雪原。

夜も深い時間まで、その調子。
一日のスケジュールが終了し、床に入って目を瞑っても、
瞼の裏に、五七五が浮かんでくる。
と言う、俳句漬け人間が、完成していた。

起床して、時計を見たら、午前7時半。
即ち、残り1時間半。
投句の締め切りが、である。
カーテンを開け、窓の外へ目をやると、
湖の上をうろうろしている、人数名。
あれはまさしく、今回の参加者の方々。
顔も洗わず、歯も磨かず、兎も角、句帳とペンを探した。

そして、存分に雪と俳句と戯れて、夕方、バスで帰路へと着いた。
私など、プロ野球選手のチームに、
少年野球の選手が交じっているような、そんな、具合だった。
プロとの力の差を、改めて痛感したと共に、
そう言う人たちと作っていると、俳句力とでも言おうか、
そんな力が貰える気がした。
今回の合宿は、私にとって大きな力となった。
一番の御土産は、真っ黒に埋め尽くされた、この句帳である。

【天候】
榛名湖上はしんしんと降雪。

1138声 榛名湖俳句合宿

2011年02月11日

雪、である。
窓の外、いよいよ本降りになって来た。
向かいの家の屋根は、すでに白くなっている。
こんな日に出かる予定が、1件。
それも、山へ。

今日は、榛名湖へ出掛ける予定。
公魚釣り。
には興じる事なく、俳句を作りに行く。
それも、合宿で、なのである。
さて、時間なので、出掛けよう。

【天候】
朝より、雪。

1137声 夜学のあかり

2011年02月10日

二月に入ってからだろうか。
ここ数日、随分と流れが悪い。
朝の水道管は凍てているので、水の流れが悪い。
あるいは流れないのだが、水の事ではない。
ここに書くべき文章の、である。

机に座って、あれこれと考える。
模糊とした記憶から、書くべき内容を構築すべく、
糸口を探そうと思うのだが、一向に見付からない。
糸口さえ見付かってしまえば、まさに水の如く、流れ出すのだが。
思えば、この流れ出すかどうか、と言う瀬戸際感覚と、
ここ数年、毎日向き合っている。

集中が足りないのだろう。
学生諸氏は、現在、入学試験時期の真っ只中である。
翻って考えるに、学生時分の試験。
1時間で、原稿用紙10枚以内の小論文をひとつ、書きなさい。
今回のお題はこれです。
と言う状況で、その場で考える間もなく鉛筆を走らせていた記憶がある。

小論文は得意。
と言うか、それ以外が不得手だったので、得意にせざるを得なかった。
明日の金曜日は、建国記念日で祝日。
世間一般は、この週末は三連休となる。
しかし、一部の学生諸氏は、最後の追い込みや、
入学試験に挑むのであろう。
天気予報は全国的に雪。
なんとも、巡り合わせが悪い。
先程、近所のコンビニへ出掛けた際、入口に自転車の折り重なる、
学習塾の灯りが、煌々としていた。
私は信号が青になり、車を発進させた。
助手席に置いてあった缶麦酒が、音を立てて転がった。

【天候】
終日、曇りがちながら晴れ。
夜半より雪雲が垂れ込め、寒冷。

1136声 2月の雪

2011年02月09日

起床してすぐ、である。
何と言うか、空気の流れが停止しているような閑けさ。
この気配には、幼い頃より、憶えがある。
窓の外は、おそらく、雪。

天気予報は半ば的中し、深夜から雪が降り始めていたらしい。
私の住んでいる、前橋市寄りの高崎市(旧群馬町)では、
積雪2、3cmと言ったところであろう。
ボタ雪気味なので、道路までは積もっていない。
私の生活地域の周辺では、目立った交通機関の乱れもなく、
午後にはさっぱりと、解けてしまった。

詩歌に親しむ者にとっては、この「月雪花」と言うのは、
格別、叙情的に映るだろう。
楽曲では、「雪月花」と言う方が多い。

私も、俳句に親しむ者のはしくれとして、朝。
直ぐにペンとメモ帳を持って、句を捻ろうとしたが、如何せん寝ぼけ眼。
この叙情的な実景を捉えた句が、一向に作れない。
手を伸ばした、冬の歳時記。
「雪」の項の頁を見ると、なんとも「雪」に関する季語の多い事。
日本人の大方は、古くより雪と親しんで来たのであろう。
一向に句が作れぬまま、今や、夜更け。
すっかり雪は、解けてしまった。

【天候】
午前中降雪。
午後より晴れて、雪は一掃された。

1135声 花粉症対策

2011年02月08日

予報は夜半から雪。
すっかり気候も、冴え返ってしまった。
そして、すでに兆候が出始めている、と感じた。
花粉症の、である。

今年の花粉飛散予測。
その類の記事が、そろそろ新聞紙面やテレビニュースなどでも、
頻繁に見られるだろう。
地域によっては、昨年の10倍、はたまた20倍と言う予測が出ている。
総体的に見て、今年の飛散量の予測は、多い。
それも、途轍もなく、多いらしいのである。

私も、花粉症なので、やはり飛散量やら花粉対策やらが、気になる。
例年、処方された薬などは服用せず、対策と言えば、
マスクと目薬くらいで、済ませている。
しかし今年は、どうやら例年通りでは、対処しきれないのでは。
と言う予測が、自らの中にある。

そんな折、先日、小耳にはさんだ花粉症対策。
それは、ヤクルトであった。
毎日、1本ヤクルトを飲んでいる人が、
花粉症の症状が大分軽くなった、と言う。
それは、化学的な実証はされていないので、
自身を持っては言えない、とも言う。
しかし、都市伝説と言う類のものよりは、信憑性がありそうである。

善は急げ。
てぇんで、ここ数週間、私もヤクルトを飲んでいる。
まずは、自ら被験者となり、試してみようと思っている。
なんだかこうなると、大分、気持が大きなって、花粉に対して、
「来て見やがれ」とさえ思うようになった。
どうやらヤクルトは、頭脳を、冴え返らせる。
こっちの方は、信憑性のない、都市伝説の類である。

【天候】
日中、穏やかな快晴。
夕方より、雪雲が垂れ込め、暗雲たる雲行き。

1134声 ミュンヘンの剣豪

2011年02月07日

先日、古本屋で、古本を一冊、衝動買いした。
「日本剣豪列伝」著・直木三十五(河出文庫)、である。

勿論、面白そうだから買ったのであるが、
購買の引き金となったのは、「上州」の一文字。
頁を捲っていたら、上州の剣豪に関する内容が、所々に見られた。
確かに、上州は元来、武芸の盛んな地域でもあるので、当然である。
しかし、本文の焦点は、本の内容ではなく、本に挟まれていた、
「しおり」に当たる。

帰宅して、徐に本を読もうと頁を開くと、しおりの入っている頁が開いた。
しおりを取り出して見ると、それはしおりでなく、
「生ビール一杯券」と印刷されたチケット、なのである。
黄色の色上質紙に、赤文字で記載されている店名は、「池袋ミュンヘン」。
そのコピーには、「パイプオルガンが楽しめる」とある。
有効期限は、61年7月31日。
勿論、昭和であろう。

インターネットで調べると、この池袋ミュンヘンとは、
池袋では有名だった老舗ビアホール。
過去形なのは、平成18年に惜しくも閉店してしまったらしい。
それにしても、しおり代わりに挟んであった、昭和61年のチケットが、
25年の時を経て、今、私の手元にある。
本の内容よりも、その状況の方に、魅かれてしまう。
全所有者は、ミュンヘンでビールジョッキ片手に、
本書を読んでいたのであろうか。
それとも、歴代の購入者が皆、このチケットを挟んだまま、
手放して行ったのか。

印刷されている、池袋東口の地図。
駅前の、「キンカ堂」と「富士銀行」が、郷愁を誘う。

【天候】
終日、穏やかな快晴。

1133声 燗の戻り

2011年02月06日

一挙に寒が戻って来た。
今朝より、白い雪雲に覆われている我が町では、
開戦前夜と言うか、いままさに雪が降り出して来そうな気配。

今宵はひとつ。
酒席があるので、土産に瓶麦酒など持って行こうと、
冷蔵庫で冷やしてあった。
しかしこの寒さ、到底、瓶麦酒で喉を鳴らす気にはなれない。
五臓六腑の要求もまた、燗に戻っている様子。
ちとお行儀が悪いが、飲みかけのウイスキーを持って行く事にする。
いや、やはり飲みかけでは申し訳ないので、
途中で買って行こう。
こうなるってぇと、懐具合にも、また寒さが戻って来る。

【天候】
朝より雪だ降り出しそうな、曇天。
寒の戻りで寒し。

1132声 秩父の2湯

2011年02月05日

昨夜はまた、力尽きて寝てしまった。
疲労困憊の上、空っ腹に麦酒で、機能停止、と言う運びである。

出掛けた。
目的地は、埼玉県秩父市。
市街地に、銭湯が2軒残っている。
「クラブ湯」と「たから湯」、である。

情緒の残る市街地を散策し、立て続けに2湯に、入浴。
どちらも、お客さんの絶えないくらい、活況があった。
とは、誇張である。
確かに、お客さんは絶え間な入っていたのだが、
かつての「活況」とまでは、到底言えないのだろう。
しかし、街に根付いている銭湯だと感じた。

どちらの銭湯にも、ペンキ絵があった。
作者は、行田市のエハラ尚栄堂さん。
特に、クラブ湯の方は、平成21年の作なので、とても綺麗だった。
「3年~4年くらいで一回塗り替えるんですよ」
とは、女将さんの談。
定期的に、ペンキ絵に気を配って塗り替えられている姿勢は、
素晴らしいと思った。

お客さんが入ってらしたので、どちらの湯も、
写真撮影をせずに帰って来た。
どちらも、写真や取材など抜きに、ふらりと行きたい銭湯である。
常連さんも、楽しい方が多かった。

帰路のついでに、日帰り温泉へ寄った。
考えてみれば、本日3回目の入浴である。
大きな日帰り温泉施設は、設備充実、徹底清掃など、
確かに魅力がある。
しかし、伝統銭湯の、あの、浴室の雰囲気。
例えば、見知らぬお爺ちゃんとふたりで湯船に入っている、あの閑けさ。
そう、銭湯には、俳味がある。

【天候】
時折、一塊の雲が流れて行くが、終日、晴れ。

1131声 春の時間だけ、立つ

2011年02月04日

立春の今日は。
などと、数時間推敲した揚句が、この、ありきたりな書き出し。

立春の今日は、春めいて穏やかな一日となった。
などとのんきに言っているのは、九州以東の人間。
九州は現在、大変なのである。

特に宮崎県。
先日から続いている、鹿児島県と宮崎県の県境にある、
霧島連山の新燃岳の噴火。
間髪入れずに、今日。
高千穂町の養鶏場で、遂に鳥インフルエンザの陽性反応が出てしまった。

それを受けて、自分にできる行動を考えている。
しかし、一向に浮かばぬまま、時間だけが過ぎて行く。
パソコンから、異音がしている。
爪先が、冷たくなっている。

【天候】
終日、穏やかな快晴。

1130声 ふてぇ野郎

2011年02月03日

「あっ、忘れた」
などと、一瞬焦ってしまった。
しかし、改めて考えれば、元来、習慣ともしていなかったので、
別に、忘れた所で、さして生活上の支障は無い。
つまり、「恵方巻き」が、である。

いつ頃からだったろうか、おぼろな記憶によれば、2004、5年の様な気がする。
それは、私の住む群馬県内のコンビニや、スーパー、飲食店において、
突如として、「恵方巻き」が現れた年。
それまでも、その物自体はあったのだろうが、ある年を境にして、であった。
節分の時期になると、この恵方巻きを、各業界が前面に押し出して、
広告宣伝するようになったのである。

それからは、当然の如く、節分やバレンタインデーと肩を並べて、
この「恵方巻き」が、伝統歳時然として、二月の行事に居座っている。
まったく、ふてぇ野郎だ、太巻きだけに。

こんなオチで終われる程、神経が太くないので、もう少し続ける。
なんでもこの「恵方巻き」。
節分の夜に、その年の恵方(今年だったら南南東)に向かい、
願い事を思い浮かべながら、太巻きを丸かじりにする。
この時、目を閉じて、言葉を発せずに黙って、食べるのだと言う。
そうすれば、無病息災、商売繁盛で、福が訪れる。

と言う事なのだが、巷ではその商戦の方が激化していて、
恵方巻きのロールケーキが、人気を博している。
どうであろうか、節操無しついでに。
鬼の格好をして、この恵方巻きのロールケーキを、バレンタインデーに食べる。
てぇのは。

【天候】
終日、穏やかな快晴。
気候も温かく、3月を思わせる、春の陽気。

1129声 ノーヤク

2011年02月02日

今日の昼間、である。
郊外を車で通っていたら、畑から野焼きの煙が上がっていた。
「あっ」
と、思った。

丁度、昨日。
歳時記の2月の頁を読んでいた際、
「野焼く」と言う季語を見ていたからである。
電気自動車が街に走っていようが、
スマートフォンが爆発的に普及しようが、変わりなく、
季節と共に生きている人たちがいる。
まだまだ、田舎では、歳時記に則った生活が営まれている、と感じた。

その光景を眺めながら、ゆったりと句作。
できるような、生活など一向に営めないでいる。
貧乏暇なし。
なんて、俗な表現を使いたくないところだが、
他に適切な諺も浮かばないので、まさにそんな状態なのであろう。

そして、午前零時を迎えようかと言うこんな時刻に、
ストーブの火を見つめながら、野の光景を思い返している。
なんだか、少し腹が減っている。

【天候】
終日、穏やかな快晴。

1128 仲入りの2月

2011年02月01日

今日から2月である。
だから何と言う事も無いのだが、
それも2月と言う月の影の薄さかも知れない。

歳時記の二月は薄し野に出づる  佐伯哲草

と言う俳句に、象徴されるように。

冬が終わって、春が始まる前の、小休憩。
落語で言えば、仲入り。
と言っては、2月好きの人や2月生まれの人が怒るかも知れないが、
実際に、そう言う感がある。

しかし、この、小休憩や仲入り。
大変、重要であり貴重な時間である。
落語の場合だとそれぞれに、席を立つ人が多い。
トイレに行ったり、電話をしたり、また、席で弁当を掻き込んで居たり。
それから、出番もいよいよ深い時間となり、
お目当ての真打ち登場、と相なる。

だから私は、例え2月でも、薄い歳時記を持って、野に出るつもりである。
真打ちの芸に、期待を込めながら。

【天候】
終日、快晴。
冬型の気圧配置がゆるみ、やや暖か。

1127声 日々の戦術

2011年01月31日

この単語を書くならば、
「日本国民としてけしからぬ」
と言う類の読者からの指摘が推測されるが、
しかしそれは、疑心暗鬼過剰であろう。

つまり、見ていなかった、一試合も。
先の、サッカーアジアカップを、である。

今日、ザッケローニ監督率いる日本代表が、
成田と関西空港着の便で、帰国して来た。
アジアカップで、単独最多となる4度目の優勝を果たし、
大勢のファンが出迎える中の、凱旋帰国となった。

それぐらいは朝のニュースで知り得た情報だが、
テレビ観戦していないので、試合内容は全く分からない。
そんな状態なので、社会生活で、ちと困った。

「しかし川島は、良くぞ頑張りましたね」
とか、
「あの試合でのザック采配は」
など、アジアカップの話が、巷に多い事、多い事。
しかも、当人は、当然、相手が観戦している事を疑わずに、
戦勝気分を抑えきれずに、話していらっしゃる。
その気持ちを汲んで、私。
しどろもどろになりながら、取り繕って、話を合わせる。

そして、サッカーフリークの方々は、必ず、その戦術を語る節がある。
「4-4-2」だとか、「3-5-2」だとか。
一応、4-4-2ならば、DFが4人、MFが4人そして、FWは2人と言う、フォーメーション。
と言う事ぐらいは分かるが、それが、どう言う特性を持っているのか、知らぬ。
しかし私だって、「5-7-5」、と言うフォーメンションで、日々の生活を戦っている。

【天候】
終日、快晴の一日。
午後より、からっ風強し。

1126声 群馬支部のストーブ

2011年01月30日

寒い。
寒いと、この場で頻繁に書いているが、寒いのだから仕様が無い。
今日もまた、一段と寒い場所へ行って来た。
桐生市は「自然観察の森」てぇ、小高い山にある公園が、其処。

見渡す限りの枯山。
結氷している沼。
舞い飛ぶ風花。

そんな状況の中をほっつき歩いて、何をする。
勿論、野鳥観察、でなくて、句会なのである。
句作する為に、園内を吟行していたので、
野鳥観察をしていなくもない。

水洟を垂らしつつ、いつもの如く、7句作って投句。
今回、自分の成績はあまり芳しくなかったが、
参加者の佳句が沢山見られた。
当日の先生方の選句で、自分の「暖炉」を詠んだ句が、
一つだけ、おまけ程度に特選を頂いた。

句会が終わって、素竹先生。
私に向かって、第一声。
「ありゃ、暖炉じゃなくてストーブだぜ」
いやはや。

【天候】
終日、晴れるが、赤城、榛名にかかる雪雲。
時折、零れ、流れて行った。

1125声 公魚を信用すること

2011年01月29日

部屋の中に居るのだが、指がかじかんで、
キーボードを打つ手が、ままならならない。
それほど、冷え込んでいる、今は、夜半。

この寒い時期に、極寒の榛名山を登って行く人たちがある。
公魚を狙う、釣客である。
ここ数年、温暖化の影響によって、榛名湖の結氷が足りず、
群馬の風物詩となっている、湖上公魚釣りが解禁されずにいた。
それが今年、上手い具合に結氷し、待ちに待った、公魚釣りの解禁。
と言う運びになり、大いに賑わっているらしい。

関係者に聞くところによると、その氷の厚さ。
一昔前に比べると、随分と薄い、のだと言う。
私も先輩方から話を聞くと、冬は公魚釣りとスケートで、
湖上を埋め尽くさんばかりの人出だった、と言う。

古い本で読んだのだが、その昔、公魚が肺病、つまり結核に効く。
てぇのが、広く世間に言われていたらしい。
結核が不治の病だった、当時。
冬になると、この榛名湖の公魚を食べて、伊香保で湯治をして体を癒す。
と言う、お客さんで随分と賑わっていたらしい。
もっとも、病人なので、街場の活況とは、少し違うだろうが。

私などむしろ、公魚釣りに出掛け、湖上のテントに一昼夜居たら、
その寒さで、肺を病んでしまうそうである。
そう言う事を、行きつけの床屋のおやっさんに話すと、
「いやぁ、テントん中はねぇ、中々、あったかいもんですよ」
なんて言うが、一向に信用できない。

結氷した榛名湖畔を思い浮かべるだけで、背中に寒気が走る。
だけれども、床屋のおやっさん曰く。
一度、湖上で自分の釣り上げた公魚を、そのまま素揚げにして食べる。
その美味なる味わいを堪能したら、止められない。
のだと言う。
なんて言うが、それも、一向に信用できない。
しかし先程から、一向に、部屋も温まらぬ。

【天候】
終日、快晴なれど、午後からからっ風吹き、とても寒し。