日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

417声 雪の音

2009年02月20日

起床して、カーテンを開けたら雪景色だった。
私の家は高崎市でも郊外なので、家の裏には広大な農地が広がっている。
一面の銀世界とまではいかないにしろ、白銀に染められた田んぼで、
今年初めて雪の音を聞いた。

早朝、そんな風景を見ていて、夢現に思い出すのは子供時分の雪景色。
積雪によって学校は休校。
だと言うのに、友達と学校の校庭に集まって、
日が暮れるまで、手を下やけで真っ赤にしながら雪と戯れた。
鄙びた記憶の断片だが、あの時の雪の降り積もる音は鮮明に憶えている。

今朝、犬の様に外へ飛び出して、
雪の中を駆けずり回っている子供は居ない様だ。
雪の音だけが、静かに耳に聞こえ入る。

天気は正午を過ぎる頃には快晴になり、
益々、子供時分の雪景色が夢現の様に思われる。

416声 結果、胃痛を感じるのみ

2009年02月19日

胃が痛い。
漱石じゃないけれども、宿唖の胃痛が時折顔を覗かせる。
胃が痛くなる様な事柄は、はてどれだったか。
と、考えている間に、食べ過ぎているのだ。

折しも、この様な状態の時に、大酒を飲んでしまったり、
香辛料をてんこ盛りにした料理を食べてしまうのである。
またその様な状況の中に、自ら身を投じてしまう。
そんな流連荒亡の結果、波状攻撃。
胃は痛みを以って、主の所業を提訴。

415声 境の季節

2009年02月18日

どうも、毎日こうやって更新作業をするのが、今日と明日の境になってしまう。
椅子の肘掛けを擦る事、小一時間。
魔法のランプでもあるまいし、擦った所で何も出てきやしない。

時節の方も、年度の境。
もう一、二週間もすると卒業シーズン。
そのまた近い先に、入学シーズンが待ち受ける。
春は何かと境の季節。
春は伊勢崎市境にある銭湯、「さくら湯」の季節でもある。
どうにか、こうにか、力技で今日の境を乗り切る。

414声 荒れる春場所

2009年02月17日

立ち合いが遅れて、今年は既に押され気味である。
週末暖かかったので、そろそろかなと気配は感じていた。
しかし、もう花粉が飛散してくる時期になっていたとは、一寸油断していた。

目の縁は痒いし、鼻水は滴り落ちてくるし、俄かに顔面はてんやわんや。
これから桜の散る頃まで、花粉とがっぷり四つに組んでせめぎ合う事になる。
今年の春場所もまた、荒れそうである。

413声 春風台東

2009年02月16日

週末、東京へ行って来た。
日柄も良く、上野駅を出ると、やわらかな春風。
誘われる様に、そのまま公園の方へふらふらと歩を進める。
精養軒の坂を登って、池之端四丁目。
足を止めて、一寸一休。
すると、前方から来たバスが、私の前で停車。
右横を見ると、バス停。
「ミーッ」と言う、珍妙なベル音と共に開く扉。
仕様がないので、取り澄まして乗車する私。
料金箱に書いてある様に、100円を入れて席へ着く。

一つ二つバス停を過ぎて、どうやら私の乗ったバスは、
※「めぐりん」と言う、台東区のコミュニティバスらしい。
高崎市で言えば、「ぐるりん」の様な、地域循環バス。
偶然巡り合わせて、仕方無しに乗ったこのバスだが、
乗っていると、どうも具合が良い。
まず、どこまで行っても100円。
そして、要所で簡単な観光ガイダンスが流れるのである。
「次は、かっぱ橋道具街。プロも御用達の道具が揃う〜」なんて具合。

バスは浅草駅を通過して、台東区役所から、上野駅、谷中銀座、千駄木駅、
そしてまた池之端四丁目。
徒歩で行くのとは、また違った楽しみに出会えるバス散策。
しかも、料金は100円。
たまの休日に、偶然、目の前に開いている扉に出くわす。
その時は、後先も考えずに、飛びこんでみるものである。

コロッケと生ビール片手、谷中銀座で春風にふわふわ。

※台東区循環バス「めぐりん」

412声 扉が開いて

2009年02月15日

昼下がりの高崎線車内。
電車は熊谷駅を発車し、加速して行く。
「漱石ですか」
声を掛けられて顔を挙げると、そこに渡辺さん。
「鶴のひとこえ一周年記念企画〜実録・鶴の対談〜」
でも偶然高崎駅でお会いし、そのまま対談に出演して頂いた、渡辺さんである。
夏目漱石の文庫本を閉じて、挨拶。
偶然の再会にお互い驚きつつも、世間の範囲を実感。

話は弾んで、駅に到着。
扉が開いて、大きなチェンバロのケースを抱え、
ホームの雑踏に消えゆく渡辺さん。
数分間の出会いと別れ。
知らない街を射抜く矢の様に、電車は進んで行く。

411声 猫にチョコ

2009年02月14日

本日、2月14日。
巷では、チョコレートを買う人が多い様子。
で、それをもらう人が多い様子。
縁側で猫でも撫でながら、番茶でも啜って巷を見ていよう。
しかし我家。
縁側も無ければ、番茶もない。
せめて、「おい、そこの野良猫」
って、猫まで口の横にチョコつけてやがらぁ。

410声 日頃のお粉い

2009年02月13日

今日は終日、高崎市新町商店街を取材撮影。
行程で取材した菓子店で頂いた、「たいこ焼き」。
このお菓子は、俗に言う大判焼き、いや今川焼。
じまん焼きなんて呼ぶ人もいるが、
地域変名を挙げていったらキリが無いので、先へ。
それらを、一回り小さくした、半径cm程の焼き菓子。
中の餡は、あずき、うぐいす、クリームの3種。
値段は一個50円。
焼き立てを頬張ると、皮と餡がとろけて絶品。
このたいこ焼きを片手に歩くのが、「通」の新町散策。

たいこ焼きに端を発して、その後、様々な商店で一口商品を食べ歩いた。
そこで感じたのは、商店街における「粉もん」の多い事。
右を向けば、「お好み焼き、もんじゃ焼き」。
左を向けば、「うどん、そば」。
路地へ入れば、「たいこ焼き、焼き団子」。
粉文化の根強さと、粉商売の逞しさが息づいている。

その反面、商店街で出会う土地の人は、どの方も親切で、太っ腹。
「粉っぽさ」を感じさせない、気持ちの良い人ばかりだった。
「日頃のお粉いが良いからなのだ」
商店街の角にある純喫茶で、香高いウインナー珈琲を嗜みつつ、
そんな思いを巡らせていた。

409声 からっ風の向こうに

2009年02月12日

近頃嘆いているのは、鉄工所に勤めている私の友人である。
なんでも、会社に仕事が無く、今月から週休3日なのだと言う。
当然、給料も減り、会社に行っても暇を持て余す日々。
「どうなるんかな」
と、彼は濃い煙草の煙と共に、質問にならない問いを吐き出す。

私も他人事では無いが、昨今の経済不況ってのは、
からっ風の如くに容赦なく、市井生活に吹き荒れている。
しかし、からっ風が吹き荒れた翌日には大抵、
雲散霧消した、穏やかな晴天が待っているものである。
かかる雲を、風が吹き飛ばすまでの辛抱。

しかしながら一寸、週休3日は羨ましいな。

408声 若者逸脱

2009年02月11日

今日は、憲国記念の日で祝日。
週の真ん中である水曜日が休みってのも、なんだか調子が狂う。
現在、時刻は正午手前。
硝子窓の向こうでは、どんよりと厚い雲が、着々と進行。
どうやら、私の外出する意欲にまで、侵攻している様だ。

胸中でせめぎ合いつつ、昼飯は何が良いかと考えている。
いつも、麦酒と饂飩などの話を書いているものだから、時折遭遇する読者の方には良く、
「てっきり、もっと年配の方が書いているかと」と、言われる。

今日は、久々にファーストフードでも食べてみようか。
(思わず、「若かりし頃を思い出して」と、書こうとしてしまった)
テリヤキ何たらバーガーやら、何たらチーズバーガーやらと、コーラなんか注文して。
群馬県と言う地域性を考慮して、ドライブスルーを利用。
もちろん、運転しながら食べるのである。
信号待ちになったら、ドリンクホルダーに置いてある、
コーラLサイズのポップなドリンク容器を手に取る。
そして、ストローでチュウチュウ飲む。

しかし、向かう先が、銭湯なんだ、これが。

407声 身近にノロ

2009年02月10日

疾風の様に一日が過ぎて、また今日も夜半に、机の前で腕を組んでいる。
今日出会った人々の所作など、此処に綴るべき事柄を捉えようと、
回想作業に勤しんでいるのである。
改装作業と言えば、市内にあるあの店は。
などと、語呂合わせによる文章展開ってのは、あまりにも安直で怠惰。

ノロウイルスってのが、巷で猛威を奮っている。
この、感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルス。
名前こそ「ノロ」なんて、「ちゃん」をつけたら猫みたいな可愛い名前をしているが、
その実は邪悪な奴なのである。
人から人への経口感染と、汚染された食品による食中毒によって、感染症を引き起こす。
そして、感染後の主たる症状は、嘔吐、下痢、発熱。
その症状は突発的に現れる事例が多く、行き成りの吐き気や腹痛には注意。

今日の事。
ある建物に行った所、マスク、手袋、帽子と言った、仰々しい出で立ちの清掃服姿の人たちが、
念入りに一階床を、モップで清掃していた。
職員の方に伺うと、なんでも、昼時の地下一階食堂で事が起きたらしい。

昼時に食事をしていた、お婆ちゃん。
A定食だか、B定食だかを食べていると、矢庭に嘔吐。
辺りは騒然。
何処からともなく、「それ、ノロだ」
って事になったから、大変。
お婆ちゃんは担ぎ込まれて、周囲は封鎖。
全員その場から退避。
清掃員を緊急招集して、念入りな清掃、消毒作業。

そのお婆ちゃんが、ノロ感染者かどうかまでは定かではないが、身近に潜む感染の危険。
感じつつ、書き終えたら、手を洗って床へ就く。

406声 床屋での接触

2009年02月09日

先日の事。
馴染みの床屋にいて、顔を剃っていた。
「カラン」と、鈴の乾いた音と共にドアが開く。
次の予約客が、予約時刻より少し早目に来店したようだった。
その馴染み客と主人の会話が、蒸しタオル越しに聞こえてくる。

「今年で3件目だよ」
「またですか、大丈夫ですか、調子悪そうですけど」
「いや、頭、痛いよまだ」
「そりゃ、大変ですね」
「参ったよ、結構吸ったみたいだよ」

程なく顔を剃り終え、髪を流して、散髪終了。
すると、頭痛の馴染み客は携帯電話を手に、外へ出て行った。
ブラシで、私の服に着いた毛を払っている主人が、何の気無しに話しかける。

「さっきの人ねぇ、鑑識なんですよね、ケーサツの」
「へぇー、あの、現場で指紋とか取る人」
「そうそう、それで、今年は多いみたいで大変らしいですよ」
「あー、さっき、頭痛いって」
「そう、自殺が多いみたいなんですよ、
さっきも、ワンルームマンションで硫化水素自殺の現場ですって」
「そーです、か」

会計を済まして店を出ると、直ぐ横の往来脇から、
電話に喋る人特有の、良く通る声が聞こえてきた。
背中越しに聞こえてくる声色は、やけに楽しそうだった。

405声 飲み屋の仏

2009年02月08日

大人物と言うか、太っ腹と言うか。
粋人の中には感服してしまう程、気前の良い人がいる。

昨夜の居酒屋。
その方は一人で入店。
ツーッとカウンターまで入って来て、「瓶麦酒」。
70年配、はしご酒の途中であるのか、少々赤ら顔。
瓶麦酒をコップに注ぎ、カウンターの隅に居た私に向って、
「お兄さん、この店初めて」
と、おもむろに問う。
「はい」
と、間抜けな声。
「マスター、隣の方に瓶麦酒」

感謝して、チビチビ飲んでいたレモンサワーを空けて、瓶麦酒で乾杯。
この老紳士、多くを語らず、黙々とグラスを傾けている。
軽薄な私は、グビグビと、5分も掛らず瓶麦酒を空けてしまう。
すると、「マスター、お兄さんにもう一本ね」。
漸く、自らの節操の無い振る舞いに気が付き、赤面。
平伏して、改めて感謝の意を述べ、ゆっくりと、味わって飲む。

一時間もしない間に、その老紳士はまた、ツーッと暖簾を揺らして帰った。
帰り際、盛り上がっている直ぐ後ろの座卓に、瓶麦酒を一本。
座卓から離れて遊んでいた、見知らぬ子供に野口を一枚。
店全体で頭を下げて、その老紳士を見送った。

何となくホッとして、席に着く。
結局、老紳士の前には、入店時に注文した瓶麦酒が一本。
「マスター、さっきの方は」
「いや、良く来てくれる方なんですがね、
来るとあぁやって、皆に奢ってくれるんですよ」
「いるんですねぇ、仏様みたいな良い人って」
「いるんですよぉ、仏様みたいな良い人って」
「マスター、レモンサワーおかわり」

404声 白い月

2009年02月07日

早春の軽い風が、時々、ベランダに干しある洗濯物の間を通り抜ける。
寝むたげな色をした青空に、薄らと白い月が見える。
椅子に腰かけて、ぼんやりとそんな光景を見ていたら、
すっかりカップの珈琲は冷めてしまった。

そろそろ夕方。
向かいの家の子供等も、自転車に乗って、けたたましく帰ってくる頃だろう。
穏やかな空気が流れ、さして書く事柄も見当たらず、机に頬杖。
上空の烏、退屈そうにひと鳴き。

403声 緑青石のBBQ 後編

2009年02月06日

昨日の続き。

選択肢はもはや無し。
結氷した湖畔から吹く寒風にさらされながら、石焼計画の実行に移る。
まずは、問題の漬物石である。
その外観、緑青の湧いた銅像の様に、緑苔が生して染み込んでいる。
生憎、湖は凍っているし、たわしも無い。

「これ、一回洗わないと駄目だろ」
「ペットボトルの烏龍茶かけたら、飲料無くなるしな」
「そこの、雪で冷やしてる、缶ビールは」
「ビールなら、ウーロン茶かけろよ」
「いや、ビールかけろよ」

ってな、水かけ論に水を差したのは、友人の発想。

「あるよ」
「何が」
「雪が」
「雪、雪ね」

雪の中に石を投げ込んで、タオルでゴシゴシ擦る。
焼け石に水、ならぬ、苔石に雪。
随分と磨いたのだが、あまり綺麗になった感は無い。
しかし、痺れを切らした腹の虫が、いまにも這い上がって来そうな気配。
後は、加熱殺菌に賭ける。

錬炭に火を起こし、その上に石を置く。
十分に加熱してから、油をひいて、と言うかドボドボかける。
炭火の中で、ヌラヌラと怪しく光っている漬物石。
兎に角、肉を乗せて焼いてみる。
「ジュー」っと、肉の焼ける良い音と、香ばしい匂いが漂う。

「はい、じゃあ食って良いよ」
「えっ、良いよ良いよ、お先に」
「いやいや、運転してきてもらったから」
「いやいやいや、まずは、ビールのつまみに」

初めは押し付け合っていたのだが、どちらからともなく食べ出せば、
あっと言う間に、石焼が板に付いてくる。
石を熱し過ぎると、肉が焦げ付いてしまうので、
雪をかけて火を消し、余熱でサッと炙る様にして食べる。

「石焼も中々、風流だ」
とか、
「結果、焼き網を忘れて良かったではないか」
とか、
「これが究極のバーベキューなのだ」
とか、ビールの心地よい酔いと相まって、ご機嫌で石焼に舌鼓。

一通り、持って来た食材を食べ終えると、石に雪をかけ、
冷えたらタオルで擦り、元の場所へ戻す。
満腹で、土産話を携え、意気揚々と下山。
そして、散会。

次の日、職場を早退した友人は、そのまま二日寝込んだ。
三日目、起きて鏡を覗いたら、その顔には緑青が湧いていたと言う。

402声 緑青石のBBQ 前編

2009年02月05日

今シーズンの、榛名湖氷上開きが中止になった。
気候や、氷の強度不足等の影響だから仕方ないが、
近隣のワカサギ釣りフリークは意気消沈だろう。
中止になってからの方が、マスメディアへの露出が多い。
ってのも、皮肉な話だが、今時期の榛名湖と言えば、
思い出す悲惨な話がひとつ。

随分と前の榛名山。
買ったばかりの四輪駆動はグイグイと、冬の林道を榛名湖目指して登って行った。
ご機嫌で鼻歌交じりに、初めてのマイカーを運転する友人。
後部座席に積んである、バーベキューの食材とビールが気になる私。

青空の下、広大なスケートリンクの様に結氷した湖面。
溶け残った雪が眩しい、榛名湖畔に車を駐車し、
早速、バーベキュー道具を下ろす。

「俺、食材のクーラーボックス持って行くから」
「じゃあ、俺は食器と、錬炭と、あれ、網は」
「えっ、網」
「そう、焼く、網」
「あぁ、積んでねぇや」

一番肝心な、焼き網を忘れてしまったのである。
全身の力が一気に蒸発。
私はすっかり意気消沈してしまって、
缶ビールを次々に開けて、比喩表現に勤しんだ。

「焼き網の無いバーべキューなんて、ボールの無い球技だ」
「焼き網を忘れてバーベキューに来たお前は、まわしを忘れて土俵に上がった力士だ」

無言で立ち上がり、何やら後ろの枯れた熊笹生い茂る林で、ガサゴソやってる友人。
抱えて持って帰って来たのは、30cm四方程の漬物石の様な、丸石。
「榛名湖殺人事件」
ってな言葉が、瞬時に私の脳裏をかすめた。

「焼けるぞ」
「えっ」
「この石で、肉、焼けるぞ」
「えっ、あー石焼って、あるもんな」
「そう、石焼、石焼だ」

湖畔に転がっていた、怪しげな丸石で、果たして無事肉は食えたのか。
また、明日。

401声 図書館の追憶

2009年02月04日

夕方、近所の図書館に借本を返しに行った。
カウンターで本を返却し、館内を出口に向かって歩く。
何気なく、おばちゃんとすれ違って、足を止めた。
肩越しにおばちゃんの後姿を覗くと、記憶のアルバムがパラパラ捲れる。

「先生だ」
小学校時分に、担任だった先生なのである。
随分時が経ち、容貌からも時の流れを感じさせる。
が、微かに面影。
先生は私に気付いていない様で、本棚で探本中。
私の顔が見える様、近くを通り抜けたのだが、
どうやら記憶は結びつかないらしい。

そのまま、図書館を後に帰路へ就く。
胸に湧く、懐旧の情、しみじみと。
そして、そこはかとない感傷的気分。
先生の背丈が、驚く程、低く見えたからである。

400声 第400声記念特別企画「掃き溜めの恩返し」

2009年02月03日

節分の本日。
日刊「鶴のひとこえ」も、めでたく第400声を迎える事が出来ました。
そこで今回は、クレインダンスからのささやかな恩返し。
クレインダンスのメンバー2人、秘蔵の手拭いコレクションから選りすぐった手拭いを、
それぞれ抽選で2名様に、一本づつプレゼント。
銭湯や温泉に行くには、やっぱり手拭いが「通」ってもんよ。
それでは、下記を参照したうえのご応募、お待ちしております。

■応募方法
郵便番号・住所・氏名・年齢・性別
を明記の上、下記応募アドレスよりご応募下さい。

■応募締切
平成21年2月6日(金)

■当選発表
厳正な抽選のうえ、当選者には発送をもってかえさせて頂きます。

■当選の品
クレインダンス
堀沢:大相撲手拭い
抜井:郡上踊り手拭い
上記、どちらかの品になります。

■アンケート
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※後日掲載させて頂く場合がございます。

※お一人様、メール一通のご応募とさせて頂きます。
応募に際し、頂いた個人情報は、当企画の目的にそった賞品送付等にのみ利用し、
他目的には利用しません。

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