日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

446声 春の怠惰

2009年03月21日

飲んでも書ける。
と言う人もいれば、
飲んだら書けない。
と言う人もいる。

ひとっ風呂浴びてたら飲む。
と言う人もいれば、
ひとっ風呂浴びても飲まない。
と言う人もいる。

そしてここに、ひとっ風呂浴びて飲んで書けない、私がいる。
怠惰に身を委ねる、春の夕暮れ。
などと、今宵は粗野な体言止めで、終わってみるか。

445声 彼岸の便り

2009年03月20日

春分の日の今日は彼岸。
「暑さ寒さも彼岸まで」
とは、先人。
良く言ったもので、やっと寒さも和らいで、暖かくなって来た。

なんだか年寄りくさい事を書いているが、彼岸なので良しとしよう。
今日は、墓参りには行けないけれども、
まだ墓に入っていない祖母祖父に、贈り物でもしようかと考えている。
矢嶋園のお茶でも買ってくか。

444声 杏の花

2009年03月19日

「気温は22度を超え」
と言う、ラジオニュースが流れて来た瞬間。
蒸し暑さが湧き出た。
前に一台、前方の信号は赤。
ボタンを押すと、運転席の窓が重たそうに開き、
温まったい微風が頬を撫でる。

青に変わって走り出す。
走り様、右前歩に見える公園。
ベンチに座っている、風体の暗い中年男。
背を丸めて、カップラーメンを食べている。
「どこでお湯、入れたんだろう」
と思った。
が直ぐに、ベンチの上に咲いている、
白い杏の花に目を奪われて、走り過ぎて、忘れた。

443声 野球感染

2009年03月18日

本日の昼時は、日本各地で箸の進み具合が鈍っていた事だろう。
皆の視線を一手に集めているのは、テレビ映っている野球。
WBCの日韓戦である。
私も、馴染みの定食屋にて、箸でラーメンの麺を掬っては下ろし、
掬っては下ろし。

序盤で3点、リードされてしまった日本。
店内でテレビに釘付けになっている、作業服のおやっさんたち、
やけっぱちになって、「ズーッ、ズーッ」。
自然と麺を啜る音も、ぶっきら棒になる。
角の席のおやっさんなんか、箸で麺を上げたまま、
意気消沈して固まってしまった。

私には、自宅で野球観戦する習慣が無い。
しかし、定食屋なんかのテレビで観戦する野球は好きだ。
特に、高校野球においての県内勢の試合。
これは、息を飲んで観戦している人たちの緊張感が、こちらにまで感染し、
釣られて手に汗にぎっている自分がいる。

今日は、風も静かで陽光も暖かく、ビールの一本でも空けて、
腰を据えて観戦したい心持であった。
結局、日本は負けたけど、俄かファンの私にはさして問題では無い。
テレビの前の、一喜一憂がつまみなのだ。

442声 青春を享受

2009年03月17日

真っ昼間から、若い男女達が、入れ替わり立ち替わり、入って行く場所。
と言えば、特にこの時期、繁華街のカラオケ店が顕著である。

街のカラオケ店入り口付近には、群れをなして駐輪してある夥しい数の自転車。
巷の中・高生も大半が春休みになっている様子。
最近の流行歌手の名前には、明るくない。
ので、どの様な楽曲が現代の中・高生の間で好まれているのか、見当もつかない。
しかしながら、一時的に学校生活から解き放たれた開放感や、
年頃の男女間に漂う、繊細な雰囲気の緊張感は、想像しうる。
それらの感情は、脳内で融解し化学変化を起こす。
その結果は、ワルノリ。

カラオケ部屋の中、Uの字型のソファーに腰掛ける、一塊りの男女。
塊に必ずいるのが、ワルノリを生業とするお調子者稼業の輩。
大人ぶって吸った煙草にむせ、やみくもに痛飲したビールに酔い、
更に自らの歌声にも酔い、大いに弁舌を振るう。
そう言う輩は大抵、時間が経つと静まる。
ふと見ると、空気の淀んだ薄暗い部屋で、デンモク(電子目次本)を持ったまま、
眼光も鈍く顔も真っ青になって、固まっているのである。

淀んだ空気の部屋、目一杯に反響する、低音のみが強調された伴奏。
マイクロフォンエコーの掛かり過ぎによる、
音程と明瞭さの具合が悪い歌唱。
失敗も成功も、自由を音楽で享受する娯楽。
今、目の前にあるのが青春であるぞ、諸君。

441声 桜の噂

2009年03月16日

昼下がり。
公園にそよぐ清風、暖なれば、ベンチに座りてしばしまどろむ。
春来たる風韻を感じ、桜蕾綻び、花咲かす時を思う。
傍らに遊びし鳥等。
まどろみながら思えらく、桜の噂でもしているのだろう。

440声 街の血色

2009年03月15日

暮れ六つ。
に、差し掛かろうかと言う時刻。
県内中心部の都市、その中心市街地に広がる路地を探索。
目的地は、銭湯。
中々見付からずに、右往左往して、感じた。
厳密に言えば、いささか「感じられない」と、感じたのである。
生気を。

街には生気がある。
それは、血の通っている気配。
しかし、路地裏で見たのは、青ざめた、血色の悪い街の顔色。
駅、バス、ホテル、商店街、飲み屋、銭湯。
これら、街の臓器とも言える機関に血液、
つまり人が流れている気配が薄かった。
これは、県内の各市街地で、年々、顕著である。

血が通わない事には、臓器が衰える一方。
臓器が衰えれば、体の具合が悪く、顔色も芳しくない。
近年、その血が郊外に流れて滞留し、巡りが悪くなっている。
その機能を停止させてしまった臓器が多く見られる場所は、
「シャッター街」と呼ばれ、問題視されている。

路地裏、やっとの事で見つけた銭湯。
硝子戸を開けると、先客が数人。
私が滞在中にも、次々と来店。
街には未だ、踏ん張って、血を通わせている臓器もあるのだ。
と、考えつつ、ついつい長湯。
熱い湯で温まった血が巡り過ぎ、
目を回しながら湯船から上がる。

439声 花夜

2009年03月14日

里では梅が見頃を迎えている。
天気の良い明日あたり、群馬の三大梅林は、
多くの観梅客で賑わう事だろう。

「梅花は可憐で、桜花は妖艶」

とは、私が勝手に思っているだけ。
闇夜に舞う桜の花には、時折「ギクッ」とさせられる。
しかし、やはり梅の花かな、青空の下では。

438声 お先にお花見

2009年03月13日

観光情報を紹介するってのは、中々、骨が折れる作業だ。
それは、常に先取りの情報を発信せねばならないからである。
観光誘客に結びつけるには、せめて一月前からの情報発信が必須。
しかし問題は、如何にして内容を揃えるかである。
一月も先の内容を、観光情報として紹介出来るだけの物として、一月前に作る。

例えば本日。
ほぼ終日、高崎市内を取材、撮影。
その内容は、高崎市内における、「春の桜特集」である。
丁度、市内の桜が満開を迎えるのが、一月先の今時期であろう。
しかしその内容を、本日揃える。

当然、桜はまだ蕾。
桜どころか、里山では梅が満開。
気の早い芝桜やら、日当たりの良い場所に群生していた、菜の花を中心に撮影。
その後、まだ桜の咲いていない観音山周辺を巡る。
その内容が、読者目線で紹介する市内一日観光コースなので、
どうしても紹介する観光コースは巡らねばならない。
そしてそれを、読者目線で書かねばならないのだ。

よって、観光情報を紹介する上で、最も必要な作業は想像である。
一昨年前の過去情報と、一月前の現在情報を混ぜ合わせて、
一月後の未来情報を作り出す。
来週あたり、私の頭の中では、高崎市内の桜が満開を迎えているはずだ。
一足先に、花見酒。

437声 春の蛤

2009年03月12日

春を感じたのは、回転寿司の店内での事。
おすすめメニューに、「蛤のにぎり」を発見。
蛤の旬は早春。
ひな祭りには、蛤を食べる風習もある。

そんな事を思い浮かべつつ、一皿注文。
流れて来る間に、メニューの端書き、「蛤の効能」に目を通す。
含まれる豊富なビタミンにより、病気に対して抵抗力がついたり、
疲労を防ぐとの事。
骨や歯の成長も促して、特に耳の神経には効き目があると言う。

流れて来た皿を取って、おもむろに一口。
すると、「ガリッ」と、脳天に一閃。
ティッシュを手に取り、奥歯の痛みと耳の衝撃にたじろぎながら、口から出す。
中身を検めると、犯人はどうやら、小さな砂粒らしい。
どうも、蛤に砂を吐かせきっていなかった様子。

「歯の成長も促して、特に耳の神経には効き目」
どころか、酷い憂き目である。
蛤が砂を吐いたかどうか、確かめる術は無いのだろうか。
おかげで、蛤の砂で私が歯痛である。

436声 ダマってオレに着いて来い

2009年03月11日

時勢に疎い私でも、やはり、高速道路料金の「上限1,000円」制は気になる。
東京、大阪の「大都市近郊区間」を除いて、土日祝日は普通車以下は上限1,000円、
満たない場合は半額。
つまりは、地方の高速道路が1,000円で乗り放題になる。
と、大まかに言えばこうなるのだが、どうも、小まかな所が問題らしい。

例えば、その対象外の「大都市近郊区間」ってのを通過すると分かりづらい。
首都高や名神高速を経由して行く場合の料金体系が、である。
経由地によっては、料金体系が複雑多岐に亘る。
そして、システムの遅れから、実施自体は今月28日からされるのだが、
GW前の4月下旬まで、東京圏を跨いで利用する場合は、
両側の区間で1,000円ずつ徴収される。
東から東京圏に来て、1,000円。
東京圏から西に行くと、また1,000円。
って事になる。

残るのは、「借金を返す為に料金を払ってたのに、大丈夫だろうか」
と言う、一抹の不安と、
「まず、渋滞は逃れられないな」
と言う、やはり不安だけが、一抹も二抹も残ってしまう。
しかし、安くなる事への純粋な嬉しさもあり、複雑な心持である。

あれこれ言ったって、まず、ETCを車載していないと話にならない。
この制度はETC搭載車のみに適用。
自車には、ETCが未搭載なので、この恩恵を受けられない。
よって、購入しようと思う。
しかしこれまた、「ETC助成金」だって。
1,000円で乗るまでには、まだ幾つも「ダマ」を解かなくてはならない様だ。

435声 月光浸潤

2009年03月10日

相も変わらず銭湯や、日帰り温泉に行っている。
どちらも、各種各様の楽しみ方があるが、
日帰り温泉での楽しみは、やはり、露天風呂である。

開放的な露天風呂は、比較的温度も温く、
ゆっくりと心地良い風を感じながら温まれる。
私が行くのは大概夜なので、お天道様は拝めないのだが、
お月様がいらっしゃる。

湯に浸かりながら、頭をもたげると、闇夜に浮かぶ満月。
そんな時は、月の光が濃く降り注いでいる。
陽の光は皮膚の表面を焼き、月の光は皮膚の中に浸潤して行く。
様な気がする、さながら、月光浴と言った様相であろう。
これが、中々、落ち着くのである。

434声 迷いの季節

2009年03月09日

気の根がざわつく。
とでも言おうか、どこかそわそわして落ち着かない。
気もそぞろで、何に取り掛かっても、あまり身が入らない。

3月の生温かい風が、そうさせるのだろう。
実際、出掛ける時の服選びでも、一枚着ようか否か、決断が鈍る。
つまりは、迷いの季節である。
年度末の慌ただしさも手伝って、日々、渦中を迷走している様。

里山では、早咲きの河津桜も咲き始め、
市街では、貼りたての若葉を多く見かける。
そう、この時期巷には、初心者マークを付けた車が非常に多い。

集中力に欠け、決断が鈍る、3月。
ましてや、運転が荒っぽい言われる上州の街道。
泰然自若の心持で運転する事が肝要である。
本日の帰り掛け、対向車に、
思いっきりクラクションを鳴らされた事を思い起こしつつ。

433声 17文字に活写

2009年03月08日

所々に点在する廃旅館の佇まいが、
その温泉街の現在状況を、何よりも雄弁に物語っている。
入り組んだ小路は閑散としており、生気は感じられない。
陽が路地へと滲み出し、看板が灯り始める頃。
宵闇に瘴気を吐き出すかの様に、この川沿いの温泉街は妖しく蠕動する。

路地裏風景。
に垣間見る、光景。
その中に感じる、「写真には写らない美しさ」。
とでも言おうか、肌に感じる空気の感触を、五・七・五の17文字に活写したい。
活写しておかねば。
と言う焦燥感が、ペンを走らせる。
ワルノリ俳句ingと言う、およそ酔狂な活動に、駆り立てる。

432声 宿酔が徘徊

2009年03月07日

起床すると、春嵐にざわめく木々の音が聞こえる。
宿酔の残党が、しぶとく五臓六腑に停滞中。
椅子に腰かけたは良いが、2度も3度も眠りの徒に袖を引かれる。
しかし本日、あと数時間もすると、「第7回ワルノリ俳句ing」が開催されので、
必死で誘いの手を振り払う。

今回の俳句ingは、上越線に乗って、一路、水上駅を目指す。
駅を降りて、水上温泉街を吟行しよう、と言う寸法。
今日は好天なので、太陽が西に下り始める頃までに、数を詠んでおきたい。
赤提灯が灯る頃には、気を楽にして街を歩きたいのだ。

好街で俳会しつつ、酔街を徘徊。
宵街で乾杯、そんな酔街に俳諧。

さて、そろそろ出掛けようと思う。

431声 低額所得金

2009年03月06日

「じゃあ、てーがくしょとくきんで買えば良い」
とは、先日、私の母が言っていた文句である。

「定額給付金」の事を、おそらく「低額所得金」と間違えている。
「貧乏は染み付く物ですなぁ」
などと、胸中で半ば呆れてしまった。
古今亭志ん生の様に、貧乏を味わえる料簡は遠くにあり。

430声 あんぱんと牛乳

2009年03月05日

公園の脇に車を停めてると、街に響く鐘の音が正午を伝えている。
ドア窓を開けると、寝ぼけた色の青空、やわらかな春風。
誰も居ない公園に、揺れてるブランコ、小鳥のさえずり。
電波の悪いラジオを聴きながら、あんぱん、牛乳。
あんぱんと牛乳を食べたら、シートを倒して、少し寝るつもりである。

429声 停戦交渉尽力中

2009年03月04日

「ハクション」
と、本日268回目のクシャミを計測。
酷い、今年は花粉症の諸症状が特に。

先週から続く花粉との戦闘。
徹底抗戦を表明して、花粉に構わず生活してきたのだが、遂には陥落。
本日より、マスクに目薬に、花粉鼻のど飴にと、停戦交渉を進めるべく尽力。
しかしながら、一向に攻撃の手を緩めてくれないのである。

クシャミする事にも疲れ、椅子の背にもたれ掛かって、
おもむろに頭を後ろに倒す。
すると、鼻水が鼻孔を通って喉に「たらーっ」と流れて来る。
これは、背筋に小さな寒気が走る程、気持ちが悪い。
はぁー。