デザインって何だ?
10年前くらいには、まさか自分がチラシやパンフレットの所謂デザインという仕事をするとは思ってもいなかった。もとは中之条町のtsumujiで店を任されていた時に「パソコン1台でできる仕事」と独学で始めたものだったが、吾妻にそれほどそういう人がいなかったおかげか、ありがたいことに今では個人事業や町関連のチラシや広告を作らせていただいている。
ところが、このデザインってやつはとても奥が深い。ただ目立つようにレイアウトする、文字が読まれるようにきれいに入れ込む、だけではなく、本質的なものを抽出し伝える、見た人に豊かなイメージを連想させる、といった目的も含まれるし、さらに言えば「ただのモノのデザインではなく、そのモノを通してどういう人がどう周囲と関わりどう流通させていくか」といったモノや人や地域の流れまでも加味して考える、という領域まで含めて「デザイン」と呼べたりもする。むしろモノ多き今の時代は後者の意が外せない気がする。
自分にそれができるかと言えばまだまだなのだけれど、先日嬉しいことにパンフレットを担当している高崎の「BIOSK」が、渋谷ヒカリエで行われたD&DEPARTMENT PROJECTのd47 MUSEUM「食の活動プロジェクト」(舌噛みそう)の群馬代表に選ばれた。これは、各都道府県からひとつ「食をテーマにただ商品が良いだけではなく、その商品がいかに地域や世の中の状況と良い関係を持っているか」という基準で店や活動を選ぶというもの。「BIOSK」は、種を採取し植えてを繰り返す固定種の野菜作りや、その野菜を使ってのソースや菓子などの商品化など、6次産業っぷりが評価されてのノミネートだった。
ちょうど用事があって立ち寄ったヒカリエには、栃木の「ココ・ファーム」や千葉の「寺田本家」のような「ザ・いい仕組みでいい仕事してます!」という企業の間に「BIOSK」の商品が並んでいた。嬉しかった。
僕は多分、他の人以上に「自分のため」に生きてきてしまったタイプだと思うが、ようやく近年になって「人のために自分がそっと手を添えて押し出せるものは何だろう?」と考えるようになった。デザインは、奥が深い。