小雨交じりの曇天。
カーテンを開け、そんな天気が目に入って来ると、一瞬怯んだ。
しかし、このタイミング。
逃せば後は、いつになるか分からない。
そう自らを奮い立たせる。
オーディオのスイッチを入れ、一昔前に流行ったロックをかけて、
気分を強引に鼓舞。
家を出て、目指したのは栃木県は宇都宮市。
なまじ、「栃木路地裏銭湯記」なんて銘を打って、
栃木県の銭湯を回り始めてしまったので、完結せねば気が済まない。
群馬県の銭湯との対比をしてみたくもある。
そんな訳で、一路、宇都宮へ。
電車にバスを駆使して市内の銭湯を回る。
昨年に一度、訪れているので、移動は慣れたものである。
そして結局、写真は一枚も撮れず、と言うか撮らず、終い。
それは、どの銭湯も、開店からお客さんの入りが盛況で、撮る隙がなかったのである。
現在、宇都宮市内には3軒の銭湯があるのだが、そのうち一軒が、
どうしても開店している時に来れない。
前回は日曜日に来て暖簾が掛かっておらず、今回は土曜日で同じ結果。
近所の銭湯で聞くに、営業はしているとの事なので、残念であった。
合わせて、ここまで来て、銭湯でシャッターを切らなかったのも、残念。
そそくさと、ユニオン通りからオリオン通り、そして、屋台横丁へ入る。
この「屋台横丁」とは、昨年末に高崎田町にできた、「中山道恋文横丁」、
通称「屋台通り」みたいなものである。
と言うか、そのモデルとなった横丁だろう。
「横丁」っても、新しく興った、新旧ハイブリット型の横丁である。
何軒か梯子して、店内で忘れない内に、先程の銭湯情報を雑記。
止めに、オリオン通り入口脇に在る焼き鳥屋へ、煙に誘われて入店。
宇都宮は、餃子もさることながら、焼き鳥屋が多い。
日暮れ時の商店街には、自転車で颯爽と走り抜ける高校生と、客引きの姿が目立つ。
やはり地方都市のターミナル駅周辺がそうであるように、夜は昼の喧騒が引け、
閑散とした街が現れる。