日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

1564声 水面の花明り

2012年04月14日

「えい」
っと勢い良く起床してはみたものの、寒い。
おまけに外は、雨脚が強い。
みるみる熱が冷めて、午前中は部屋でぐずぐずしていた。
それでも、力を振り絞って靴の紐を結び、ボタンを押した。
「バッ」
っとジャンプ傘が開いて、ようやく、花見に出掛けた。

バスへ乗って遠くまで。
と言う計画は白紙にして、車で近所の公園へ向かった。
これが正解だったようで、人気の無い雨の公園内には、
浮世である事を忘れさせてくれるような、幽玄な桜があった。
湖に映る、花明り。
雨が散らした花弁が敷き詰められた、遊歩道。
ぽつりぽつりと句を作りながら歩いたが、花冷えもきつく、
小一時間で引きあげてきた。
そして、夜半には懲りずに酒場へ。

【天候】
終日、雨。

1563声 花人

2012年04月13日

やっと咲いたと思ったら、今日は早くも桜が散り始めていた。
「花吹雪」
とまでは行かないが、一二片の花びらを風が奪い合っていた。
今日見た桜で、特に目を魅かれたのは城址公園の桜であった。
こう書いても、ごく狭い範囲の人にしか伝わらない。

城址公園はその名の通り、高崎城の址を整備した公園である。
石垣と門、乾櫓などが残されており、
お濠の周りにはぐるりと桜が植えられている。
苔むした石垣の上から、大きく散る桜は壮観。
幾時代を経て来たのか、あのお濠の暗い水に映る、
幻想的な夜桜も捨てがたい。

しかし、もって後二日位だと思っているので、
向こう二日は句帖片手に花人となり、街を徘徊するつもりである。

【天候】
午前中は風強くも晴れ。
その後、下り坂で夜から雨。

1562声 雨の花見句会

2012年04月12日

昨夜の話。
前橋公園での夜桜吟行を終え、参加者の方が取っておいてくれた、
市街地の店へ移動し、句会。
飲食店での句会は、いつものことながら、周りのお客さんたちの視線が痛い。
しかし、句を短冊に一心不乱になって書いている集団。
と言うのはやはり、異様な光景だと思う。

小さな声で句を披講して行き、無事に終了。
自分は公園での吟行時間も少なかったので、
句帖にストックしてある句を随分出した。
先生の選に幾つか入っていたので、一先ずは安堵したが、
皆の選にはあまり入っていなかった。
やはり、あの時間の夜桜に触れている時間が短かったので、
実感のある句が少なかったと、反省した。

句会が終わったら、もう次の花見の話が始まった。
俳人(歌人もそうであろうが)の花見と言うのは、
もはや「行」のようなものになっていると感じた。

【天候】
終日、風強くも快晴。

1561声 雨の花見茶屋

2012年04月11日

「ひとつ、夜桜で」
と言う訳で、前橋公園へ吟行に出掛けた。
桜は咲き満ちていたが、雨ふりだったので人出はまばらだった。
花見茶屋も空いていたし、雨の方がゆったりしっとりと花見ができて良かった。

私は遅れて到着したので、他の参加者たちはみな既に赤い顔をしていた。
生ビールとおでんで一杯やりつつ、急いで句を作って行く。
茶屋の室内には、ストーヴがたかれており、響き渡る昭和歌謡が、
いっそう花見茶屋らしくさせていた。
雨の桜も良いが、そんな雰囲気も好きなので、
その空気感を俳句詰め込んで、店を辞した。

【天候】
終日、雨降り。

1560声 春の高揚感

2012年04月10日

満開とまでは行かぬが、群馬県平野部でも、
咲いていない桜が無いくらいに蕾が綻んできた。
霞んでいる里山に、ぼんやりと浮かぶようにしてあるさくら色。
そんな光景を見ていると、そこはかとなく、胸の奥が騒いでくる。
なんだか、回り道して帰りたくなるような。
徐々にわきでてくる、ほど良い、春の高揚感。

【天候】
終日、花曇りながら暖かな日。

1559声 入学の日

2012年04月09日

全国的に、今日が入学式。
と言う学校が多かったみたいで、近所でも、朝。
フォーマルな装いの両親に手をひかれ、
フォーマルな装いをさせられている新一年生が、しぶしぶ歩いて行く姿を見かけた。
群馬県の桜はまだ満開と言う訳には行かないが、都内の方では今が満開。
全国的に麗らかな日で、よかった。

   どの子にも涼しく風の吹く日かな    飯田龍太

夏の句だけれども、初夏のような濃い日差しが降り注いでいた今日。
入学式へ向かう、まだ頼りない子供たちを見ていて、この句が浮かんできた。
子の親になった事の無い私は、この句を本当に味わえているのかなとも思った。
子供たちの傍らには、自分とほぼ同世代くらいの親たちもいるようだった。

【天候】
終日、晴れて汗ばむ気温。

1558声 花の魔法

2012年04月08日

弓を射る如くに、近所で鶯の声が飛び交っている。
鶯が鳴いて、桜が咲いて、いよいよ春もたけなわになってきた。
昼のあたたかさに釣られ、うかうかと花見に出掛けると、
夕方になってからの花冷えにやられてしまう。
そう言う事を、もう幾度も経験していて、時には体調も崩してしまう。
それでも、いつの時代も人が春服で花見に出掛けたくなるのは、
やはり花の魔法なのであろう。

【天候】
終日、風強くも暖かな一日。

1557声 はなのじき

2012年04月07日

桜の季節到来で、巷はなんだかそわそわしている。
去年の今時期は、このそわそわの中で、鼻の骨を折っていた。
それは、前橋の桜が散ってすこし経った頃。
折れた鼻を元に戻す為、手術入院した頃は、ゴールデンウィークの手間だった。
病室から眺める街は、桜の時期のにぎわいとは少し違った、
若葉萌え初めるにぎわいが感じられた事を憶えている。
まさに、「風光る」と言う印象を受けた。
さて、今年も「はな」の時期が来て、どうなることやら。

【天候】
終日、風強くも快晴。

1556声 桜前線到来

2012年04月06日

昨日の暖かさで、首都圏の方はもう桜が八分咲と聞く。
明日の土日から、いよいよ本当の花見シーズンが到来する。

となると、群馬でも来週末辺りが、満開だろう。
今年は、いささかおそろしいくらいに花見句会の予定が入っている。
花見句会と言うのは、酒が付きものなので、
一歩間違うと収集の付かぬ事態になる懸念がある。

満開の桜を見て、そしてまた、句会で満開の桜の句を読んで、
まさに花づくしで、めでたいのだが疲れる。
それにゆったりと浸かれるくらいでなくては、風流には遠いのだろう。
さて、忘年会シーズンについで、無事に乗り切れるか不安な一月である。
ひとまず、桜の佳句が生まれる願って、乾杯。

【天候】
風吹いて寒い一日。
季節が一月戻ってしまった感が、ある。

1555声 春休み

2012年04月05日

日々、おぼろげな生活は続いていて、
これを書いているのも一日遅れである。

しかしながら、巷。
春休みの時期と言うこともあって、学生連中がふらふらと、
新学期への期待を身からこぼしつつ、商店街を飛び跳ねて行く。
新社会人であろう若者たちが、真新しいスーツに身を包んで、
颯爽と横断歩道を渡って行く。

私は相も変わらず、鼻水を垂らしつつ茫洋とした生活の海を彷徨っている。
時々、空を眺めながら俳句を作ったり。
銭湯でひとっ風呂浴びて、赤提灯の暖簾をくぐったり。
されど、桜は咲く。
どの人にもひとしく、春は巡って来る。

【天候】
終日、麗らかな日。

1554声 梅から桜

2012年04月04日

今朝はまだ、昨夜の吹き残りの風が、時折、ぶつかりあっていた。
昨晩の強風で、死者まで出たと言うから、
こんな日々春めいて来る季節に亡くなるのは、気の毒だと思った。

群馬県平野部でも、梅が終わって、桜が開花し始めた。
河津桜などはもう、4、5分は咲いている。
桜が咲き終わると、いよいよ風が光って来る季節だと、
咲く前から思っている。
桜にも会いたいが、あの若葉萌え初める頃の、
風のきらきら感にも早く会いたい。

【天候】
終日、風強くも快晴。

1553声 春嵐

2012年04月03日

なんでも、大型の低気圧が日本列島の上空を通過するてぇんで、
関東地方は夕方あたりから暴風雨が吹き荒れている。
ここ群馬県は、夜の9時くらいから、ずいぶん風が出て来た。
からっ風で鍛えた上州人である。
これしきの風では驚きはしないが、交通機関の方は大分乱れているみたいで、
帰宅の「足」に影響が出ている人も多いだろう。

歳時記で言うところの「春嵐」にあたる。
暴風雨だが、夏場の台風ほど深刻ではなく、さほど深刻な印象ではない。
「春の風邪」のように、深刻ではなくむしろ、女性の場合はどこか艶っぽい印象である。
すこし気になって、本棚から古歳時記を引っ張り出してひいてみた。
虚子編の「新歳時記増訂版」(三省堂)の春の部分の頁を、捲れど捲れど載っていない。
手元のものは、昭和35年の増訂13版なのだが、
その時点において、この歳時記では「春嵐」は季題として採用されていなかったらしい。
その代わり、「出代」など今や死語となった季語も載っていて、しばし読みふけってしまった。
歳時記を閉じると、もう春嵐はどこかに行ってしまったようで、すとん。
と、部屋に静けさが戻っていた。

【天候】
昼間の内は曇り。
その後雨風ともに強まり、夜半には回復。

1552声 蕎麦俳談

2012年04月02日

句会が終わってから、二次会になった。
参加者は二十人に手の届かぬほどの、手頃な小宴会と言った具合だった。
会場は公園脇の蕎麦屋。

朝からの二日酔いは、乾杯のあいさつになった午後4時頃には、
大方回復しており、美味しく麦酒を飲む事ができた。
せっかくの機会なので各地の人たちと交流しようと思っていたが、
けっきょく、周りには知った顔ばかり集まっていた。
その方が落ち着くのだが、幾人か、話したい俳人の方と軽く話せたのでよかった。
軽く話すくらいが、肝機能が著しく低下している自分にとっては、
良かったのかも知れない。

帰りの電車でも飲んで、最終的に高崎駅に帰ってきてから、とどめに一軒行ってまた飲んだ。
この仲間内で、大きく年齢を離して一番若いのが私だが、私が一番疲弊していた。
さまざまな意味で、おそろしい人たちだと改めて感じた。
総括すると、こんな風に、俳句に没頭できる一日と言うのは素晴らしい日であった。

【天候】
終日、快晴。

1551声 大宮公園

2012年04月01日

最近、大切な場面ではいつも二日酔いであることが多い。
この日曜日も、もれなくそうだった。

高崎駅から早朝の電車に乗り、一路、大宮を目指す。
電車をまっている間、立ち食いうどんを食べたが、
昨晩深夜までの暴飲暴食に付き合った胃が、すでに疲労困憊している様子。
なんとか食べきって、席へ戻ると、さくらさんがもうワインを紙コップに注いでいる。
それを丁重にお断りして、半分白目をむきながら、お茶ばかり飲んでいた。
結局は、皆があまりにも美味しそうに飲んでいたので、「じゃあ一杯」と言うことにした。
しかし、目下、アセトアルデヒド脱水素酵素を必要としている体は、
更なるアルコールを受けつけようとしなかった。

その内に目的地である大宮駅について、弁当を買って、タクシーで大宮公園を目指す。
この間の楽しい行程を細かに描写したいのだが、それよりも、
二日酔いによる倦怠感の方が印象に残っている。
大宮公園でタクシーを降りて、ここからが今日の本番である。
所属している俳句教室の合同吟行句会なので、ここで句を作って句会をする。
公園内には幾つか開花している桜があったので、それで二、三句。
あとはもうおぼろげな思考でなんとか数を合わせて、句会に参加した。

句会での成績は、埼玉、千葉、東京、神奈川の人たちを押さえ、
私を除いた群馬勢の調子が良かった。
ほろ酔いで作る方が良い、と言う事がいよいよ確実になってきたと、
感じざるを得ない結果だった。
大宮公園には開花の前から屋台や花見客が多くおり、活気に満ちあふれていた。
前橋市にある「るなぱーく」のような、レトロな遊園地もあり、
ほのぼのとしたいい公園だと感じた。

【天候】
終日、快晴。

1550声 春嵐

2012年03月31日

今夜はまた、お祝いの席に行く事になっている。
お祝い、などは単なるきっかけとして、
皆があつまる機会ができる事が嬉しい。
いい歳になって来ると、そう言う「機会」がないと、
皆が中々集まりづらいようである。
若い頃のように、「何とは無しに集まって」と言う事が、
どんどん減って来る。

私は掛け値なしに集まると言うのが好きだが、
そうも行かないらしい。
今日は俳句に関する集まりであるが、
皆が皆、俳人と言う訳ではない。
その方がむしろ、気が楽でもある。
俳句の好きな人間が、十数人も集まって飲みながら俳句の話を始めたら。
想像しただけでも、ゾッとする。
はじめの間は麗らかな春の日差し、その内だんだん、春嵐。
大抵は、今日の天気みたいに、そうなるだろう。

【天候】
朝は曇りがちにも穏や、その後、雨風共に強く、春嵐。

1549声 朧月

2012年03月30日

昨日は定例の句会だった。
メンバーのひとりは体調をくずして欠席だったが、
春の風邪と言うのも、なんだかオツな感じがした。

夜なので、春の灯やら春の月あたりを中心に作ろうと思い、
外に出て夜景の見える所まで歩いた。
丘の上からは、榛名山の麓の伊香保の灯が望める。
春の夜風に触れ、濡れた様に瞬いていた。
月は朧の中にあって、光はその中に閉じ込められていた。
形も分からぬほどの朧月は、見ていて飽きなかった。

句会では、自分の朧月の句の一つに人気のものがあった。
並んだ句からは、ほのかに艶っぽく、やわらかな、
春らしい雰囲気が溢れていた。
句会の最中、また終わった後でも皆の笑顔が絶えなかった。
今や遅しとさくらを待つ心が、そうさせているのかもしれない。
そう言えば、お休みした人の俳号も、「さくら」が付いている。

【天候】
終日、穏やかに晴れて、麗らかな一日。

1548声 磯部湯

2012年03月29日

今日、前橋市千代田町にある銭湯が、のれんをおろした。
「磯部湯」と言う、味のある素晴らしい銭湯だった。

前橋市街地の酒場へ出掛ける前などは、
ここでよくひとっ風呂浴びてから出掛けた。
四時頃行くと、常連さんがいて、湯上がり。
テーブルに置いてある飴をなめながら、たまに話した。
話しこんでいると、きまって、女将さんがお茶を入れてくれた。

じっこうの薬湯と、河川の図柄のペンキ絵。
丁度、西日が当たって、光と影が混ざり込んでいる、
あの幽玄な浴室の景色が思い出される。
惜しいと、思う。

【天候】
快晴の一日。

1547声 花を待つ

2012年03月28日

今日、市街地の公園を通ると、何やら屋台が設営されていた。
ここのところ、ニュースでは毎日、西から花の便りは寄せられている。
群馬県でも、いよいよ花見の準備が始まったようである。
橋の下では、数人集まって、花茶屋の普請を急いでいた。
週末辺りには、初花を見つける事ができるだろうか。
それは、俳句を始めてからの事だが。
なぜだか。
なぜだかいつも、さくらの開花を待つ心が、そわそわする。

【天候】
雲多くも終日、快晴。
一時、微弱なるお天気雨。