新しいアメリカ大統領が本日就任。
そして、昨日の続き。
「あれっ」と思った。
着物娘と礼服のお母さんのいる周囲に、時折閃光。
断続的に、ピカピカ光っているではないか。
何かと思い、ひょいと背伸びして、昼時の混雑する雑踏を見下ろす。
すると、アジア系の外国人観光客の方々なのだろう、周りを取り囲んで、激写。
パパラッチさながら、フラッシュの嵐なのである。
浴びせられる閃光の中に、明らかに困惑が浮かんだ、晴れの日の母子の顔。
周囲の人々は、事なかれ主義を重んじ、曖昧な表情で過ぎ行く。
かく言う私も、団子にかじり付きながら、遠巻きから傍観。
TVニュースに映っていた、築地市場の場長に注意される外国人観光客と、
浅草で我武者羅にフラッシュをたいていた、この外国人観光客。
両方に共通していたのは、修学旅行の中二男子学生さながらの、ノリ。
それはまさに、ワルノリ。
ワルノリと言えば、このサイトでも掲載している、
隔月県内吟行の「ワルノリ俳句ing」。
もちろん、正しく(かどうかは怪しいが)俳句を詠みつつ、
「ワルノリ俳句」も詠んで行く。
自分の、あるいは、他者のワルノリ感を、五・七・五で表現すると言う、
逆説的な俳句への取り組み(かどうかも、またもや怪しいが)。
そして、ワルノリの無常感を肴に、赤提灯で一献傾けるのである。
そこで、ワルノリしがちな外国人観光客の方々にも、
ワルノリ俳句を普及させ、俳句を詠む事よって、
ワルノリの無常感及び寂寥感を味わって頂く。
そうすれば、観光地でのワルノリも減少するのではないか。
しばし書手を止めて、想像。
赤提灯のカウンターで、隣に居合わせた外国人観光客数名。
皆一様に押し黙って、ワルノリの無常感を肴に、一献傾けていたとしたら。
思わず私の方が、フラッシュをたいてしまうだろうな。