日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

1555声 春休み

2012年04月05日

日々、おぼろげな生活は続いていて、
これを書いているのも一日遅れである。

しかしながら、巷。
春休みの時期と言うこともあって、学生連中がふらふらと、
新学期への期待を身からこぼしつつ、商店街を飛び跳ねて行く。
新社会人であろう若者たちが、真新しいスーツに身を包んで、
颯爽と横断歩道を渡って行く。

私は相も変わらず、鼻水を垂らしつつ茫洋とした生活の海を彷徨っている。
時々、空を眺めながら俳句を作ったり。
銭湯でひとっ風呂浴びて、赤提灯の暖簾をくぐったり。
されど、桜は咲く。
どの人にもひとしく、春は巡って来る。

【天候】
終日、麗らかな日。

1554声 梅から桜

2012年04月04日

今朝はまだ、昨夜の吹き残りの風が、時折、ぶつかりあっていた。
昨晩の強風で、死者まで出たと言うから、
こんな日々春めいて来る季節に亡くなるのは、気の毒だと思った。

群馬県平野部でも、梅が終わって、桜が開花し始めた。
河津桜などはもう、4、5分は咲いている。
桜が咲き終わると、いよいよ風が光って来る季節だと、
咲く前から思っている。
桜にも会いたいが、あの若葉萌え初める頃の、
風のきらきら感にも早く会いたい。

【天候】
終日、風強くも快晴。

1553声 春嵐

2012年04月03日

なんでも、大型の低気圧が日本列島の上空を通過するてぇんで、
関東地方は夕方あたりから暴風雨が吹き荒れている。
ここ群馬県は、夜の9時くらいから、ずいぶん風が出て来た。
からっ風で鍛えた上州人である。
これしきの風では驚きはしないが、交通機関の方は大分乱れているみたいで、
帰宅の「足」に影響が出ている人も多いだろう。

歳時記で言うところの「春嵐」にあたる。
暴風雨だが、夏場の台風ほど深刻ではなく、さほど深刻な印象ではない。
「春の風邪」のように、深刻ではなくむしろ、女性の場合はどこか艶っぽい印象である。
すこし気になって、本棚から古歳時記を引っ張り出してひいてみた。
虚子編の「新歳時記増訂版」(三省堂)の春の部分の頁を、捲れど捲れど載っていない。
手元のものは、昭和35年の増訂13版なのだが、
その時点において、この歳時記では「春嵐」は季題として採用されていなかったらしい。
その代わり、「出代」など今や死語となった季語も載っていて、しばし読みふけってしまった。
歳時記を閉じると、もう春嵐はどこかに行ってしまったようで、すとん。
と、部屋に静けさが戻っていた。

【天候】
昼間の内は曇り。
その後雨風ともに強まり、夜半には回復。

1552声 蕎麦俳談

2012年04月02日

句会が終わってから、二次会になった。
参加者は二十人に手の届かぬほどの、手頃な小宴会と言った具合だった。
会場は公園脇の蕎麦屋。

朝からの二日酔いは、乾杯のあいさつになった午後4時頃には、
大方回復しており、美味しく麦酒を飲む事ができた。
せっかくの機会なので各地の人たちと交流しようと思っていたが、
けっきょく、周りには知った顔ばかり集まっていた。
その方が落ち着くのだが、幾人か、話したい俳人の方と軽く話せたのでよかった。
軽く話すくらいが、肝機能が著しく低下している自分にとっては、
良かったのかも知れない。

帰りの電車でも飲んで、最終的に高崎駅に帰ってきてから、とどめに一軒行ってまた飲んだ。
この仲間内で、大きく年齢を離して一番若いのが私だが、私が一番疲弊していた。
さまざまな意味で、おそろしい人たちだと改めて感じた。
総括すると、こんな風に、俳句に没頭できる一日と言うのは素晴らしい日であった。

【天候】
終日、快晴。

1551声 大宮公園

2012年04月01日

最近、大切な場面ではいつも二日酔いであることが多い。
この日曜日も、もれなくそうだった。

高崎駅から早朝の電車に乗り、一路、大宮を目指す。
電車をまっている間、立ち食いうどんを食べたが、
昨晩深夜までの暴飲暴食に付き合った胃が、すでに疲労困憊している様子。
なんとか食べきって、席へ戻ると、さくらさんがもうワインを紙コップに注いでいる。
それを丁重にお断りして、半分白目をむきながら、お茶ばかり飲んでいた。
結局は、皆があまりにも美味しそうに飲んでいたので、「じゃあ一杯」と言うことにした。
しかし、目下、アセトアルデヒド脱水素酵素を必要としている体は、
更なるアルコールを受けつけようとしなかった。

その内に目的地である大宮駅について、弁当を買って、タクシーで大宮公園を目指す。
この間の楽しい行程を細かに描写したいのだが、それよりも、
二日酔いによる倦怠感の方が印象に残っている。
大宮公園でタクシーを降りて、ここからが今日の本番である。
所属している俳句教室の合同吟行句会なので、ここで句を作って句会をする。
公園内には幾つか開花している桜があったので、それで二、三句。
あとはもうおぼろげな思考でなんとか数を合わせて、句会に参加した。

句会での成績は、埼玉、千葉、東京、神奈川の人たちを押さえ、
私を除いた群馬勢の調子が良かった。
ほろ酔いで作る方が良い、と言う事がいよいよ確実になってきたと、
感じざるを得ない結果だった。
大宮公園には開花の前から屋台や花見客が多くおり、活気に満ちあふれていた。
前橋市にある「るなぱーく」のような、レトロな遊園地もあり、
ほのぼのとしたいい公園だと感じた。

【天候】
終日、快晴。

1550声 春嵐

2012年03月31日

今夜はまた、お祝いの席に行く事になっている。
お祝い、などは単なるきっかけとして、
皆があつまる機会ができる事が嬉しい。
いい歳になって来ると、そう言う「機会」がないと、
皆が中々集まりづらいようである。
若い頃のように、「何とは無しに集まって」と言う事が、
どんどん減って来る。

私は掛け値なしに集まると言うのが好きだが、
そうも行かないらしい。
今日は俳句に関する集まりであるが、
皆が皆、俳人と言う訳ではない。
その方がむしろ、気が楽でもある。
俳句の好きな人間が、十数人も集まって飲みながら俳句の話を始めたら。
想像しただけでも、ゾッとする。
はじめの間は麗らかな春の日差し、その内だんだん、春嵐。
大抵は、今日の天気みたいに、そうなるだろう。

【天候】
朝は曇りがちにも穏や、その後、雨風共に強く、春嵐。

1549声 朧月

2012年03月30日

昨日は定例の句会だった。
メンバーのひとりは体調をくずして欠席だったが、
春の風邪と言うのも、なんだかオツな感じがした。

夜なので、春の灯やら春の月あたりを中心に作ろうと思い、
外に出て夜景の見える所まで歩いた。
丘の上からは、榛名山の麓の伊香保の灯が望める。
春の夜風に触れ、濡れた様に瞬いていた。
月は朧の中にあって、光はその中に閉じ込められていた。
形も分からぬほどの朧月は、見ていて飽きなかった。

句会では、自分の朧月の句の一つに人気のものがあった。
並んだ句からは、ほのかに艶っぽく、やわらかな、
春らしい雰囲気が溢れていた。
句会の最中、また終わった後でも皆の笑顔が絶えなかった。
今や遅しとさくらを待つ心が、そうさせているのかもしれない。
そう言えば、お休みした人の俳号も、「さくら」が付いている。

【天候】
終日、穏やかに晴れて、麗らかな一日。

1548声 磯部湯

2012年03月29日

今日、前橋市千代田町にある銭湯が、のれんをおろした。
「磯部湯」と言う、味のある素晴らしい銭湯だった。

前橋市街地の酒場へ出掛ける前などは、
ここでよくひとっ風呂浴びてから出掛けた。
四時頃行くと、常連さんがいて、湯上がり。
テーブルに置いてある飴をなめながら、たまに話した。
話しこんでいると、きまって、女将さんがお茶を入れてくれた。

じっこうの薬湯と、河川の図柄のペンキ絵。
丁度、西日が当たって、光と影が混ざり込んでいる、
あの幽玄な浴室の景色が思い出される。
惜しいと、思う。

【天候】
快晴の一日。

1547声 花を待つ

2012年03月28日

今日、市街地の公園を通ると、何やら屋台が設営されていた。
ここのところ、ニュースでは毎日、西から花の便りは寄せられている。
群馬県でも、いよいよ花見の準備が始まったようである。
橋の下では、数人集まって、花茶屋の普請を急いでいた。
週末辺りには、初花を見つける事ができるだろうか。
それは、俳句を始めてからの事だが。
なぜだか。
なぜだかいつも、さくらの開花を待つ心が、そわそわする。

【天候】
雲多くも終日、快晴。
一時、微弱なるお天気雨。

1546声 花から花へ

2012年03月27日

三寒四温の暖かい方だったらしく、ぽかぽか陽気の一日だった。
桜の蕾も大分膨らんで来た様子。
慌てて、通りかかった梅林で梅の句を作ったりした。

正午の梅林はとても静かだった。
山村暮鳥の「梅」と言う詩が思い出された。
小さな梅林の中へ入り、混雑している枝枝の花と空を、
ぼんやり眺めていた。
梅の花に近づいてみると、蜂が多いことに気が付いた。
花から花へ、羽音も無く渡って行く。
その様を描写して、人に怪しまれる前に梅林から出た。

【天候】
終日、快晴。

1545声 なのはな

2012年03月26日

今日、「あれ」っと気が付いた。
田圃の遥かに、菜の花の一列が揺れていたのである。
思えば、来週あたりが関東の桜の開花時期なので、もう菜の花の時期。
菜の花の鮮やかな黄色と、桜の花の淡いさくら色とのコントラスト。
そんな春ならではの幽玄な景色が、いまから楽しみになって来た。

菜の花で思い出すのは、蕪村。
ではなく、俳句にのめりこんでからもやはり、私にとっては暮鳥である。
純銀もざいくを読んだ時の衝撃は、今尚、深く残っている。

【天候】
終日、快晴。

1544声 春のボート池

2012年03月25日

三月後半としては、寒かった今日。
前橋市の敷島公園で、吟行および句会をして来た。

集合場所のボート池へ着くと、対岸の池の傍でさくらさんが句作していた。
じっと池の面を眺めているので、直ぐに分かった。
「春の水」か「残る鴨」あたりで作っているのだろう。
そう思ったが、池には所狭しとスワンボートが出ていたので、
ぼんやりと楽しげなその春景色を見ていたのかも知れない。

さくらさんから、公園内に散らばっている今日の参加者へ、
吟行しつつ順々に挨拶して行く。
球場の方では野球の試合でも行われているのであろう、
随分と熱の入った応援が、春風に乗って聞こえる。
「春寒し」、といった具合だが日差しには春の暖かさがあった。
ベンチに座って、のんびりと句帖に書き留めて行く。

吟行時間の終わりに、一本散り始めている梅の木があったので、
その白梅の花の下で、一二句作って句帖を閉じた。
句会は近くの喫茶店で行い、「喫茶店」よりは「カフェ」と言った雰囲気だったので、
みな極力小さくなりながらの句会となった。
ボート池の楽しげな様子の句と、広場のシャボン玉の句が人気だった。
日が暮れ始める前に終わり、喫茶店の外へ出ると、風は既に夜の冷気を帯びていた。
肌寒さを感じつつ帰る公園内には、さっきまでの人出が一挙に消えており、
松林には空しく夕日が入り込んでいるばかりだった。

【天候】
終日、快晴。
時折、山から雪雲が流れ込み、日陰ると寒くなってしまうような一日。

1543声 靴を洗う

2012年03月24日

今朝は雨。
私は休日である。

靴を洗おう。
雨だけれどもそう決めた。

日々の生活の中で、中々靴を洗う時間がない。
時間は作ればあるのだが、靴を洗おうとしない。

スニーカーもサンダルも皮靴も、一色単に洗ってしまう。
靴を洗ったので、今日は出掛ける事ができない。

今日は雨なので、それもまたよかろう。

【天候】
午前中雨、その後、徐々に回復。

1542声 雨天悪化

2012年03月23日

今日は雨降りの一日。
雨が降ると、何故だか殊に、花粉症の症状が辛くなる。
それなので、今夜はほとほと、疲労感甚だしい。

雨が降れば、巷の花粉が洗い流され清浄な空気になるので、
一時的に花粉症が楽になりそうなものだと思う。
そうなのかもしれないが、自身の体の方に問題があるらしく、
何とか神経だか、どこかの器官だかの具合がよろしくないのであろう。
内在している花粉が息を吹き返す如くに、そのアレルギー反応が悪化する。
そんな訳なので、金曜の夜も未だ早い時間だが、もう寝ようと思う。

この間、電子辞書を修理に出したら、ほんの少しの修理で、
思いがけず一万二千円もかかってしまった。
それが利いているのかもしれない。

【天候】
終日、雨降りで冬に逆戻り。

1541声 形跡

2012年03月22日

もうすぐ三十路になると言うのに、
このおぼろげな生活はどうしたものかと、悩んでいる。
悩んでいるが、気にはしていない。

先日も、いつものことながら遅刻気味に自宅を飛び出して、
慌ててバスに乗って一息ついた。
先程、乗車口で取った区間券をポケットに入れようとした時に、
「あっ」と、気が付いた。
着ていたジャケットの腹部に、何やら白い石膏のような物が付着している。
付着の具合から見ると、どうやら上から垂れた形跡がある。
爪で一部を削って、凝視し、感触を確かめ、匂いを嗅いでみた。
この、そこはかとなく爽やかな匂いが鍵となって、鑑識の結果が出た。
この物体の正体は、「歯磨き粉」なのである。

揺れる車窓を眺めつつ、おぼろげな記憶を遡ると、
思い当たる節が無いでもない。
数日前、泥酔しつつ朝方帰宅した。
その際に、おそらくこのジャケットを着たまま歯磨きをし、
口からだらだらと泡を垂らしていたのだろう。
多分そうだ、と納得する頃には、バスは終点へと着いて、
その歯磨き粉の服のまま、句会へ参加してしまった。

【天候】
晴れて暖かな一日。

1540声 2012年春分の日の吟行漫筆

2012年03月21日

じゃあ、この場所に一時間後に集合。
そう言う話になって、みな、城址公園の方々へ散らばって行った。
豊かな日差しに、春めいている園内。
春休みの学生たちが、音楽に合わせてダンスを踊っていたり、
乳母車を押してゆく夫婦の足並みは、自然と揃ってゆく。

「さてどこへ」
辺りを見回したが、やはり、直ぐそこのベンチでワインを飲んでいる一団のところへ、
吸い寄せられてしまった。
素竹さんから紙コップになみなみと赤ワインを注いでもらって、
こぼさぬようにお濠の上へ登ってみた。

まだ蕾の膨らんでいぬ桜の下に腰を下ろして、お濠に溜まっている水を眺めていた。
幾時代を経て来たのか、深緑色にくすんだ水は、
そこはかとなくあやしくげな波を立てている。
しかしこれは、まぎれもなく「春の水」。
こんなあやしげな春の水の句もよかろうと思い、ちびりちびりとワインをやりつつ、
囀りの降りしきる中、俳句になるまで眺めていた。

二、三句作ってベンチまで戻ると、またなみなみとワインを注いでくれた。
仄かに赤い顔をしている素竹さんと、周辺に居たさくらさんと一緒に、
城址公園の方へ向かった。
城址公園で作ろうとしたが、その頃には酔いが回って来て、
ろくな句ができぬので、句帖をポケットにしまってぼんやり歩いていた。

【天候】
終日、快晴。

1539声 春分句会

2012年03月20日

少し、ならず酔っ払いつつ書いているので、
簡潔と言う事を念頭に置きつつ、進める。

今日は句会と祝賀会だった。
春めいてきた高崎の城址公園を、ひとしきり吟行した。
桜はまだつぼみも膨らんでいなかったが、
お濠にたゆたう水は、だいぶ温んでいる気配があった。
参加者一同の句を見るに、やはり春の訪れとともに、
心が解けてのびのびと詠んでいるようだった。
自分を含めた酒飲み連中は、紙コップでワインをやりつつ句作。
春よりも、そちらの方が心を解かせたのかもしれない。

その後は、市街で仲間に俳句の賞を頂いた祝賀会を開いて頂いた。
群馬からは、それも同じ俳句の会から三人も入賞者を出したので、
会を開く方はいろいろと大変だったと察する。
有り難い気持ちを噛み締めらなが、帰路に就いた。
帰る頃には、髪をなびかせるほど夜風が強く吹いていたが、
酔い覚ましには丁度良かった。

【天候】
終日、穏やかな春分の日。

1538声 花おそげなる

2012年03月19日

「桜はいつごろかなぁ」
筆を置き、一休みしながら素竹さんと雑談していたら、初花の話になった。
窓の外は雨。
春の雨、と言うにはちと冷たすぎる雨であった。

俳句をやっているもの、のみならず、日本の巷ではそろそろ、
桜の話題が出て来る頃だろう。
店頭に並んでいる旅行雑誌類の表紙では、はや、桜満開である。
しかし、天気予報などを見ていると、今年ほ桜の開花は、例年よりも遅くなるらしい。

桜と言えば勿論、西行法師である。

吉野山桜が枝に雪散りて花おそげなる年にもあるかな

この桜は当然、まだ咲いていない。
開花が遅れたら遅れたで、花を待つ、その心を詠めばよい。
この歌からそう学んだ。

【天候】
終日、風強くもまずまず晴れ。