日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

4749声 CSF動員③

2021年04月09日

豚は身動きの取れないゲージの中で一生を過ごす。速成で太らせるために食っちゃ寝を繰り返し、およそ4ヶ月で出荷できる大きさに成長させられ、出荷される。美味しい肉を安くという人間の欲望は、経済合理主義の行き着いた形として、超過密、超速成の養豚システムを確立した。故に病気が流行ってしまったらあっという間に集団感染してしまうのは自明の理である

4748声 CSF動員②

2021年04月08日

作業は主に3グループに分けられる。豚舎の狭いゲージに入れられた豚を屠殺現場まで追い立てるグループ。実際に電気ショックと注射による投薬で殺処分する獣医師グループ。そして、屠殺された豚に袋をかぶせフォークリフトに乗せるグループ。私は豚舎の豚を屠殺現場まで追い立てる役に。

4747声 CSF動員①

2021年04月07日

前橋市内で発生したCSF(豚コレラ)。昨年の高崎に引き続き殺処分の動員に。今回は前回より多い1万頭とのこと。夕方にバスに乗り込み、現場近くの体育館で防護服に着替える。防護服はインナーとアウターの二枚。それぞれフードがついている。マスク、ゴーグル、長靴、手袋をして、接続部分をガムテープで目張りして支度は完成。肌の露出部分はほとんどない。そんな一団が黙々とバスに詰め込まれ現地まで運ばれる。

4746声 現実逃避

2021年04月06日

倉さんが店長している新しい店が駅構内にできた。厳選された日本酒とシンキチのビアが飲める。久々の倉さんのしめ鯖は絶品。偶然であった炊き火仲間とゆっくり飲んだ。久々に街に出た。明日の気の重たい仕事への束の間の現実逃避。

 

4745声 オートファジー②

2021年04月05日

オートファジーは、自食作用とも呼ばれており、壊れた細胞を掃除してくれ、さらに、その不要なものを材料に新たなタンパク質を作って、細胞がどんどん生まれ変わらせていく。肌つやもよくなるし、体内からアンチエイジングの効果も得られるという。食べない時間を12時間以上確保するだけで、脂肪は燃焼し細胞も若返るとは良いことづくめ。朝という脳のゴールデンタイムに、朝飯の時間を他に振り返られるのも大きい。食べて良い時間は食事制限もないで、好きなだけ飲んで食べられる。糖質オフとか色々やったが、これの方が続けられそうである。いつも若々しい先輩が居たが、確かに朝飯食べない人であった。なるほど。

4734声 オートファジー

2021年04月04日

朝飯を食べないスタイルにしてほぼ2ヶ月になる。要は最後に食事をしてから、次の食までに12~16時間空けることに意義がある。知ってる人も多いと思うが、最後に食べ物を口にしてから10時間が経つと、肝臓に蓄えられた糖がなくなって脂肪が分解されエネルギーとして使われる。さらに、空腹が16時間続くと「オートファジー」と言って、人体の古くなった細胞を、内側から新しく生まれ変わらせる仕組みが発動する。

 

4733声 一歩

2021年04月03日

先ずは自己責任で身を切って行動すること。多少の失敗は勉強代。それが一番早く能力を身につける方法である。人間はしないことの言い訳を考える天才。有無を言わせずまず一歩。一歩でれば二歩三歩と足が自然と出てくる。って一歩踏み出すまで時間がかかったなぁ。

4732声 自立

2021年04月02日

そんなパワハラ無能上司に、1年とはいえよくまぁちゃんと仕えたと思う。自分ぐらいは褒めてやらないと。耐えられたのは、子供が産まれたコトも大きかったかもしれない。ただ、そんなクソ上司と1年仕事をすることが全くマイナスであった訳ではない。今まで割と恵まれていたので、あんまり真剣に考えて来なかったが、組織で働くということは、働く場所も、時間も、付き合う人間も、評価軸も全て自分でコントロールすることができないという現実。嫌なら辞めるしかない。今回、たまたま1年で終わったが、これが3年続いていたら無理だっただろう。そういう意味で、経済的自立を確保しておくことは、自分の尊厳を維持するため、自由な人生を生きるために、最低限必要なことだと痛感している。

4731声 スタート

2021年04月01日

また新たな1年が始まった。組織で働くせいもあるが、4月1日はいくつになっても緊張するし特別な日だ。新しい上司、同僚。昨日まで毎日顔を合わせていた人のとの別れ。

昨年まで仕えた、仕事をしないパワハラ超自己チュー上司からの解放は感慨ひとしおである。いなくなってどれだけ抑圧されていたかが分かる。紙切れ1枚で、どんなに嫌いな人間であっても毎日顔を合わせて、仕事をしなければならないのがサラリーマンの宿命。

4730声 未帰還

2021年03月31日

いつもマメに投稿せずに月の最後にバーッと思ったことを書くことが続いた「めっかった群馬」。今月も最後の10日はやはりそうなったが、今月はわりとマメに書いてみた。今月はまさに「1日1つずつ仕事を終えていく」気持ちだった。それも「そこまで溜めてしまった」僕のだめさの反映だし、そんな状態であっても仕事が続いているのは、周りのみなさんの協力あってのものだと思っている。感謝。

 

僕は今月をサバイブできたのだろうか。まだあちら側から帰って来た気がしない(そういえば、今月一度も酒を飲んでいない)。あと1年は、自虐的なようでもあるこのようなガムシャラな日々が続くと思っている。でもその先は・・

 

昨日、前橋文学館の萩原朔太郎像の前で、子ども2人にカメラを向けるお母さんがいた。朔太郎のポーズをまねて子どもたちが顎に手を添える。撮影の掛け声は

 

「はい、さくたろー」

 

なにそれ可愛すぎ。4月は、桜を見ながらビールを飲むよ。

4729声 てんとう虫

2021年03月30日

時間の経過が早すぎて、まだ春を受け入れる心持がないのだけど、いつのまにか車内に入り込んだてんとう虫をみて、現実を諭された。

4728声 シナリオ集

2021年03月29日

僕が実行委員長をつとめる「伊参スタジオ映画祭」の20周年記念でもある、書籍「伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2003-2019」。つまりは「伊参スタジオ映画祭の過去の大賞受賞シナリオ34作品を1冊にまとめた、映画祭20周年を記念する、2001年宇宙の旅のモノリスみたいな堂々とした存在感があるシナリオ集」がついに完成した。

 

クラウドファンディングでご支援いただいた方にはもうお手元に届いており、4月以降にはamazonや群馬県内の書店でもご購入いただけるようになる。

 

B5版400ページ。いやぁ・・重いわこの本。いや重量だけじゃなくて重い思いが詰まった本となった。シナリオ34作品と各監督からのメッセージ以外にも、シナリオ大賞審査員である篠原哲雄監督、松岡周作プロデューサー、豊島圭介監督、シナリオセンターの坂井昌三さん、脚本家の龍居由佳里さん、そして2年間審査員をつとめていただいた作家の横山秀夫さんの挨拶を掲載。1日1作品ずつ読んでも1ヶ月読めるという、映画関係者・志望者必読の1冊となった。

 

取材をしてくれた方にこの本の魅力などを話つつ、「考えてみれば俺まだじっくりこの本読んでない」と気づく。いかんな。来月は、そういう時間も作っていかねば。この本は過去の集積であり、同時に「未来の映画を作るもの」でもあると思っている。もしどこかで見かけたなら、ぜひ手にとっていただきたい!本気で、よろしく!

4727声 白井屋ホテル

2021年03月28日

できればお客として泊まりたかった白井屋ホテルで仕事(入口で服装チェックがあれば入れもしないけど)。前橋の白井屋ホテルはご存じの方も多いであろう高級ホテル・・というかアートホテルである。建物正面にはローレンス・ ウィナーの(僕からすると)異国感を感じるサインが並び、改装されたホテル内にはレアンドロ・エルリッヒ(金沢の美術館のプールの作品の人)の配管のような発光管が張り巡らされている。

 

今日はその中での朗読劇の撮影だった。脚本は僕が早くも3作目の撮影となる加藤真史さん。物語では医者であった萩原朔太郎の父・密蔵の時代と、コロナ過における現代とが両方描かれている、医療従事者の物語。劇の開催(と同時に前橋のFMでも中継)はコロナ過で働く医療従事者へのエールの意味もあるとのこと。とても面白い劇だったが、場所として環境として、撮影は難しかった・・編集でどこまで芯に迫れるか。

 

白井屋ホテルは著名アーティストの作品の効果・・というよりはそういうものがあるホテル内での従業員さんたちの「ここは上質なホテルである」という気配り・雰囲気により、やはり特別な感じがした。であるがしかし、今の僕のニーズに合うのは、仕事ができてジュース飲み放題&カレー食べ放題の前橋ICそばのまんが喫茶だったりする。・・って、書いててものすごく寂しいぞ。

4726声 Factory Run Project

2021年03月27日

工場作業着を着た女が、前橋の道を走る。走る。走る。僕は道路の反対側でカメラをジンバルに乗せて並走する。マルハン前橋天川大島店を通過、ここは昔、鉄工所だったんだぜ。作業着を着た男が、利根川の河川敷を走る。走る。走る。僕は少し遠いところからカメラでパン撮影をする。一羽の鳥が画面を横切る。あの川の向こうのスーパーマーケットは昔、中島飛行機だったんだぜ。

 

という動画を、チームで制作した。アーツ前橋が行っている「アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業」の一環だった。以前前橋市にも滞在制作した韓国のアーティスト、キム・ジェミニさんの「Factory Run Project」の前橋バージョンの撮影であった。リモートで撮影内容の指示が届く。実際、作品として映像に残るものは、工場作業着を着て走る人と、過去工場(的なもの)があった場所、その2つだけ。

 

一体どんな映像になるのかと、撮影している時は想像できなかったが、結果不思議な中毒性のある動画となった(近日中にアーツ前橋youtubeで公開)。なにより「前橋市街地には昔こんなに工場があったのか/今こんなことになってるのか」という驚きがあった。

 

ジェミニさんはもちろん来日ができず、僕も直接お話したことはない。だから彼がどうしてそのような映像作品を作るに至ったのかも、実は知らない。若干、「考えるな、感じろ」という側面もある気がしている。アーティストって、すごい。

4725声 HOME/TOWN

2021年03月26日

アーツ前橋と並び、「太田市美術館・図書館」でも開館当時から展示記録やイベント記録で関わらせていただいている。現在行われているのは、地元太田市出身の写真家、片山真理さんと吉江淳さん、そして故人である太田市の詩人・清水房之丞氏の3者による開館3周年記念展「HOME/TOWN」。たまらなくエッジの効いた展覧会だ。

 

地元の写真家と詩人か・・と、いわゆる「身近なもので済ませた」展示を想像してしまうのはもったいない。片山さんは海外での展示も多くて全国的に注目を集める写真家だし、吉江さんが映す太田とその近辺で撮影された写真は他に類をみない「言葉で言い表しにくい何か」に満ち満ちている(そのあたりは、今日編集を終え、近日公開となる吉江さん&この展覧会を担当した小金沢智さんの対談動画を見てほしい)そしてなにより、2人の写真の間に、稲や草のように生える(展示されている)房之丞の詩がたまらない。行ってほしいので最後に、僕が大好きなその詩の一節を置いておこう(どこに展示されているかは、ぜひ館内を探検してください)。

 

僕等の元気を発表しようか すばらしい活動だぜ(「村の七月」より)

4724声 OPA

2021年03月25日

大学生はきらきらしている。そのきらきら感は小中学生や高校生のそれとは違う。個人的には、大学生というのは学生と社会人の間、実際将来を見据える時期であり、昔も今もその多くは「きらきらなんかじゃないっつーの、今の社会に希望持てるわけないじゃん」と内心思っているのかもしれないが、僕が撮影した大学生、それは共愛学園前橋国際大学の学生たちではあるが、彼女らは内実ともにきらきらしていた。

 

一昨年くらいから、広告代理店を通じてこの大学のPVやコース動画を担当している。そして今回は「高崎OPAで流すCM」の依頼であった。さて、どうしよう。結果、「学生の主体性を重んじる大学なのだから、学生がiphoneをもって自らを映す」という提案をしてそれが通った。それだけだと似たものもあるので、彼らが発する声についてもひとアイデア。まあそれら自体はたいした撮影法ではないかもしれないが、実際撮影に応じてくれた学生たちのきらきらにより、真っすぐにきらきらしたCMになった気がする。

 

高崎の駅前の一等地で「いつ流れるの」と待ち続ける勇気はないが、一度は現地で見てみたいと思っている。がんばれ、大学生!

4723声 文学館

2021年03月24日

萩原朔太郎はもちろん、詩とは縁遠い人生を送ってきた。が、きっかけというのはいつも突然で、昨年より「前橋文学館」の映像記録を担当することとなった。

 

文学館の展示は、朔太郎を中心とした常設以外に、つねにだいたい2つ、詩や前橋、館長であり朔太郎の孫でもある萩原朔美さん関連の展示が行われている。僕が展示を撮影したものでは、詩人であり作詞も手掛けた佐藤惣之助氏、寺山修司の天井桟敷に在籍しTBSや自主でも映像制作を行う安藤紘平氏、不思議の国のアリスの書籍イラスト等で多くのファンと長いキャリアをもつ田村セツコさん、そして朔太郎の娘であり朔美さんの母でもある小説家の萩原葉子さんがあり、その人らも今までの僕なら接点はなかったと思うが、どの方の展示もとても興味深かった。

 

文学館の展示は、美術館などと違って、いい意味での手作り感がある。それは担当職員の方が対象となる人物を掘り下げつつ、限られた予算の中で外注ではなく主に自分たちで多くの展示物を作ってしまうからだ。であるから映像も、あえて統一感を出さずに各展示ごとに、説明を聞いて僕が見た印象で撮り方・つなげ方を変えている。なかなか大変ではあるが、そうやって「1つの解釈」を提示することは面白い(そしてその解釈は独りよがりじゃくて今のところ好評・・なはず)。

 

この月末に仕上げたものでは「なぜ踊らないの-生誕100年記念 萩原葉子展」の展示が印象深かった。そこには、有名な朔太郎の娘として生まれた葛藤、小説家の歩み、そして40歳を過ぎてから盛んに行ったというダンス等のトピックのほかに、「朔美さん(息子)からの母親への思い」があふれる展示がいくつも飾られていた。それはたんなる「母思い」のいい話ではなくて、あるものはごうごうと音がするような情念のようなものが溢れ出ていた(個人的感想)。

 

それがまるっと映像で残せたとは思えないが、小指の先のつめくらいは残せたかもしれない(のちに文学館youtubeで視聴できるかと)。とかく、仕事によって知った「前橋文学館」は、今は僕のおすすめスポットとなった。今行われているマーサ・ナカムラさんの展示もとても良いよ。

4722声 精密管

2021年03月23日

精密管って知ってますか?僕は知らなかった。映像の仕事の幅も広がってきて、直接僕に依頼がある話ではなくて、広告代理店が行う映像制作を担うこともある。「岡安さん、精密管を作っている会社のPVです!」と言われても、最初理解ができなかった。簡単にいうと、ステンレス等の金属でできた鋼管(くだ)である。精密管というくらいだからその精度はピカイチで、管の中面が鏡のような鏡面仕上げのものもある。その管の中には液体や光ファイバーなどが通り、のどかな高崎市吉井町で作られているその鋼管は、なんと宇宙ロケットや原子力発電所にも使われているのだそうだ。

 

仕事を引き受ける際は「僕にやれるのか」ということは自問する。まあしかし一度行かなければ何もわかるまいと、担当者とともに工場を訪れた。熱処理からの水冷却でもくもくと上がる煙、リズムよく動く機械・・僕の中の「超おちこぼれだったけど一応機械工学科卒」の血が騒ぐ。結果、最近よく組むビデオグラファーの大嶋くんの撮影協力・編集のおかげで映像がやっとこさ完成した(また、今回は英語翻訳の必要があったので、バリバリ英語ができる知人お二人に協力いただいた。最近はこのようにチームで作る仕事の醍醐味もわかってきた)。

 

さて、みなさんはなかなか必要としない業種かもしれないがご紹介しておこう。精密管を買うならここだ!