日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1215声 マイナーコードの日

2011年04月29日

「昭和の日」の本日より、世間はゴールデンウィークに突入。
毎度の事ながら、高速道路や鉄道、航空各線とも、
大渋滞になっている模様。
そのテレビ中継を、日がな一日、部屋で眺めていた。
おそらく、いや、確実に、明日も明後日もその状況なので、
何だか、気が滅入ってくる。

せっかく家にいるのだから、普段出来ない事をやれば、
と思うのだけれど、中々、その意欲が湧かない。
何も意欲がわかない時は、映画を観るのが宜しい。
と言うのは、我人生で、もっとも暇を持て余していた学生時分に学んだ。
「学んだ」
と言うよりは、結果、それが自分にとって一番効率のよい、
暇つぶし方法だった。

さて、映画。
ったって、外へレンタルにも行けない。
別に行ったって良いのだろうが、鼻に固定器具の様なものを、
付けているので、気が進まない。
実は、今日いじっていたら一回取れてしまったので、
もう固定力は低いかも知れぬ。

インターネットで映画が観れるサイト。
ってのを探して、しかも、取り分け無料の作品を観ていた。
マイナーな作品や古い作品が多く、今日は3本観た。
「ナチスが最も恐れた男」
「テキーラ・サンライズ」
「座頭市喧嘩太鼓」
昨日は、「ホームレスが中学生」っても観ている。
どれもこれも、適度に面白い作品揃い。
取り分け、座頭市は見つけものだった。

その合間に、何故かテレビ中継の、
「ウィリアム&キャサリン、英国王室伝統の結婚式」
という番組で、遠く離れた英国が熱狂しているパレードを見ていた。
何だか、節操がないゴールデンウィーク初日であった。
時折、ギターなどを鳴らしても、何故かマイナーコードばかり。
そんな、郷愁の一日。

【天候】
終日、快晴。
風も弱く、穏やかな一日。

1214声 蟄居閉門

2011年04月28日

「こうしてはおれぬ」
などと、嘯いても、部屋の中。
テレビ画面には、御隠居。
つまり、水戸黄門を観ているのである。

病院から出て来たものの、
まだ鼻にガード器具のようなものを付けているので、
外に行かれない。
これがサッカーの試合ならば、フェイスガードを付けて、
出場できるのだろうが、実社会の視線を考えると、および腰になる。

暫くの蟄居、致し方なし。
されば、御上から御沙汰を御待ち申し候。
てぇ具合だが、御上から御沙汰が下るほどの事は、何もしていない。
遡ること、およそ400年前の寛永9(1633)年の、江戸時代。
高崎城で蟄居の身となったのは、徳川忠長である。
翌年には、高崎城で自害してしまった。
享年は29歳。

その御墓は、高崎市街地の大信寺にある。
墓石は五輪塔になっており、
周囲に高層ビルなどが立ち並ぶ景色の中、ひっそりと建っている。
蟄居が解けた後、ちと、散歩に出掛けてみようかしら。

【天候】
終日、晴れて暖か。
午後から強風。

1213声 帰宅してから

2011年04月27日

なんとか病院を退院して、帰宅の途に着いた。
しばらくは、自宅で安静にしてようと思う。
そう思うのだから、状況はまだ芳しくない。
そう思っても、体がそれを許さない。
そう言う日が、早く来ればよいと思う。
そう言う事を、いろいろと、部屋で考えている。

【天候】
終日、晴れて暖か。
午後になり、やや風湯強し。
全国的に夏日。
群馬県でも伊勢崎市などが、25℃以上を観測。

1212声 ハナイタ

2011年04月26日

取り合えず、無事、終わったようである。
現状は、激痛耐えがたし。
と言った具合。

やはり、「鼻は痛い」、と言う事が分かった。
では、ひとまず、これにて。

【天候】
薄曇りの終日。
だと思う。

1211声 ふらふらと、院内

2011年04月25日

前橋駅から歩いて病院へ向かった。
通勤ラッシュの国道50沿線を、
社会からの疎外感を噛み締めつつ、独り歩いて行く。
月曜日なので、その感が尚更、強い。

今日から入院となるが、今日は特にすることもなく、気楽である。
しかし、明日の手術を控えて、経過をみておかねばならぬ、
と言う具合であろう。
至って健康体なだけに、時間をもて余していた。

日がな1日、ふらふらと、院内を歩き回って、随所を観察。
一階には、コンビニ風の売店や、小さなカフェなどあり、
病院特有の陰鬱な閉塞感は薄い。
高層の階から眺めれば、春の光に輝く前橋市街地を一望できる。
窓の景に、松の湯の煙突を見つけ、懐かしい心持ちになった。

売店へ寄ってビールを探したが、当然、無かった。
仮にあっても、病院では到底、呑む気分にもならない。
ここには、今まさに、好まざる病苦と闘っている人達が、沢山いる。
コーラを買って、売店を辞した。

【天候】
朝より曇り。
一時的に強い通り雨のち、すっきりとした、快晴。

1210声 日曜の夜の爆発

2011年04月24日

まさに、今。
第17回統一地方選の後半戦となる、
市町村長選と市町村議選が開票され、
その結果が、テレビ中継されている。
自分が投票した候補者はどうだったかな。
などと、テレビの前で曲がった鼻をほじりながら見ているのだから、
私などは、気楽なものである。

日曜日の午後9時。
と言えば、日曜洋画劇場がある。
選挙速報と、チャンネルをザッピングしながら、観ている。
洋画劇場の作品は、「イレイザー」である。
主演の、アーノルド・シュワルツェネッガーと言えば、
後のカリフォルニア州知事。

映画の中では、サイレックス社ってのが悪役。
これが、合衆国国防省次官と組んで、ロシアのテロリストに、
武器を大量密売を企んでいる。
その計画を知ったサイレックス社社員である、ヒロイン。
ヴァネッサ・ウィリアムズが、その陰謀を阻止するべく、
社から情報を盗み出す。
そして、アクション映画、王道の筋書き通り、悪者に追われる。
そこで、真打ち登場となり、イレイザーことシュワちゃんが登場し、
証人の個人情報を社会上から消す。
しかし、消しきれずに、悪者に終われる羽目になる。
最後には、無事、悪者を倒(消去)して行く。
と言う、あらすじ。

如何にも、この時期のアメリカらしい、直球のアクション映画である。
そのラストシーンでは、悪者が乗った車に電車が衝突し、爆発オチとなる。
兎も角、終始、何かと爆発する。
日本でも、昔のヒーロー物などでは、最終的に、悪者の爆発オチとなるので、
もはや、悪者が爆発するのは、伝統芸能と言える。
しかし、爆発シーンを観ていると、先月の震災の映像が胸中にフィードバックされ、
いささか胸の奥がざわめく思いでもある。

そんな事を考えている間に、地元の市長選挙の開票結果が出ており、
新しい市長が決定していた。

【天候】
終日、やや雲多くも穏やかに晴れた一日。

1209声 結露を拭う

2011年04月23日

高度情報化社会の荒波に、もはや、抗う事が出来なかった。
そして遂に、巷で何かと騒いでいる、「スマートフォン」。
ってな物に、自身の携帯電話の機種を、変更した。

これには、幾つかの伏線がある。
大きな起因は、来週、病院へ行くと言う事。
入院している最中は、Webの環境が無いので、
勿論、この日刊「鶴のひとこえ」も更新できない。
然らば、それを実現し得るスマートフォンを持って行って、
入院中も途切れることなく、日刊の更新を試みよう。
てぇ、心積もりなのである。

それには以前、そう、あの3月11日の地震の日から、
「情報」を得る事の大切さを、つくづく思い知った。
多面的な情報を得た所で、翻弄されるばかりなのだけれど、
それでも、ネットの情報は「近い」ので、随分と重宝した。
例えば、知人たちのSNSやブログを見れば、
災害時での無事を直ぐに確認できるし、連絡も出来る。

「フリック」
と言う呼び名があるらしい。
それは、スマートフォンの画面を指で、
「シュッ、シュッ」と動かして行く、あの動作。
およそ3年位前であろうか、スマートフォンが巷に登場して、
まだ間もない頃。
電車で、スマートフォンの画面を、
指で一心不乱に擦っている、若者がいた。
その光景を眺めていて、
「画面が結露でもしているかしら」
などと、思っていた。
タッチパネルと言うのは分かるが、
液晶ディスプレイがスライドして行くとは、思ってもみなかった。

その日から3年を経て、私にも結露を拭う。
いや、フリックとやらをする日々が、訪れたのである。
公衆の面前では、いささか、まだ恥ずかしい心持である。
私などは、デジタル機器に疎く、視力も良い方ではないので、
猫背で電話を擦っている姿など、見せられたものでないだろう。
先程からいじっているのだが、操作方法が一向に掴めぬ。
「あっ、壊れた」
と思ったら、バッテリーが切れただけだったり。
兎も角、肝心の電話がかかるのかが、心配である。

【天候】
朝より、小雨。
午前中に雨は上がり、午後には一時、雲間から陽射しも注いだ。
夜半は風が強く、荒れ模様。

1208声 心をかき混ぜる

2011年04月22日

鼻の骨が折れて以来。
なので、およそ一週間ほど、酒を抜いている。
と言っても、毎晩、酌をする習慣も無いので、
殊更、酒を渇望する心持にもならない。
しかし、鼻の具合も少し良くなり出し、気候も暖かな、本日。
「ちょいと、麦酒の一杯くらい」
と言う欲求が、初めて湧いてきた。

その欲求に従う事なく、コーラでごまかして、おとなしくしている。
そこで、そろそろ、新しい空気を入れないと、とも思っている。
糠床と同じ様に、時にはかき回して、糠床内にある、
下部の糠と上部の糠を入れ替えてあげる。
と言うのは、私たち人間の心にも必要。
だと、生活の中、あらゆる場面で感じている。
特に、創造的な作業をする局面では、重要だろう。

十分に菌を培養している糠を、上へ出して空気に触れさせる。
或いは、下にもって行って、空気を遮断する。
これを怠らなければ、糠床の菌の状態はより良く保たれ、
美味しい糠漬けが出来るのである。
つまり、酸素を嫌がる菌と、酸素を必要とする菌の、均衡を保つ。
それは、人の心も同じで、常に「菌」の状態を正常に保っておかないと、
様々な弊害が生じる。
平たく言えば、腐ってしまう。

腐った心からは、黴の生えた物しか生まれない。
だから、私の書く文章に、黴が生えない為にも、
麦酒を飲んで、心をかき混ぜる必要がある。
などと、強引にこじづけて、早い話、麦酒が飲みたいだけなのである。
だけど、心の「かき混ぜ」ってのは、大切だろうね。
特に、私みたいな腐りかけの人間には。

【天候】
終日、曇り一時小雨。
午後から下り坂だが、ごく弱い雨。

1207声 大切な感覚

2011年04月21日

徐々に顕著になってくる、鼻骨の回復の兆しに比例して、
これから何らかの医療的処置が為されると言うのが、
日を追う毎に嫌になって来た。
しかし、我が生活状況に於いて、
全ての予定が組まれつつあるので、
今更、「病院なんか行かないもん」などと、のたまう訳にいかない。

世の中は三日見ぬ間に桜かな (蓼太)

まさにそんな調子で満開を迎えた桜も、街場ではもう散っている。
ぐんぐん季節が移ろって行く。
朝夕に見掛ける近所の子供たちも、新学期になってから早くも、
新しい友達が出来たのであろう。
春の夕焼けの中を、4、5人、ランドセルを揺らして、
飛び跳ねながら帰ってくる光景に、出遭った。

今日聞いていたラジオの投稿に、こんなのがあった。
先ごろ開かれた、新入社員歓迎会の酒席において、
マグロの刺身にマヨネーズをかけて食べた新入社員が、
その場で上司にお叱りを受けた。
と言うもの。
そして、「これってアリですか、ナシですか」と言う、
リスナーからの問い、であった。

他のリスナーからの意見を総合すれば、特に若い世代で「アリ」。
と言うのが、圧倒的。
生まれた時から、コンビニの「ツナマヨ」やら「シーチキンマヨネーズ」ってな、
おにぎりを食べて来た世代にとっては、何ら違和感のない事。
しかし、団塊以上から団塊ジュニア世代くらいにとっては、
「ナシ」とする主張が多い。
二つの意見を合わせて、ぎりぎりで、「アリ」なのでは、と言う落とし所。

私は、特にマヨネーズが好きと言う事もないが、大いに「アリ」だと思う。
食文化の見地からは、どう映るか分からないが、こう言うケースからこそ、
新しい文化の枝葉が生れるのではないか、と思う。
世の中は三日見ぬ間に、マグロのブツを注文したら、
マヨネーズが付いてくるようになっているかも知れない。
この、上司から怒られてしまった新入社員はむしろ、
その食習慣に象徴される新鮮な感覚こそ、大切にすべきである。
などと、曖昧な世代にある、鼻の曲がった男が、考えている。

【天候】
朝から曇り、のち晴れ。
雲多くも、風少なく穏やかな一日。

1206声 鶴のひとこえ1200声記念企画 ~クレインダンス対談2~ 第4回(全4回)

2011年04月20日

■クレインダンス対談 第4回

対談:堀澤宏之×抜井諒一

場所:中央前橋駅付近のスナック

演目:「ハツラツと生きる」

ママ:やっとねえ。今週ぐらいからですよ、この店、毎日開けてるのは。
娘の孫が生まれた後、二か月ぐらい休んでたんですよ。だから何かの縁ですね。
抜:そうですか。初孫ですね、おめでとうございます。生まれて来る、命かぁ。
堀:こういう店が、街中に残ってほしいんですよ。
今から作ろうと思っても、作れないですらねぇ、もう。
ママ:まだこう言う店も、あるんですよねぇ。今日は、よく来てくれましたねぇ。
堀:今はねぇ、二人でどうやって生きていこうか。
って話し合ってたんですよ。
抜:(苦笑)
堀:こう言う路地に、もっと若い人が入ってくれたら良いんですけどね。
抜:「活気」ですよねぇ。
ママ:主人とはねぇ、24歳離れてたんですよ。

~ここから、ママの人生行路についての独演会が始まる~

堀:いや、まさか大正時代の話が聞けると思わなかったねぇ。
しかし、やんちゃだったんだ、ママは。
抜:そうですぇ。昔からのお客さん、いまでも、よく来ますか。
ママ:古い人はお亡くなりになったりとか、いろいろですね。
昔はねぇ、すごかったですよ、お客さんが、団体で来たりしてねぇ。
どうですか、30代だったら、これからですよ。
堀:そうですかねぇ。ハツラツと生きてますか、娘さんのご主人なんかは。
ママ:どーうですかねぇ。ともかく、忙しいみたいですけどねぇ、毎日。
堀:働いてるんだ。俺たちに共通するのは、働くのが嫌いって事だからなぁ。
抜:(苦笑)
ママ:30代は、一番良い時だから、がんばってください。
堀:がんばれ、俺より青年なんだから。
抜:(再び苦笑)
堀:落ち着くなぁ、千代田あたりよりも。
抜:前橋市街でも、城東方面ってのは、面白いですよね。
今度は重兵衛湯でひとっ風呂浴びて、ここへ来ましょう、また。
ママ:えぇ、是非、出掛けて下さい。
堀:じゃあ。行ってみよう。
抜:また、来ます。ところで、ほりさーさん。
最終的に対談の形式を忘れてましたね。
堀:良いんじゃない、そう言うのも。
抜:まっ、いっか、こう言うのも。

【天候】
終日、穏やかな快晴。

1205声 鶴のひとこえ1200声記念企画 ~クレインダンス対談2~ 第3回(全4回)

2011年04月19日

■クレインダンス対談 第3回

対談:堀澤宏之×抜井諒一

場所:中央前橋駅付近のスナック

演目:「路地の袋小路の店」

ママ:日本酒は八海山、あとビールに焼酎ですね。
堀:じゃあ、焼酎を下さい。
ママ:うちは初めてですか。
堀:はい。夕方にここら辺を歩いてまして、こういう路地がまだあるんだな、
と目を付けてました。
ママ:今は2軒だけになりました、ここも。店はもう43年になりますねぇ。
抜:43年ってぇと、1970年代から。
ママ:そうです。私は新潟ですから。
新潟から出てきて、素人からこの店をずっとやってますね。
堀:じゃあ、この内装とか、建物とかは古いわけなんですね。
ママ:そうですね。ここら辺りの店は、もう何代も変わってますけど、
この店は私からずっと変わってない。だから古いですよ、もう。
堀・抜:(感心しながら内装をじっくりと眺める)
ママ:はい、これ、お通し。
抜:これはなんですか。
ママ:摘み菜です。
抜:菜の花ですか、旬ですね。
ママ:昔はねぇ、こうやってカウンター越しのお客さんに、
説教したり、いろいろ講釈したりしたもんですよ。
私は、うるさい方でしたから。
今はねぇ、若い人はこないですね、滅多に。
抜:そうですか。珍しのか、僕らみたいなのは。
ママ:でもねぇ、社会の勉強は、こういう所でするんですよねぇ。
いろいろな人が来て、話してねぇ。

「ピピピピ」、突如、ママの携帯電話が鳴る。

ママ:娘からだ。はい。あれは大丈夫だった。
そうかい、今ね、青年が来てるんだよ、店に。
そうだよ、はい、はい、じゃあねぇ、はい。
(ママには最近、初孫が生まれたらしい)
いや、すみませんでしたねぇ、こんな袋小路みたいな店に来てもらって。
堀:「袋小路」、良い言葉ですぇ。
ママ:今は前橋にこう言う路地が無くなりましたからねぇ。
「呑龍マーケット」くらいじゃないですか、もう。
抜:そうですぇ。でも、呑龍に匹敵しますよ、ここは。そして、この店は。

【天候】
終日、雨。
午後には嵐に如く、風雨強まる。
夜半ごろに上がる。

1204声 1200声記念企画のお中入り

2011年04月18日

鶴のひとこえ記念企画も、前半が終わって、
これから後半に差し掛かろうかと、言うところ。
今日は、ここらでひとつ、お中入り。
洒落た言い方で、ハーフタイムってな具合。

さて先日、夜道を自転車で走行中、電柱に激突してしまった、私。
顔面を強打した結果、鼻の骨を折るってな、お粗末。
そして今日、前橋の大きな病院へ行って、
何やら、いろいろと精密な検査を受診。
その結果を、端的に言えば、「鼻曲がり」ってな状態。

この鼻曲がりを直す為には、一応、入院を必要とする処置が必要らしい。
外来でそれを聞いて、一瞬。
「鼻曲がりでもいいかな、根性も曲がってるし」
などと思ったのだが、しかし。
「鼻も曲がって、根性も曲がってたんじゃなぁ」
とも思い直し、あれよあれよと言う間に、
その処置を受ける運びになってしまった。

いっその事、明日にでも受けたいところだが、
病院はどこも盛況な様で、来週でないと空かないとの由。
この待っている期間と言うのが何とも否で、
一気に自分が、病人然となった気分である。
入院っても、月曜日に行って水曜日に帰って来るぐらいのものだが、
小旅行とはちと具合が違うので、楽しみではない。
因果応報。
自業自得。
病床俳句、でも作ろうか知ら。

【天候】
朝より薄曇り。
終日、降りそうで降らぬくらいの曇天。

1203声 鶴のひとこえ1200声記念企画 ~クレインダンス対談2~ 第2回(全4回)

2011年04月17日

■クレインダンス対談 第2回

対談:堀澤宏之×抜井諒一

場所:中央前橋駅前の小料理店

演目:「ワルノリ俳句ing」

堀:俺たちがやってる事自体が、それこそ、ある種の「俳句」なんじゃないかな。
抜:そうですね、僕はもし「ワルノリ俳句ing」が無かったら、
今のように心血を注いで俳句はやっていないでしょうね。
やっていたとしても、だいぶその時期が遅くなっていたと思います。
そもそも、何で「俳句」に目を付けたんですか。
堀:いや、ただ街歩きがしたかったんだよ。
でも、街を歩いて酒を飲んで帰って来たんじゃあ、ってことで、五七五。
抜:強引でしたね、随分と。でも、僕らの言う「街歩き」って、
なんだか、一風変わってますよね。
堀:そうだよね、「路地」とか「銭湯」とか。
抜:思うんですけど、現代社会で「路地」とか「銭湯」とか気になっている人間は、
「さびしい」からなんですよ。
それは、俳句とか、他の文芸も共通すると思います。
堀:「街づくり」ってのも、根本は同じ気がするな。
抜:「さびしさ」ってのが、大きな主題にあると思いますね、すくなくとも、僕は。
堀:この前、中之条の知り合いの家でお茶飲んでたら、言うんだよ。
「田舎は人づきあいが大変だ」って、その人も町に来た時は、
公民館で、靴の脱ぎ場所が困ったくらいだった、って。
だから、都会の方が案外やさしいかもな、「ほっといてくれるから」だって。
抜:だけど、都会はさびしい。と、そう言う視点のさびしさですね。
堀:そう。それを感じたヤツがその、「何か」始めるんじゃないかな、
「繋がりたい」と思って。
抜:そうかも知れませんね。初めは、繋がり方の模索ってとこですかね。
堀:俺は人と会った時に共感できるのは、「独り」の人。
抜:はぁ。
堀:「あっ、この人って独りなんだ」と思った時に、共感するんだよなぁ。
抜:幸せな家庭、幸せな家族に囲まれているけど独り、って人。
そう言われてみれば、僕等の周辺にも、沢山いますね。
堀:だから、共感するんだよな。それがないと、共感までいかない。
抜:男でも女でも、ですか。
堀:男で女でも。

ここから堀澤氏が、思いだしたように、
孤独な知り合いに、電話をかけ始める。

【天候】
終日、穏やかな快晴。

1202声 鶴のひとこえ1200声記念企画 ~クレインダンス対談2~ 第1回(全4回)

2011年04月16日

■クレインダンス対談 第1回

対談:堀澤宏之×抜井諒一

場所:中央前橋駅前の小料理店

演目:「料理」

堀澤:この前、内田さんってシェフのさ、料理を食べに行ったんだよ。
抜井:へぇ。
堀:それが凄かったんだよ、抜井も居れば良かったんだけど。
抜:何がそこまで凄かったんですか。
堀:基本的にさ、料理って美味い物を食べに行くじゃん。
抜:はい、基本は、そうですね。
堀:それがさ、美味くないわけ。
つまりさ、映画でもなんでも、基本は、感動的だったり、面白いようにするけど。
それをあえて、つまらなく、してる。って言う料理。
抜:「あえて」なんですね。
堀:そう。それを10品くらいのコースでやる。
そして、後半にシェフが来るんだよ、「どうですか」って。
抜:「どうですか、美味しくないでしょ」って、ですか。
堀:そう。「美味しくないように作ってるんです」って。
「今の料理の足りない味を、次の料理で表現してます」って言うわけ。
抜:はぁ~。
堀:で、最後にさ、「僕の料理は自分から求めていかないと分からない料理です」
と言うような事を言うんだよ、これは俺も良く言うんだけど。
で、最後のデザートで帳尻が合うってことを、事細かく説明する。
抜:お客さんは、静かにそれを聞いているんですか。
堀:いやむしろ、あっけに取られる。だけど、それを超えた時に満足するんだよな。
俺はいままで、そこを超える前に引いてたね。
だけど、言葉にしなくちゃ駄目だと思った。
抜:誰もが、つまり「大衆」が食べても分からない味って事ですよね、それは。
堀:そうなんだけど、感動したね、話に。
抜:話に、ですか。
堀:だってもう、独演会でしょ、あれは。

お互いに爆笑

【天候】
終日、快晴。
午後より、強風、いやこれはもう、狂風。

1201声 はなおれ

2011年04月15日

日刊「鶴のひとこえ」第1200声記念企画。
と銘打ちたいところだが、今回も常の書き出し。
と言うのも、昨夜。

ドバドバと、大量の鮮血が鼻から出ていた。
それをハンカチで拭きつつ、「取り合えず家へ帰らねば」。
と言う一念で、真っ暗闇の路をふらふらと帰って来た。

一夜明け。
これが夢ならば、と言う淡い期待は、
鏡の前で、完全に打ち砕かれた。
なんだか、アンパンマンを彷彿とさせる顔面の状態。
血だらけの顔を洗い流し、鼻をかんだ。
赤く染まったティッシュを見て、悔恨、寂寥、苦痛、恐怖。
さまざまな感情と感覚が、混ぜこぜに押し寄せて来た。

今日の日中、病院へ行った。
祖母が入院している病院。
この間までは見舞客として来ていたのに、
今度は、患者として来る事になるとは。
皮肉な巡り合わせである。

「どうされました」
と聞かれ、
「電柱に激突しました」
と正直に答えた。
一連の診察の結果。
鼻の骨が折れていた。
レントゲン写真を見るに、ポキンと折れている箇所が、
鼻頭頂部にある。
来週、ここよりも大きな病院へ行く指示を受け、
忙しく診療は終わった。
傷だらけの顔をマスクで隠しつつ、忙しい午後の病院を出た。
しっかし、ひでぇ顔だな、こりゃ。

【天候】
終日、快晴。

1200声 収録日

2011年04月15日

第1200声、である。
などと、常の書き出しだが、通常ならば、
100声毎の記念企画を催している。
先の大震災の状況を鑑み、記念企画は自粛。
する筈もなく、実は、今晩これから、記念企画を収録しに行って来る。

収録。
と言う事は、いつものように、「対談」形式の内容を、
目論んでいるのである。
対談場所は、前橋市街地の路地裏の何処。
私もまだよく知らない。
と言うか、集合してから決めようと言う、肩の力の抜け具合。

「クレインダンス対談」
と言う事で、堀澤氏と私。
なのだが、二人だけで対談を終えた事が、未だかつて一度もない。
対談の日に、偶然道端で知り合いに会ったり、知り合いが来たり。
つまり、誰かしらが加わる。
正確に言えば、誰かしらを引き寄せのが、通例となっている。

さて、今宵は誰か引き寄せられるのか。
それとも、初の二人対談となるのか。
もう出かけよう。
今の時点で、大幅に集合時間が過ぎているのだから。

【天候】
終日、快晴。
穏やかに晴れて、暖か。
市街地の至る所で、花吹雪。

1199声 常夜燈と桜

2011年04月13日

「百花繚乱」
里山の今時期は、まさにそんな春の景色が広がっている。
桜も見頃を迎えているが、今年は、
ライトアップを自粛している名所が多い。
然るに、夜桜見物は困難。

しかしよく考えて見れば、それが本来の姿。
朧な月明かりの下で眺める桜の景色こそ、
日本人が、古来から愛でて来た景色と言えよう。

昨今の状況を鑑み、どうであろうか。
街燈を出来るだけ消して、街道筋に残っている、
常夜燈に火を入れる。
てぇのは。

随分と、節電になる。
節電になって、江戸の風情も出る。
夜間の管理が大変だろうが、想像しただけで、面白い。

常夜燈の明かりで観る、桜。
その、闇を溶かして映し出される景色こそが、
純然たる、風流。
その景色を目の前に、現代人である私たちはおそらく、
ポケットからガサゴソと、携帯電話やデジカメを取り出しすのだろう。
そして、徐に、カシャリ。

【天候】
終日、快晴。
所謂、ぽかぽか陽気が続く。

1198声 原風景のスライドショー

2011年04月12日

昨晩の深酒の影響が、色濃く出ている。
私のこの、深刻な花粉症の諸症状に、である。
おそらく、免疫力が著しく低下してしまったのであろう。

この、花粉に侵された頭に、思い浮かべている、
おぼろげな映像がある。
それは、風呂。
平日午後で誰もいない、銭湯の浴室。
貸切状態の浴槽に独り浸かって、寛いでいる。
湯気の中、窓から斜めに射しこんでいる、夕日の束。
その日その場所に、確かに私は居たのである。
これは、自分の中の、原風景の一枚なのであろう。

裏の田圃に現れた、一面の菜の花畑。
榛名山の後から豊かに湧き上がる、雲の峰。
風の強い日、なだらかな稜線が澄んでいる赤城山。
全て、郷愁を誘う私の原風景であり、
時折、スライドショーで脳裏に映し出される映像である。

昨晩、福島県南相馬市で被災されたおばあちゃんと、
会話する機会を得た。
福島県から遠く離れた群馬県で、夜を過ごしつつ、
郷里の話を聞かせてくれた。
その時、おばあちゃんの脳裏にも、
郷里の原風景がスライドショーで、映し出されていたのだろう。
おばあちゃんの柔和だがどこか悲しげな瞳の表情から、
そんな印象を受けた。

一日も早く、スライドショーの映像ではなく、
その風景をその目で見られる日が来ればよい、と思った。
話の折。
「おばあちゃんの家は、そこから何キロくらいなの」
と、質問すると。
「そうさなぁ、大体、二里くらいだ」
と言う、回答。
「二里」を、「およそ8km」と計算できるまで、少し時間が掛かった。
長さの単位を、「里」で答える。
そこに、おばあちゃんの人柄の、はたまた南相馬市の、素朴さを見た。
素朴な事ってのは、美しい。

【天候】
終日、快晴の一日。
午後より風強く、花粉の飛散量も多し。
依然として断続的な、余震。