日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

4678声 リモート取材

2021年02月06日

朝に、俳句関連でリモートで取材をひとつ受けた。相手も家、こちらも家というのは、気持ちが外へ向かわずに何だかやりずらかった。日中は仕事で都心あたりを移動していた。列車の混雑具合はまずまずで座れるか座れない程度といったところ。ただし土曜日の昼間というのに、街中には本当に人がいなかった。用事を済ませて帰宅し、慌てて投句やら選句やら。こんな時だからこそと言うわけではないが、ともかく、真っ直ぐに向き合ってみようと思う。

4677声 繋がる

2021年02月05日

引き続き、晴れ。この頃、音声SNSアプリ「クラブハウス」の話題を聞くようになった。私自身はSNSなどとは距離を置いているが、やはり知識としてしっておかないと都合が悪い部分もあるので、いちおう頭には入れておくようにしている。SNSをやっている人は口をそろえて、「繋がる」という。誰と誰が、とか、自分と世界が、とか。そんな中、ごくたまにであるが、スマホも携帯電話も持たない主義、という人と出会うことがある。そういう人と一緒にいるときは何だか安心する。話していて、チラチラとスマホを見ることもないし、乗り換えアプリなどで最短時間を計算して行動することもない。そういう人と電話をするときは、自宅の固定電話にかける。だいたい奥さんなどが出てから保留になって、その人に代わる。このなつかしい「間」がたまらない。こっちのほうが「繋がっている」ではないか。実際、電話線で繋がっているし。

4676声 心地よいか

2021年02月04日

引き続き穏やかな日和。いろいろと締め切りが迫っているので、気が休まらない。今朝、庭に地植えしてある福寿草をのぞくと、開きかけた花びらの色が薄くなっていた。福寿草といえば、凛凛とした黄色が魅力だが、ずいぶんとぼんやりとした黄色になってしまった。近頃は霜がびっしり降りているので、その影響かわからぬが、すこし心配。先日はじめてZoomでリモート句会をした。労多くして功少なしという印象が強い。感染症対策でそれはそれでよいのだが、やはり現地まで歩いたり何なり、すこし体を動かしたほうが単純に心地よい。

4675声 初午

2021年02月03日

今日は穏やかな日和になり、立春らしい立春の日であった。仕事の関係で初午(はつうま)の参拝に行ってきた。初午とは、2月最初の「午(うま)の日」に、稲荷神のお祭りが行われる日である。 近所の稲荷神社で祝詞を聞いているとき、何気なしに本殿にかけてある立派な扁額を眺めていた。金箔の文字の神社の名が、貫禄ある筆さばきでしたためてある。その神社名の横には「侍従長 鈴木貫太郎」と署名があった。

4674声 夜八時

2021年02月02日

朝は強く降っていたが昼前に上がり、午後はすっきりとした青空であった。しろじろとした空の色に、しみじみと二月が来ているな、と感じた。緊急事態宣言下で、夜八時以降は街の灯が殊に少ない。焼き鳥屋や居酒屋などの店頭には、寒風の中テイクアウト用の惣菜がまばらに並んでいる。それをもとめるサラリーマンもちらほらいて、すでに片方の手にさげているコンビニにのビニール袋には、缶麦酒が透けていた。緊急事態宣言もさしあたり来月7日まで延長との由、街中はなんだか疲労の色が濃い。そんな中、きびきびと走っているのは、Uber Eatsのバックを背負った自転車だけである。短いはずの二月が、今年は長くなりそうである。

4673声 見えるもの

2021年02月01日

今日からは(ぬ)です。先月は毎日、堀澤さんのひとこえを読んでいて、こちらまで目が回るようなフットワークに関心していた。恵比寿で寿司を食っていたかと思えば、高崎のタリーズでモーニングコーヒーを飲んでいたり、空っ風のように猛烈な勢いで移動している。その文章の中の穴子の艶だとかコーヒーの香りがこちらにまで再現されて、読んでいてなんだか腹の減る思いがした。移動といえば、こちらは年末年始はほぼ自粛というような具合になり、毎年参加を欠かさなかった俳句ingにも欠席するような事態であった。そんな折、年末に高崎へ日帰りだが、行ってきた。高島屋で素竹さんの個展がやっていたからである。今年は「点と線」の書をメインに、鉛筆画の椿が展示されていた。点と線は文字とは違って、意味など考える必要がないので、作品からの印象もなんだか面白いものがあった。意味を失った変わりに墨の動きは、生き生きとしていた。そして、コロナによる自粛期間中に椿の画を描いていたとのことで、こんな状況だからこそ見えるものを自分は忘れていたと、反省した。コロナは見えないが、見ていないだけで、自分のやるべきことは見えているのかもしれない。

4672声 こんな感じ

2021年01月31日

朝から、昨日樽詰めが終わったタンクを洗う。カルダモンの香りがすごい。明日仕込みをしたいが、ビールの消費が少ないので冷蔵庫がいっぱいである。空き樽もない。どうするか。ザブンへ行き、魚の確認。米を研ぐ。今日はテイクアウトの予約がいくつかあり、店内営業をするには魚が少ない。テイクアウト営業だけにしてもいいかもしれないが、白子、うに、きんきなど、高価な食材ばかりが残る。1月は、こんな毎日である。現場対応に追われた。状況は急に変わる。休まないことを前提に対応してきた。少しは手応えも出てきている。所詮人生は、きっとこんな風な感じで終わるんだろうなぁと思いながら、1月が終わる。

4671声 仕事があるってありがたい

2021年01月30日

市場へ。相変わらず人が少ない。人が少ないのはお客が少ないのであって、魚屋には従業員が、いつものように何人もいる。従業員はやることがないので、買った魚の水洗いなどしてくれたりする。こちらとしては助かる。コロナ状況になって、仕事があるありがたさを身に沁みて感じた。仕事があるってほんとありがたいんだよな。もちろん、仕事があるありがたさの前には、仕事ができるありがたさがあって、仕事ができるのに仕事がないというのは、とてもつらいことだというのがわかった。肉体と精神のバランスが取れなくなる。取れているようでいても、どこかにそのひずみが出る。そんな時代もあったな。うに、白子、鯖、鰯、ほっき貝、赤貝、きんきを購入。きんきは買うつもりがなかったが、魚屋の気迫に押されて、箱ごと買ってしまった。いいきんきだ。

4670声 改めてコロナ渦

2021年01月29日

今日は7名。すべて一人で来店のお客さんだった。30才代〜50才代くらいだろうか。男女半々くらい。すべて一人というのはあまり記憶にない。そもそもザブンは、ふらっと一人で気軽に一杯飲める店が高崎にないと思って始めた店。思いがけずそんな現状になって、コロナも悪くない、と思った。そういえば、少し前に抜井から指摘された。「コロナ禍」という言い方は、「コロナ禍」が正しいらしい。私は「コロナ渦」だとばかり思っていて、そう書いてしまった。違いはなにか調べたら、「渦」は文字通りうず、最中という意味しかなくて、「禍」には災い、よからぬこと、という意味があるらしい。初めて知った。それで、せっかく教えてくれた抜井には申し訳なかったが、改めてコロナ「か」を考えて、「あ、渦でしかない」と思った。そういえばこのコロナの状況を、災いだと感じていない私がいる。自分のことだけを言えば、実は、この人と人との距離、静かさに心地よさすら感じている。不幸になる人が多いならば早く元に戻ってほしい、と願う反面、せわしなく騒がしい世の中は果たして幸せか、ということも、考えるきっかけではないか、とか。経済原理が簡単に勝つのだろうけれど。経済原理のはしたなさ、とか。自分の店で、複数のお客さんが、密を裂けて静かに飲むということが実現してしまった。

4669声 翻弄されやすさ

2021年01月28日

4時前に目が覚めて眠れず。6時まで持て余して過ごす。市場へ。金目鯛、小肌、鯵、鰯、鯖、鰹、墨烏賊、ほっき貝、白みる貝、穴子を買った。寿司屋の4日間が始まる。昨夜ザブンの電話が鳴って、テイクアウトの予約があった。遠くから買いに来てくれる方である。ありがたい。今日仕事があるとわかることが、1日に張りを生む。飲食店の基盤は脆い。3週間前に46,000人だった感染者数は55,000人に増えた。先週には75,000人位にまでなったから、むしろ、減った、という印象である。ほんの数日未知のウイルスの、けれどももうワクチンはできているというウイルスの感染者数の推移で、人の動きががらっと変わる。そもそも人間というものの基盤自体が脆いのかと考え直す。

4668声 ずっと飲んでいる

2021年01月27日

21時半になった。15時からずっと飲んでいる。6時間も飲んでいる。どうにかしたい。共栄堂のワインを飲んでいる。ずっと飲める。

 

あぁ酔えたなと思って、やっと、もういいかなと思える。それでやっと、明日へ向かえる。

4667声 なんか寂しい

2021年01月26日

起きてケグを洗って瓶ビールの整理をする。昨日仕込んだビールは発酵が始まったようだ。ジョギングをして方方振り込みをして、ザブンへ。給与計算と、魚の整理、包丁を研ぐ。ここまでが午前中。雑務が多い。昼過ぎから都内へ。人恋しくて人に会いに。同世代は身体の変化が色々起こりやすい。寿司屋で小声で話しながら、それでも酒はおいしくて、一通り心配し合って、帰ってきた。感覚を共有できることがありがたい。あー、なんか寂しい。最近太ってきたからか。

4666声 新たな取り組み

2021年01月25日

今日は水を変えて仕込みをした。朝起きられず、予定の2時間遅れでスタート。ビールも日本酒も、どこまでも水の飲み物。作るのに大量の水を使う。他の原料でそこそこのごまかしはできるが、主原料である水のごまかしはできない。それに気づいたのは、酒蔵の呑み切り会に参加するようになってから。呑み切り会に行くと、必ずその蔵の仕込み水がチェイサーで準備されている。水は酒蔵ごとに特徴があって、水を飲めばその向こうに、その蔵の酒の味が結びつく。やっぱり水なんだなと思う。今年はいろんなところの水でビールを仕込んでみようと思う。今回は、藤岡下日野の弘法の井戸の水で仕込む。先々週220㍑汲んできた。うちの設備では210㍑でちょうどいいようである。この水は丸く柔らかく、透明感がある。だいたいうまくいった。まずは、しっかり発酵が始まるか。

4665声 テイクアウト

2021年01月24日

テイクアウトの予約が入り、店内営業はなし。SNSを地道に続けた成果が少し出た。13人前104貫を時間差で握る。一人でやるにはこのくらいがちょうどいい。それでも12時半から準備を始めて18時半まで、のんびりしている時間はない。握るのは要領を得てきた。ネタの準備がもう少し手際良くなれば、もっと短い時間でこなせる。仕事が終わってガストでビールを飲みたかったが、間に合わなかった。19時のアルコールラストオーダーは早い。

4664声 よく寝た

2021年01月23日

市場へ。細かいものを色々買った。小肌、鰯、鱚、鯖、鯛、穴子、ほっき貝、あと鮪。そのまま食べるのはほっき貝のみ。あとは全部締めたり漬けたりする。数があるのでいったん帰ることにした。微妙に疲れている。帰って寝て、気がつけば昼まで寝てしまう。空腹だからか、ぐっすり眠れた。魚を捌きながら営業開始。誰も来ない。テイクアウトの電話が2本鳴って、それを仕上げる。やることはたくさんあったので、仕事をした気分ではある。それにしても誰も来ない。昼から天気は久しぶりの雨。雨はいつ以来だろうか。

4663声 コーヒーを飲み過ぎた

2021年01月22日

朝タンクを洗って税務署が開くのを待つ間、ロイヤルホストでモーニング。9時からばっちゃんと瓶詰め。順調に進んだため、10時に終わってしまう。駅ビルへ行き、タリーズでコーヒーを飲みながら、方方連絡をする。朝一番のタリーズのコーヒーは、いつもおいしい。おいしいので、いつもはしないおかわりをしてしまった。ちょっと朝からコーヒーを飲み過ぎである。案の定、頭が痛くなった。コーヒーで頭が痛くなると、その後が長い。頭と身体が一体化せずそれぞれ別に逆方向へ向かう感じで、どうにもしようがない。結局夜まで不調のまま、飲酒。酒を飲むと、統一感が出る。

4662声 寿司屋が始まる木曜日

2021年01月21日

市場へ行って戻ってきて、魚をおろす。鯖、鰯、小肌、小鯛、すべて塩を当てて締める。どれもいい感じ。ネタがいいと仕事がしたくなる。一度いい魚を知ってしまったら安物に戻れないのが、よくわかる。今日は木曜日。寿司屋の4日間の始まり。準備までが仕事で、あとお客さんが来てくれるかどうかは自分の力ではどうにもできない。自分の力でできることを惜しみなくやる、という基本を忘れちゃいけない。今月は、長く感じる。

4661声 男寡婦実写版

2021年01月20日

資源ごみの日。朝自宅と2つの店の資源ごみを出してきた。店の酒が出ないから酒瓶の数が少ない。それに比べて自宅の酒瓶の多いこと。これを一人で飲んでいると知られたら、あの人はアル中だ、なんて後ろ指を刺されかねない量である。減らしたい。瓶詰めの準備をしてガストでモーニング、瓶詰め、明日の営業の準備、樽詰め、ジョギング等して、晩御飯を食べにガストへ。座って注文しようとして気づいた。この店に来るのは、今日2度目である。とてもお世話になっている。