日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1609声 遠雷

2012年05月29日

どうにも、体調が芳しくない。
最近の夕立続きである不安定な天候に起因するのか。
はたまた、雲行きのあやしい生活の心労に起因するのか。
こう言う時は、決まって書く方も駄目で、
いま瞼の上に塊になった倦怠感の重みを感じつつ、
キーボードを叩いている。

午後四時頃であったか。
夕立がさっと来て、雷鳴が轟いた。
どっと降りだした雨と、黒雲に光る稲光。
下校中の小学生。
あれは低学年生の女子だろうが、もうずぶ濡れになって、
泣きながら走っていた。

ずぶ濡れは可哀相だが、下手に傘をさして、
落雷の被害にでもあったら大変である。
昨日も尾瀬をハイキング中の方が落雷によって命を落とされた。
私も小学校時分には、雷が鳴っている時はなるべく傘をさして帰らずに、
雨宿りしなさいと先生などから教わった。
これを書いている今も、午後九時半の夜空、あれは赤城山の方であろうか。
雨の中、遠くで雷が聞こえる。
あの女子生徒は、もう泣いてはいないだろうか。

【天候】
朝より晴れ。夕立があり、その後断続的に夜半まで雷。

1608声 夏めく

2012年05月28日

朝の内は気持よく晴れていたが、
午後になって山背から黒雲が張り出してきた。
一時的に雷鳴など轟いて、にわか雨も少々。
急転する天候に、翻弄されている人も多かったであろう。
空が、そろそろ夏の準備を始めているのだと思った。
今年の夏は暑くなりそうな予感がする。

【天候】
朝より晴天。
午後になってから一時雷雨のち回復。

1607声 初夏の運動会

2012年05月27日

たんぽぽや一天玉の如くなり(松本たかし)

まさにこの句を思わせる様な晴天が、野のたんぽぽと響きあっていた。
昨日今日と、はや運動会を催す小学校が多いらしく、
巷の学校は賑やかであった。
私の感覚では、運動会と言えばやはり秋である。
学校の周りに出ている露店で、よく季節外れのかき氷を食べたものである。
いまは、露店もあまり出ていないらしい。
運動会の様相も大分変っているのであろうと、
風の乗って聞こえて来る歓声に思った。

【天候】
朝から晴れ。
夜半は僅かに雨。

1606声 第1600声記念特別企画「鶴の俳句小会」作品集

2012年05月26日

さて、おまちかね。
まちかねていないかたも、一寸、冷やかし半分で読んで行っても損はさせません。
先日、募集した「鶴の俳句小会」の作品集ができましてので、掲載させて頂きます。
とても面白い、いや本当に面白い句がたくさん集まりました。
ではでは、私の講釈よりも作品のほうをぜひ。
その前に、ご多忙の折、投句して下さった方々、本当にありがとうございました。
心より感謝。

~第一回「鶴の俳句小会」作品集~

春風やふと懐かしき道であり  ほそみち

木蓮や花びら一つ落とし文  山津隆

草茂るみどり眩しき二日酔い  緑雨

春風や交わるものの無き線路  すずめ

そら豆の殻にひそんで眠りたし  草野

のどぼとけ大きく動きビール干す  夢一文

IPAいよいよパパはアンポンタン  宏之

※IPA=India Pale Aleの略。つまり、インディア・ペール・エールと言うスタイルのビールでしょうな。(諒一)

では、宴もたけなわではございますが、一本締めのかわりに一句。

水底にある水色のラムネ瓶  諒一

【天候】
終日、快晴。

1605声 もっさり

2012年05月25日

「太った」
てぇのは、近頃様々な人から言われる。
特にひと月に一度だけ句会で会うような人から、である。
「髪の毛のせいかしら」
などとフォローしてくれる人もあるが、実際に太っているのである。
因みに、髪の毛のせいと言うのは、現在、髪の毛を随分と伸ばしてしまって、
髪型が「もっさり」している。
そのもっさり具合により、顔までも膨張して見える。
と言う具合。

三十路に入って新陳代謝が落ちたところに、酒が追い打ちをかけている。
その図式は明白だが、わかっちゃいるけどやめられない。
と言う、スーダラな生活を送っている。
まずは明日、髪の毛を切りに行く。
そして、先頃の「鶴の俳句小会」で頂いた句の精査をする。
あとは、やはり麦酒を飲む。
もっさりがなくなれば、いくらか、執行猶予もあろう。

しかし、これを書く前に、先日日光へ行った際に買って来た、
「日光路麦酒」と言う地ビールを飲んだのだが、これが美味い。
ピルスナーなのだが、自分の好きな系統のピルスナーであった。
こう言う地麦酒に出会うと、はやオクトーバーフェストが待ち遠しくなる。
取り合えず、太ってしまったことは度外視にして。

【天候】
終日、降ったり止んだり。 

1604声 遠蛙

2012年05月25日

帰宅して風呂に入り、寝床になだれ込むようにして寝てしまった。
先生宅で句会がある日はいつもそうなので、致し方ない。
それでは、昨日の話。

だんだんと増えて行き、現在では自分を入れ十人を欠けるかと言う。
概ねそのくらいの人数においての、句会になっている。
夜、ぽろぽろと人が集まって来て、ぽろぽろと句を作り始める。
そして、先生はいつもほろほろと酔っている。
よって、机の上は宴会の如く、食べ物だらけになっている。
その食べ物が大方片付いたところで、句会となる。

句の作り方も様々で、外に言って夜風を感じながら、作る人もいれば、
机の前に座ったまま、思案している人もいる。
この日は、網戸越しに蛙の声が聞こえた。
季題で言うところの「遠蛙」である。
外へ出てしばらく聞いていると、面白い「気付き」が沢山あった。

自分の住んでいる所は高崎市なので随分と平野部だが、
先生宅は渋川市街地を一望できる丘陵にある。
その地形のせいなのであろうが、蛙の声の聞こえ方が、
自分の思っているそれと違った。
極端に言えば、空から降って来るように聞こえたのである。
そんなことで一句を得たが、もっと色んな場所で聞いてみたいとも思った。

【天候】
終日、晴れて夏日。

1603声 薄暑光

2012年05月23日

五月の頃の暑さを、「薄暑」と言う。
歩けば薄っすらと汗がにじみ、それを若葉風が乾かして行く。
虚子の句に、「旅するは薄暑の頃をよしとする」があるように、
どこへ行っても過ごしやすい季節である。

しかし、今日はどうであろう。
汗が流れるとまでは行かぬが、じんわりとべたつくような不快感があった。
昨日が肌寒かっただけに、余計にそう感じたのかも知れぬ。
体が未だ暑さに慣れていないこの時期は、意外と熱中症患者が多く出る聞く。
街を歩いていても、気が付けば、口でぜーぜー息している。

通りかかった利根川を眺めていたら、河川敷。
白い日傘がよろよろと、川べりを歩いていた。
危なっかしい、その歩み。
着実なる夏の到来を感じた。

【天候】
終日、快晴。

1602声 塔

2012年05月22日

徐々に梅雨前線が近づいているのだろう。
朝のうちは晴れ間もあったが、午後からは鬱々とした雨模様になった。

昼過ぎ頃、帰宅して行く学生を多く見かけた。
テストでもあったのか、昨日の金環日食観測による変則的な授業時間なのか。
自転車で過ぎ行く学生たちを見ていて、感じた。
彼等は濡れる事を厭わない。
合羽を着ていても、フードをかぶっていなかったり、傘さえささずに行く者が多い。
今日は昨日と一転し、冷え込んでいるので風邪などひかぬといいのだが、
そんなことはお構いなしにずぶ濡れで自転車を漕いでゆく。

「東京スカイツリー」が今日、完成したと言うことで、マスコミその報道で持ちきりだった。
この東京の新名所を、こぞって宣伝していた。
「ほら、東京の方になんとかって言う塔ができたじゃん」
先日そう言っていたのは、俳句の先生である。
「東京スカイツリー」を「塔」と表現するあたり(名前がでてこなかっただけだが)、
如何にも省略の効いた俳人らしい表現だと感じてしまった。

【天候】
朝の間は晴れ間ものぞいていたが、午後より雨。

1601声 天使の輪

2012年05月21日

「見た」
で、始まった今朝の挨拶。
勿論、金環日食のことで、群馬県高崎市からは始まりから終わりまで、
雲もかからず綺麗な日食が鑑賞できた。

昨日会った友人に、「見るの」と聞いてみたら、「完全に寝てる」との返答。
私も、それに近しいものがあり、起きてはいるがあまり見るつもりも無かった。
無かったのだが、やはり、近所から「わーっ」と言う歓声があがると、
どうしても野次馬根性が疼いて外へ飛び出してしまった。

家に転がっていた、自動車の窓硝子に貼る遮光フィルムごしに、日輪を透かす。
三日月模様から、徐々に、輪が繋がって行き、ちょっと色を付けて表現すれば、
天使の輪が浮かび上がった。
日食してる時間は、あたりも大分暗くなり、風も光を失っているようだった。
ほんの数分で、また元の五月の日輪にもどり、風も心地好い薫りに戻った。

大袈裟に言えば、自然の神秘を感じた。
その神秘が、人に詩を創らしめたのだとも感じた。

【天候】
朝、金環日食。終日、快晴。

1600声 第1600声記念特別企画「鶴の俳句小会」

2012年05月20日

2012年初夏、この日刊「鶴の意ひとこえ」も、はや、第1600の声を迎えました。
今回の記念企画は、最近ご無沙汰している、「わるのり俳句ing」にちなみまして、
俳句などをすこし募集し、「鶴の俳句小会」を開催させて頂きます。

めっかった群馬周辺の方々が、どんな句を詠んでいるのか。
その紹介も兼ねた、小さな俳句会です。

『当季雑詠一句』
こんな具合でやろうと思います。
まぁ、早い話が、夏の俳句をひとつ頂ければ幸いです。
句が思い付いた方は、是非、Topページにある【お問いあわせ】から送って下さい。
募集は、今日から5月22日(火)まで。

「俳句」と「名前」(下の名前だけでも可)。
「俳号」がある方は、是非、号をお忘れなく。

「わるのり」俳句。
なんて言って、周囲の俳句愛好者の方々から「けしからん」と怒られているくらいですから、
どうぞ、お気軽にご投稿下さい

私の選で、独断と偏見を駆使して、掲載句を絞ります。

それでは、ぜひお待ちしています!

抜井諒一

【天候】
終日、快晴。

1599声 日食の空気

2012年05月19日

空、あますところなく、好天。
と言った具合に、、初夏の気持好い日だった。

気付けば、この日刊「鶴のひとこえ」も、明日には第1600声を迎える。
迎えるのだが、そんなことよりも巷で今、話題をさらっているのは、「金環日食」であろう。

なんでも、日本国内津々浦々で、この金環日食が観られるのは173年ぶりらしい。
そんなことで、もう半ばお祭り騒ぎのようになっていて、日食を観る為のサングラスだとかが、
飛ぶように売れているとの由。
観測できるのが、月曜日の朝なので、登校時間を変更する小中学校などもあり、
特に教育の場での注目が高い。
登校中に空ばかり見ていて、ドブにはまっても可哀相なので、
日食くらいはゆっくり観てから行く方が最善と思う。

天文の分野にはさほど興味も無いが、日食自体よりも、それを待っている巷の空気。
花火が上がる前の、夕闇の空気だとか。
祭り囃子が聞こえて来る、宵の口の空気だとか。
そんな空気感に、わくわくしている。

【天候】
終日、快晴。

1598声 教則本

2012年05月18日

「筆ペン字~美しい楷書の書き方~」
昨日から、私が取り組み始めた本である。
先日、俳句で賞を取ったお祝いに知人から頂いた。
勿論、字が下手な私への嘲笑そして、励ましである。

「うまく書く必要なんかねぇ」
と、私の俳句の先生は言う。
先生は書家でもあるので、もっともだと思う。
俳句もまた、うまく作りすぎる必要はないと思うが、
とりあえず、五、七、五にするところから始めねばなるまい。
それから、自分の個性の赴くままに、表現してゆけばよい。
なのでまず、せっかく貰ったこの本で、筆文字を勉強してみるつもりである。

さて、今日は「ひらがなの練習」と言う頁から取り掛かる。
一冊終えた時点で、どうなっていることか。
なんだか、中学生時分に教則本とにらめっこしつつ、
四苦八苦しながらギターを練習していたことが、思い起こされる。

【天候】
終日、晴れたり曇ったり。
昼間際、通り雨。

1597声 間抜けの肯定

2012年05月17日

自分の携帯電話をスマートフォンにして、およそ一年くらいが経つ。
スマートフォンは構造的に、ツイッターだとか、フェイスブックだとか、
そう言うソーシャルネットワーキングサービスへ、簡単にアクセスすることができる。
なので、当然そのサービスを利用してみよう、と言う流れになる。

パソコンに疎い私でさえ、ブログにツイッター、このサイトに最近フェイスブックを始めた。
これは私だけが例外ではなく、私以外の、例えば読者諸氏にも、
こうした「交流と発信の場」を持っている人が多いはずである。

この日刊「鶴のひとこえ」を書き始め、「めっかった群馬編集長」なんて名乗り始めた、
五、六年前は、よく「ホームページを開設したいんだけど…」と言う相談を受けた。
つまり、このサイトを閲覧してくれた方は、私がパソコン技術に長けていると、
感じたのであろう。
それが今では、ブログでさえ飛び越して、フェイスブックやらツイッターやらで、
ホームページに求めていた事がまかなえている。
有料のサーバを借りて、この「めっかった群馬」のような個人サイトを開設しよう。
なんて言う人は稀有となった。

しかし、ソーシャルネットワーキングサービスが飽和している、現在。
このともすれば一方通行な媒体である、日刊「鶴のひとこえ」が、とても安心できる。
他の、いわゆる「交流」型の媒体では、どうしても、自分を「良く見せよう」と言う、
まず根が卑小な人間なので、そう言う自分が嫌いなつまらない自分に、おのずとなってしまう。
自分が思う、面白さは、間抜けの肯定であるから、それをどうするかと、
考えているばかりの、こんなおぼろげな有り様である。

【天候】
朝より曇りがちなる夏日。夜、一時的に雨。

1596声 感覚と感性

2012年05月16日

料理人は料理をつくる時は、いつも空腹な状態でなければならぬと聞く。
空腹でないと感覚が鈍るからである。
それは料理のみならず、あらゆる創作、例えば私で言うと俳句を作る時にも言える。
満腹時よりも、すこし小腹が空いている時の方が、鋭敏な気がする。
鋭敏ならば秀句が生まれるかと言うと、また、それが難しいところだが、
概ね鋭敏なほうが良い。

その伝で言うと、精神が満たされている時よりも、満たされておらぬ、
満たされようと渇望している時の方が、感性が鋭いと言うことになる。
感覚と感性が鋭い状態こそ、創作に向いているのではなかろうか。

私の場合は、精神が満たされぬものだから、
せめて、腹だけでも満たされようと思い、三度三度食事は欠かさぬ。
それに加えて、あとの足りぬところは酒で補っている有り様。
近頃、目方も目に見えて増えて来たし、いっそこの渇望状態を維持しようかしら。
そうは思えども、腹八分で止められず、
どうしても満たそうとしてしまうのが性分なので、性質が悪い。

なるほど、どうりで食後に風呂上がりの缶麦酒を飲みながら書いている文章に、
精彩がないはずである。

【天候】
終日、快晴かつ薄暑。

1595声 雨の杜若

2012年05月15日

朝から雨。
気分も鬱屈としてくるが、まだ梅雨のそれよりは、大分ましである。
春と夏の間に降るこのしっとりとした五月の雨は、神経が休まる心地がする。
それが、六月の梅雨の頃になると、もう夏の雨になっていて、
スコールのように遠慮なく降り、その後のあの不快なじめじめには、神経がまいってしまう。

傘をさして墓地の横を歩いていたら、むこうの薄暗闇にひとかたまり杜若が咲いていた。
だしぬけに咲いていた杜若の、あの青紫色の花弁が、目に優しかった。
雨の日には雨の日ならではの、風情がある。
それも、日本ならではの。

【天候】
終日、雨。

1594声 わたしの群馬学

2012年05月14日

つい先日、「業績認定証交付式」の為、県立女子大学へ行って来た。
なんだか堅苦しい字面だが、大学の一室できちんと学長から頂いて来たので、
いささかの堅苦しさは致し方ない。

大人になってから、何か賞状らしきものを偉い人から受け取ったのは、
俳句で賞を頂いた時と、今回くらいなものである。
「今回」と言うのは、足掛け二年に亘り、
「群馬学リサーチフェロー」と言う事でもって活動して来た、その集成である。
研究結果を冊子に集約することで、その活動に一区切りがついた。
早い話が、卒業論文を書いて、大学を卒業するようなもの。
だと感じた。

「群馬学」
その一翼を「銭湯」と言うテーマで、担えたかどうかは分からないが、担うべく活動して来た。
自分の好きなことで、群馬学に携われたことが、とても面白かった。
私はいま、群馬学を「銭湯」は勿論、「俳句」と言うテーマでやってみたいとも感じているので、
読者諸氏にも、それぞれにそれぞれの群馬学があるのであろう。
音楽でも絵画でも、食でもスポーツでも、ファッションでも文学でも。
好きなことが、興味のあることが伸ばせる、素晴らしさ。
群馬学がもっと普及すれば、もっと面白い群馬になると感じている。
それぞれに、それぞれの群馬学が、きっとあるのだから。

【天候】
終日、快晴。

1593声 若葉風

2012年05月13日

朝から、近所の文学館に坂口安吾展を観に行ったり、知人の店で油を売ったり。
楽しい時間を過ごせていたので、夕方が早くきてしまった。
今日は、日が暮れるのが惜しまれるくらいに、風薫る良い天気だったので、
帰路の途中、箕郷町の公園へ寄ってみた。

この公園は幼い頃、祖母とよく一緒に来た公園である。
街と違って、公園の景色と言うのは、十年や二十年ではそうは変わらない。
いまはもう祖母とは来れないなぁ、などと思いつつ、園内をひとめぐりした。
左程、しんみりとした気持にならなかったのは、溌剌として遊ぶ子供たちと、
夕景にきらきらと瑞々しい新緑の木々があったからかも知れない。

ベンチに腰掛けて、俳句でもひねろうとしてみたが、若葉風が心地好く、
何だかすぐに眠くなってきた。
そのまま、横になって顔の上に帽子を乗せてしまった。
しばらくして、気が付き、帽子を外して時計を確認すると、
およそ三十分ほど寝ていたらしい。
日も大分傾いて、冷たい夜風がやってきていた。
そして、子供たちはそっくり消えていた。
途端に、寂しくなってしまって、逃げるようにして公園をあとにした。

【天候】
終日、快晴。

1592声 食で季節

2012年05月12日

壁に手書きのメニューが貼ってあるような飲み屋を、いきつけにしている。
焼き鳥で低級酒をあおっているばかりでなく、
ここでもちゃんと、食で季節を感じる事ができる。

つい先月辺りからは、ほたるいかが美味しかった。
今月からは、それまでひじきか何かだったお通しが、枝豆になった。
そろそろ、ほたるいかに替わって、初鰹が出て来る頃であろうか。
いずれも、五百円でおつりがくるくらいなので、悠々とその登場が待てる。

麦酒に至っては、一杯三百円でおつりがくるので、
それが大変にありがたいし、通年、何よりも、心地好い。

【天候】
終日、快晴だが夕方から冷たい風。