日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1179声 いま、日本が、ちょっとうれしい事

2011年03月24日

やはり、少しは関係があるのか、と思った。
今日の追加注文を受けての感想が、である。

東日本大震災下の日本。
特に、東京電力による電力供給を受けている関東地方においては、
計画停電が長期化する見込みが報道されている。
福島第一原発の復旧状況が、日々、綱渡りの状態なので、無理もない。
つまり、ちょっと電力不足、と言う話。

じゃあ、ってんで、計画停電を輪番で実施している訳だが、
目下の状況、日々の「節電」は必須であろう。
節電、ったって、何も、家でローソクの火を見つめていなくともよい。
楽しく、気持好く、節電する方法が、ある。
それは、街中にある。
目印は、煙突と暖簾。
そう、古きよき、銭湯なのである。

「あなたが銭湯にくると、地球はちょっとうれしい」
てぇポスターを、銭湯へ出掛けた事がある方なら、
覚えているかも知れない。
主に、CO2削減を謳った内容だが、今となれば、
節電にも大いに役立つと言えよう。
「ちょっと」と言う、控え目な、日本的な心遣いが、粋である。

「あなたが銭湯にくると、日本社会はちょっとうれしい」
と言う状況になっている、と思う。
例えば、近所に銭湯を有する住宅街、もしくは集合住宅の人たちが、
銭湯を利用する。
単純に考えて、皆でひとつの風呂に入る訳なので、
大いに、節電に貢献できる。

それに気付いた群馬県在住の方が、
「じゃあ、銭湯でも行ってみるか」
ってぇんで、近所の書店で拙著を買ってくれたのでは、あるまいか。
などと、部屋に山と積まれた在庫本を眺めつつ、
今日の追加注文を思っていた。

あなたが銭湯にくると、私のような銭湯好きと、
銭湯の親父さんと女将さんだって、ちょっとうれしい。
さて、明日、紀伊国屋書店の前橋店に持ってゆく本を、見繕うとしよう。
そして、帰りに銭湯へ寄って来ようかな。

【天候】
終日、快晴。
午後から風強く、薄ら寒い一日。

1178声 暗闇の三味線

2011年03月23日

計画停電下、暗闇の中での、夕食となった。
夕食を終え、暖房器具もない部屋は、凍てている。
外に行くにも、今宵は風が吹き荒れているので、
とても出掛ける気にはならない。

じゃあ、電力が無くともできること。
埃をかぶっている三味線のケースを開け、撥で弾いてみたが、
真っ暗闇の中で聞こえる三味線の音と言うのは、不気味である。
直ぐにしまって、横に置いてある、アコースティックギターに転向した。
しかし、指がかじかんで、どうも思う様に弾けない。
そうこうしている間、寒さに耐えかね、そのまま、ギターも止めて、
寝床にもぐり込んでしまった。

寝床の中。
懐中電灯で照らしつつ、本を読んでいた。
ほの灯り読む文章は、いつになく、集中して読む事ができた。
集中するのは良いが、目が悪くなると思った。

停電からおよそ二時間後。
突如として、部屋が明るくなった。
真っ先に、電気ストーブのコンセントさした。
電力が戻ったが、どういうわけか、なかなか、
パソコンがインターネットに繋がらなかった。
そのままにして、今度は、寝床で寝てしまった。
そうして、朝、寒い部屋でこれを書いている。

【天候】
終日、晴れ。
午後、風強し。
計画停電、およそ6時40分~8時20分まで。

1177声 赤い明滅

2011年03月22日

そう言えば。
と思って、携帯電話をとり、メールを一通、送信した。
数分後の返信を読むと、予感は見事に的中していた。

メールの相手は、友人のH氏。
H氏が、その豊富な職業経験の中、原発で働いていた期間がある事を、
昨夜ふと思い出した。
今回のメールから、その原発とは、福島第一原発の一号機、
だった事が分かった。
今回の震災の報道を目に、耳にする度、心痛めている。
と、H氏のメール文面に記してある。
住んでいた土地なので、尚更の事だろう。
心優しく純情なH氏の性格を思うと、私も、及ばずながら、
心苦しい心持になる。

そのメール文面の終いには、被災孤児の受け入れに登録した。
と言う旨が記してあった。
H氏は、昔からいつも、素晴らしい事をさらりとやってしまう。

それを思うと、机の前で、鼻水と一緒に麦酒などを啜っている私の、
なんと、卑小なこと。
千円札を勘定しながら、小銭を募金箱に入れている私の、なんと。
そうは書きつつも、心の奥底。
自己弁護や自己正当化に関する屁理屈を、
隈なく、抜け目なく、探している。
そして、その屁理屈で持って、自己を肯定して、一杯やっている。

窓を開けると、雨上がりの湿った夜風。
動いているのは、遠く夜空に明滅している、赤い光だけ。

【天候】
朝から雨。
午後には上がり、終日、曇天。

1176声 心地好い、揺れ

2011年03月21日

次の列車まで、丁度、2時間。
何時まで見つめていても、自動改札機の上にある、電光掲示板の数字。
こちら側の意を汲んでくれる気配もなし。

じゃあ、バスだ。
てぇんで、新前橋駅を飛び出して、駅前ロータリーに停車していたバスに、
闇雲に飛び込む。
バスは前橋駅に到着して、人気の無い、前橋駅前で仕切り直し。
目指すは伊勢崎駅前なのだが、バスも電車も、やはり2時間後。
おそらく、目指すべき場所で、聞くべきはずの、歌は歌われているだろう。
憔悴しきって、やがて、やけっぱちになって、駅前の居酒屋で、
悔恨の念に潰されそうになりながら、時間を潰していた。

地震の影響で、両毛線の間引き運転。
その情報を掴めなかった私に、非がある。
前日、高崎線で都内へ出掛けていたので、その感覚でいた事が原因。
都内も、節電していて灯りが少なく、おまけに人出は随分と少なく、
いつになく落ち着いた雰囲気だった。
そんな折、上野公園では、寒桜が咲いており、着実に訪れている春を感じた。

2時間経って、席を立って、千鳥足を急がせた。
ほのじへ着くと、やや宴もたけなわに近づきつつあったが、
今日は、キャンドルナイト。
ともし火揺らぐ薄暗い店内、隅っこの席へ紛れ込んで、缶麦酒をあけた。
幸いにして、いや、とてもありがたい配慮で、歌も聞けた。
いいものはすべからく、圧倒的である。
結局、その日は帰れず、と言うか、途中で自ら、
時間感覚など放擲して、飲みかつ話し込んでいた。

翌朝起きて、金の勘定。
勿論、昨夜集まった東日本大震災義援金の、である。
かなり、まとまった金額が集まっており、いささか驚くと共に、
伊勢崎の人たちの素晴らしさを、思った。

また、時刻も疎らな電車に乗って、どうにか帰路に着いた。
なんだか、まだ、昨夜から、胸の奥底が揺れているような心持がする。
余震が続く、大地の揺れは、心地悪い、揺れ。
私と同世代の彼と彼女の歌の、振動による揺れは、心地好い、揺れ。

【天候】
朝は雨が残るが、次第に回復。
終日、煙の充満するかの如き、曇り空。

1175声 日曜日の雨

2011年03月20日

降りだして来てしまった。
日曜日の午後の雨と言うのも、なんだか気分が萎える。
重たい春の曇天。
その下に広がっている街は、いつになく、閑かである。

しかし、こんな気分を打ち払って、出掛けねばならぬ。
計画停電の影響で、列車の運行状況も著しく間引き運転している。
と言う情報は分かっているで、今から電車に乗るのが不安である。
新前橋駅から乗って伊勢崎駅まで。
運行時刻がどうなっているのか。
そして、ここで心境を実況報告していても、仕様が無い。
さて、もう午後5時を過ぎてしまった。

窓から見える、向こうの家。
マンションの2階。
その中の、ひと部屋。
干してある、Tシャツが、ときおり揺れている。
雨。
だというのに。

【天候】
午前中薄曇り、夕方から雨。

1174声 エンターテイメントのちから

2011年03月19日

軒並み中止。
春に予定されていたイベントが、である。
そんな折の明日、料理工房「ほのじ」でチャリティーイベントが開催される。
当日の売り上げ金の半分を、東北関東大震災の義援金として寄付。
ってぇことなのだが、やる人もくる人も、大いに楽しもう。
ってな塩梅になるだろう。

部屋を暗くして、家で逼塞しているばかりが、状況を好転させるとは限らない。
現在、確かに布団で寝れない人たちが、沢山いる。
笑いたくとも笑えない状況下にいる人たちが、沢山いる。
そして、ここには、布団で寝て、毎日適度に笑っている、私たちがいる。
では、私たちも、同じ境遇を受けるべきが正しい、とは思わない。
むしろ、間違っているとも、思う。

時には集まって、麦酒を飲んで、歌って、そして、
私たちにやれるべき事をする。
地震から丸一週間。
未だ不安材料が山積している。
しかし、こんな時こそ、ある種のエンターテイメントが必要なのでは。
とも、思っている。

【天候】
風強くも、終日晴れ。

1173声 魔物の類

2011年03月18日

計画停電になり、家で座していても寒いだけなので、
外へ散歩に出掛けた。

午後7時。
裏の田圃へ出いてみると、遠くに灯が見える。
遥かなあの紅い光の明滅は、おそらく、山裾の鉄塔群。
手前に見える大型ショッピングセンターは、どうやら、電源あるらしく、
微弱な光で営業している模様。
車の光が、次々に吸い込まれて行く。

今宵はほぼ満月。
朧月夜と言った風情である。
町の灯が消えている所為か、潤む様な星の瞬きが綺麗に見える。
俳句を詠むには、電力を必要としないので、吟行の心持で出掛けたが、
何せ寒い。
おまけに、花粉症で、目も鼻もぐずぐずな状態。
とても詠める状態になく、一句もメモ帳に書かず、
闇雲に真っ暗な田圃の畦を歩き回って、帰宅した。

時計を覗く。
およそ、1時間半も歩き回っていたらしい。
家の中も、真っ暗な世界。
しかし、住居の中、と言うだけで安心できる。
さっきまでの、田圃の真中にいた時は、暗闇が疑心暗鬼にさせるので、弱る。
遠くの深い闇の中から、獰猛な大型犬の如き、魔物の類が出てきて、
追いかけられたら。
などと、よからぬ妄想が膨らんで行く。
幸い、魔物の類には出くわさずに帰れた。

家のドアを開ける頃には、月は大部、天心に近づいており、
その周りに、大きな光の輪が出来ていた。
そうこうしている間に、停電が終了し、音もなく、部屋が明るくなった。

【天候】
終日、晴れ。
夕方より雲多し。
計画停電、午後6時40頃から午後8時40分頃まで有り。

1172声 いまできること

2011年03月17日

「こっちは大丈夫だよ」
と、私は電話口で答えた。
電話の主は、県外に住む友人。
群馬県の被災状況を気遣って、数年ぶりに電話をかけて来てくれた。
懐かしい再会。
本来なら、そう言う感覚だろうが、積もる話も地震で崩れ、
今は只、安否が気になる。
数年前、東北地方へ転勤して行った、共通の友人の、である。

その友人、何かの理由で携帯電話を変更したらしく、
お互いに新たな電話番号を知らない。
連絡する術は、唯一、この携帯電話の番号のみ。
つまり、住所も、固定電話の番号も、知らないのである。
携帯電話に頼った友人関係の希薄さを、改めて感じた。

そして、被災地。
依然として、状況は好転していない。
しかし、好転させようと、被災地で支援活動にあたっている人たちは、
全身全霊で活動している。
今朝から、一日の中で目にした各報道で、そう感じた。

自分にできること。
それを、部屋で考えていた。
部屋は寒い、しかし、電気ストーブが付いているので、
極寒と言うほどでもない。
今夜の東北地方は、最低気温が氷点下らしい。
ストーブを切り、パソコンを落とし、電気を消して、寝る。
節電も、できることのひとつ。

さて。
窓から聞こえる、救急車のサイレンが、
徐々に徐々に、遠くに消えゆく。

【天候】
終日、快晴。
気温はあまり上がらず、計画停電、午前午後2回あり。

1171声 計画停電令

2011年03月16日

私の住んでいる高崎市は、第5グループ。
計画停電の輪番グループが、である。
昨日から開始されていたのだが、高崎市は急遽対象外となった為、
今日が初の停電となった。

9時30分から12時30分までの3時間。
時間になると確かに、ブレーカーが落ちたかの如く、
「パチリ」と、街全体の灯が消えた。
スーパーや飲食店などは、その時間だけ閉店している店舗が目立った。
しかし、コンビニだけは方々へ行っても、開店していた。
私が入ったコンビニでは、停電後直ぐ、
店長らしき人物がポスターを、入り口ドアにポスターを貼っていた。
そこには、マジックで大きく手書きされた、「open」の文字。

取り合えず、様子を見に来たのか、入店して店内をひと廻りして、
出て行く人も、結構多くいた。
みな、いそいそと忙しく、どこか不安そうな面持ちであった。
私の知る限り、停電に乗じて商品をくすねる。
と言った事は耳にしなかったので、日本人の心は、澄んでいると思った。

丁度昼時だったので、弁当を買って車の中で食べた。
レンジで温められないので、冷たかったが、一緒に買った温かいお茶があったので、
左程気にならなかった。
それよりも、寒さに、いささか気が滅入っていた。
ガソリンが勿体ないので、停車中はエンジンを切っている。
なので、エアコンが作動しておらず、とても、寒い。
なるべく、日当たりのよい処へ車を移動させたが、やはり寒さに耐えかねて、
元のコンビニの店内へ入った。
そうこうしていると、計画停電が終わり、電力が復旧した。
店内の人たちから、小さく、安堵のため息が聞こえた。

店を辞して、車を走らせた。
夜の停電が起こったなら、春の星が綺麗に見える。
などと、悠長な事を思いながら運転していると、高崎市沖町の交差点で、
トラックと乗用車が衝突事故を起こしていた。
おそらく、先程の停電中、消えている信号機による為に、起こったのだろう。
信号が青になって、車を進める。
車の中は寒いが、寒さに耐えて弁当を食べていて良かったと、しみじみ思った。

【天候】
終日、快晴。
晴れるが気温低し。
東北地方一部地域では、昨夜から雪の模様。

1170声 ろうばいの郷

2011年03月15日

丁度、一月前のこと。
松井田町の「ろうばいの郷」を車で通ると、満開を迎えていた。
妙義山を背に置き、早春の日差しを一輪に集めている、ろうばいの木々。
車を停め、そぞろ歩けば、風に漂う、やわらかな香り。
その明媚なる景色に、そこはかとなく、心が安らいだ。

ろうばいはろうばいでも、心安らげない方の「ろうばい」が、
現在、郷では咲き乱れている。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震) の影響を受け、
巷の量販店では、所謂「買占め」が目立っている。
つまり、コンビニやスーパーで、米、パン、飲料水などを、
買い物かごに山積みにして買って行く人たちが、多くみられるのである。
報道などを見て、不安に駆られた消費者の心理状況が、色濃く出ている。
これによって、現状、生活必需品は、品薄状態と言える。

昼に、弁当を持って、スーパーのレジに並んでいた。
私の前に会計している、おばちゃん。
何やらインスタント食品を、仰山かごに詰め込んでいる。
その中に、1Lの牛乳パックが3つ。
「育ち盛りの子供が何人いるんだよ」
などと、思わず、心の中でつっこみを入れてしまった。

小学校の時分。
隣のクラスの給食が、何らかの事故で無くなったとする。
それを知ったら、当然、自分のクラスの給食を分けてあげる。
そう言う風に、育ってきた。
隣のクラスの友達が、もし、お腹が減っていたら。
昼休み、一緒に遊ぶ元気が出ないではないか。

おばちゃんは、ガサゴソと忙しげに、商品をビニール袋に詰め込んでいる。
全て詰め終え、両手にビニール袋を持つと、
BOXティッシュが持ち切れない。
一寸、考えを巡らす。
結局、買い物かごに袋を入れ、BOXティッシュをその上に乗せ、
かごごと持って行ってしまった。

【天候】
日中、穏やかな晴れ。
夕方より雲多く、夜半にかけて下り坂。
依然として、花粉大量飛散。

1169声 心の光

2011年03月14日

依然として、体感できる程の余震が断続的に起こっている。
計画的停電の時間帯。
その開始時刻の情報が錯綜しており、各方面で影響が出ている。
例えば巷では、営業時間を繰り上げて閉店する商店が、多数見られた。
結局、群馬県においては停電が見送りとなった。
この状況。
被災地の現状を思うと、決して、「よかった」などと、安易に安堵出来ない。

報道では、今なお続く、「福島第一原子力発電所」の緊迫した状況が、
伝えられている。
そして、死者不明者の数が更新される度、
アナウンサーがその数を読みあげる度に、
胸に暗雲が立ち込める如く、息苦しい心持になる。

それでも、俳句を詠んでいる。
それが私の日課、だからである。
この、日刊「鶴のひとこえ」とて、例外ではない。
特に被害が大きかった、東北地方には、偉大な俳人の方が多数いる。
俳人のみならず、様々な、文芸愛好者、また表現者の方々が、いる。
文芸は光である。
どんな困難な状況であれ、そこから生まれた文芸作品は、
俳人たちの詠んだ一句は、必ず、心と光りあう。

【天候】
終日、快晴。
4月上旬の暖かな陽気。
花粉の飛散量、甚だ多し。

1168声 節約してみる

2011年03月13日

震災の影響が色濃く出ている。
群馬県高崎市における、私の生活環境周辺に、である。

今朝、悪化する自身の花粉症諸症状に耐えかねて、
開店時間にドラッグストアに駆け込んだ。
点鼻薬、マスク、等を購入し、店を辞した。
駐車場、車へ荷物を運ぶ人たち、その買い物の荷物の多いこと。
みんな、大家族の家庭を持っている筈もなく、おそらく、買いだめであろう。

私も少し不安になり、ドラッグストアに併設されている、スーパーへ寄った。
商品の不足は感じられなかったが、食パンと米などは、売り切れであった。
カップ麺や飲料水、缶詰など、長期保存できる食料が売れている様で、
商品の在庫も豊富であった。
やはり、パンと米の不足が目立った。

そして、スーパーを出ると、駐車場の脇にガソリンスタンドがあるのだが、
もう、長蛇の列。
「ガソリン不足」と言う情報を聞いて、直ぐに駆けつけたのであろう。
丁度そこへ、伊勢崎の知人から電話。
「目下の状況下、ガソリンの給油が出来ず、電車で来る」
と言う旨だった。
その連絡を受け、私も、今日会う予定の場所へ、
自家用車でなく、自転車や公共交通機関で行こうと思った。

いま、危険に直面している人たち。
そして、被災地で救援活動にあたっている人たち。
その人たちの、助になることを、考える。
その人たちを、助けようとしている人たちの、
助になるような事でもよい。
いま、ひとつ思い付いたこと。
これを書いたら、パソコンをシャットダウンする。
まずは、節電。
いろんなものを、少し節約する。
ってことだって、ひとつの助け、であろう。

【天候】
終日、穏やかな快晴。
日差しも麗らかで、春めく。

1167声 助け合うこと

2011年03月12日

電話が繋がらない。
と言う事もあったが、種々の事情を鑑みて、
昨夜は見送って、今朝、受話器を取った。
繋がって、話した。
無事、であった。
電話先の相手は、仙台市に住む私の親戚、である。

一晩、家の中に居て、外へは出ていないと言う。
なので、地震や津波による被害など、外の状況は把握していないが、
兎も角、家屋内は、激しく損傷しているらしい。
水や食料の確保に苦慮しているが、さしあたり、
生命の危険はないと言う。
高齢であり、持病もあるので、いささか心配だが、
仙台市の現状では、そのまま、家に居た方がよい。
と、本人も言っていた。

困っている人を、助ける。
自分の生活の範囲で、自分の手の届く範囲で。
お互いが助け合えば、きっと、大丈夫。
そう言う教育を、受けて来たではないか、私たちは。

【天候】
終日、雲一つない、快晴。

1166声 地震について

2011年03月11日

3月11日午後18時に、高崎市の自宅で書いている。
今日の午後、東北地方太平洋沖で、大地震が発生した。
現在も、断続的な余震が続いており、各地の被害状況も拡大している。
各報道を見るに、交通機関の麻痺、建造物の倒壊、停電や火災など、
様々な災害が確認されている。
読者諸氏。
貴方自身、そして貴方の周りの人の、安全確保を、優先されたし。

地震の時分。
私は高崎市街地に居たのだが、路上に避難している、
幼子を連れたお母さんが目に止まった。
小さな子がいる家庭は、今晩、特に注意した方がよいだろう。
この文章を読んだら、まずは、焦らず。
また、今、揺れている模様。

【天候】
終日、風強くも、雲の無い快晴。

1165声 病室の窓の桜

2011年03月10日

群馬県の小中学校では、およそ今週から来週にかけて、
卒業式が行われている。
高校生は3月の第1週で、卒業式を終えている学校が多いので、
この時期の平日、街で頻繁に見かける。
この卒業式を終えれば、彼らには「春休み」と言う、
モラトリアム成分の濃い、休暇がまっている。

就職の決まっている、高校生や大学生などは、
入社先から早期研修に駆り出される事もあろう。
進学する学生らにも、入学先から、
宿題が課せられているやも知れぬ。
それらをかいくぐって、是非、一人旅にでも出掛けるのがよかろう。
と言う事を、入社も、入学も、遠い昔の思い出になってしまった、
一社会人として、切に思う。

私の春休み。
あれは、中学から高校に進学する、時分。
その期間を、病院で過ごした事がある。
病気、で入院していたのではなく、怪我で、入院していた。
中学3年生時分の冬、校庭の鉄棒でしくじって、
ちと、ややこしい骨折をやってしまった。
即日、入院して、骨を固定するボルトを埋め込んだ。
春になって骨折も治り、そのボルトを除去する為の、
手術入院、なのである。

在学中であった1度目の入院は、クラスメートや友人、先生などが、
連日病室に来て、落ち着く暇が無い。
卒業後の春休み、2度目となる入院は、お見舞いに来る者もめっきり減り、
落ち着いて入院できた。
入院中に、病院の近所の蕎麦屋に行って、ざるそばなどたぐっているのだから、
相当、自由に行動していた。
思えば当時の私、一人旅でもしている様な感覚だったのかも知れぬ。

退院の日の朝。
起床して、病室のベットから窓のカーテンを開けたら、景色。
朝日を浴びている、駐車場の桜の樹々。
空を走る枝の所々に、綻んでいる蕾を発見した。
しみじみと、これからの高校生活の事を思った。

【天候】
終日、風雲多くも、穏やかな快晴。

1164声 春になったら低級酒

2011年03月09日

晩酌の時、私が嗜んでいる酒は、巷で低級酒と言われてる。
その低級酒を、更に低級なものにした。
懐具合に起因すると言う事もあるが、最大の動機は、おぼろげ、だから。
もちろん、味が、である。

花粉症の悪化。
これが、味をおぼろげにしている、元凶。
晩酌に飲んでいる酒は、もっぱら麦酒だが、
鼻水垂れ流し状態では、味がよく判別できない。
つまりは、いつもより、美味くないのである。
それならば、と、発泡酒ないしは、所謂、第三の麦酒を飲む事にした。

水洟を啜りながら、麦酒を飲む。
と言うのも、なんだか、情けない。
そう言う、情けない状況に陥っている為に、
書いている文章構成までおぼろげになっている。
それも、花粉症のこの時期は、致し方なし。
と自分に言い聞かせてつつ、おぼろげな麦酒らしきものを、一杯。

【天候】
終日、風強くも快晴。
山は霞み、日を追う毎に、春めいてくる。

1163声 駅からどう行く

2011年03月08日

先日、第16回の俳句ing参加受付を締め切り、
現在、改めて、当日の吟行予定を精査している。
今回の吟行目的地は、高崎市の箕郷梅林。
榛名山の麓に広がる、壮大な梅林で一句。
と言う趣向なのだが、それを実現する為には、難関がある。
それは、二次交通、なのである。

二次交通とは、駅や空港などから、目的地まで行く、
路線バスや乗り合いタクシーなどの、二種目の交通手段。
一般的に、群馬県は、この二次交通に弱い県と言われている。
一家に一台ならず、一人に一台と言う、自家用車の保有率を鑑みれば、
当然の結果と言える。
有名な温泉地などでは、県内の二次交通を介さず、
首都圏から直接、送迎バスを運行させている。
と言うのも、顕著な例のひとつであろう。

どうであろうか。
この二次交通の整備を、兎も角もう、しっかりと進め、利用促進を試みる。
そして、群馬県に住んでいる人の自家用車保有率を、下げる。
そうすれば、首都圏から人が来て、県内の人は外へ出なくなる。
こんな模糊とした素人考えに至るのは、私が、酒飲み。
と言う事も少しはあるが、今少し、県内の公共交通機関を、
利用したい気持があるから。

そう言えば、以前。
東京で開かれた「銭湯ナイト」と言うイベントで、本を売らせて頂いた時、
東京の方に、こんな質問をよく受けた。
「群馬県で、駅から歩いて行ける銭湯ってどこですか」
それもそうであろう。
東京在住であれば、あまり自家用車を必要としない。
私が紹介したい銭湯は数多あれど、どれもみな、駅からちと遠い。
「駅からは、バスで行った方が良いですよ」
と、答えざるを得なかった。
「じゃあ、バスで行きます」
と、あっさり。
二次交通の利用に積極的なのがまた、都会人の特徴である。

【天候】
終日、やや雲多くも晴れ。
風強く、昨日の雨の所為もあって、花粉が大量に飛散。

1162声 鏡の顔

2011年03月07日

昨日は、埼玉県は熊谷市の銭湯へ行って来た。
熊谷の市街地には、現在、伝統銭湯が3軒残っている。
列挙すれば、「見晴湯」、「朝日湯」、「桜湯」、である。
その中、定休日の1軒を抜かした、2軒へはしご湯。

夕暮から黄昏時に訪問したのだが、2軒とも盛況であった。
特に、JR熊谷駅より、およそ徒歩3分と言う、
好立地に居を構える、桜湯。
夕方になると、入口の前の歩道に、
自転車が折り重なるように連なっている。
群馬県内では、前橋市の「重兵衛湯」で、その様な光景が見られる。

2軒とも、ペンキ絵を有する、素晴らしい銭湯だった。
客足の途切れる間が無かったので、
写真撮影などを番台へ申し出る事もなく、帰路に着いた。
そして、家へ帰ってから、とどめの入浴。
短時間で都合、3回入浴した事になるが、体は至って健康。
の筈もなく、乾燥肌が、更に乾燥して、カサカサになってしまった。
おまけに、体温の調節機能が馬鹿になったしまったのか、
今日一日、体温調節がうまく出来ず、甚だしい、倦怠感であった。

黄昏時に、知らない街で知らない人と、湯船に浸かっている時間。
たくましい湯気がたちこめる、浴室。
仄明るい蛍光灯の下。
結露した鏡を手でこすると現れる、自らの、顔。
「大丈夫か、俺」
一寸、弱気に感傷。

【天候】
朝から雨。
山間部では、雪からやがて霙。
夕方には降り止み、冷え込み甚だ強し。