日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

1681声 盆の風光

2012年08月09日

すでに、巷では俄かに盆休がはじまっているらしく、平素とは異なる流れ。
例えば、道路では県外ナンバーが多いとか、
町中では、昼間から犬の散歩をしている人が目に付く。
など、夏休みと言う感が色濃くなってきている。

郷里ですみ暮らしているので、特に里帰りする必要はないが、
この時期の郷里は、そう言う世間の喧騒を別として、どこか違う。
「どこ」と言うところが模糊としていて説明しづらいのだが、
山の風光がそこはかとなく、違うのである。

市内の古い家々の軒先では、はや、
「精霊馬」(胡瓜とか茄子に割り箸をさして作った、あの和風フィギュア)
や迎え盆の提灯などが灯っている。
先祖の霊魂が来ていると言えば、そんな気がしないでもない。
山の麓にあるこの町だからこそ、その風光の機微が顕著なのかもしない。

【天候】
終日、快晴。

1680声 気になる音

2012年08月08日

なんだか、立秋も過ぎて、夜風にコオロギの声などまざってくると、
無性に本が読むみたくなって来る。
平素読んでいはいるのだが、本腰を入れて。
例えば、上中下巻あるような時代小説などの世界に没入したくなる。

そのデンで、手始めに上下巻からなる司馬遼太郎の幕末ものを読み始めた。
司馬遼太郎はあらかた読んだが、この「花神」だけは落としていた。
当然面白く、寝食を忘れ、とまではいかないが、寝る時間を大幅に削ることになる。

最近、読んでいて、気になる。
裏の田圃をゆくバイクの音が、である。
今年は俄かに流行しているのか何なのか、いわゆる暴走族のような音が、
夜半、頻繁に聞こえる。
家の裏は、戦時中に飛行場があったとかなんとかで、広大な田圃である。
そう言う場所だから、閑静な闇夜に改造マフラーの爆音がよく響く。
それが過ぎると、ほんのりと虫の音がもどってくる。

【天候】
終日、快晴。

1679声 夜の秋の犬

2012年08月07日

立秋である。
暦の上では、今年も秋になった。

夜。
いつもの如く家の裏を散歩していると、道の向こう。
闇の中から、何やらチカチカしたものが近づいて来る。
気にしつつも、夜道なのでごく自然に「それ」とすれ違った。
すれ違ってから、おもむろに振り返り、まじまじと確認した。

犬。
なのである。
おじさんが散歩している小型犬なのだが、顔がチカチカしている。
よく見ると、顔の下についている首輪がチカチカしているのである。
そう言う電飾付き首輪が巷に売っているのか、はたまた、飼い主が開発したのか。
闇の中で照らされる犬の顔は、なんだか、滑稽に見えた。

犬と飼い主は、明るい往来の方へ消えて行った。
目の前の空き地とも休耕田でもつかぬところで、
伸びっぱなしの夏の草が、かさかさと揺れていた。

【天候】
終日、快晴。
夜風は涼し。

1678声 一縷の夜風

2012年08月06日

夕方に通り雨があったおかげて、涼しくなった。
月は卵の黄身のごとく、どろりとした印象だが、周りの星が涼しい。

8月6日の今夜は、日本人にとっては常の夜ならぬ日である。
テレビを消して、しばし黙祷。
ちろろろろっと、網戸から吹きこむ、一縷の夜風に虫の声。
もう、コオロギが鳴きはじめた。

【天候】
朝より、快晴。
三時頃から四時過ぎまで、小雨。

1677声 あの音頭

2012年08月05日

勤め人の「日報」の如く、一日の報告のような事はやりたくないのだが、
折からの炎天で、もう思考回路が焼き付いてしまっている。
それなので、報告めいてしまう懸念と、連日のビール疲れをひしひしと感じつつ、
書きたい事を書きたいだけ。

ちろちろっと、高崎祭りを見物してから、長野県の小諸を目指した。
目的は「高濱虚子記念館」である。
小諸は軽井沢の先だし、高崎市より少しは涼しいのであるまいか。
そう言う淡い期待は、佐久のインターを下りて直ぐ、打ち砕かれた。
風が滞留しており、むしろこちらよりも暑いような印象である。
昔読んだ藤村の、あれは「千曲川のスケッチ」だかなにかの印象だと、
涼しげな風が吹き亘っている印象があったが、この猛暑は自分の思い違いか、
昨今の異常気象の影響であろうか。

ひとしきり記念館と隣にある虚子庵を見学し、そのまま、
懐古園をちらりと見て、そそくさと帰ってきた。
連日の祭り疲れもあって、足腰が筋肉痛である。
ともあれ、一昨日に行った桐生八木節まつりりの、あの「音頭」が、
言えば、あの全日本八木節競演大会の出場者の「音頭」が、耳から離れない。
堀澤さんは今年もまた、八木節を体感して、比喩ではなく、泣いていた。
丁度、いま、八木節まつり最終日の最後の音頭を踊り狂っているところであろう。
本町五丁目交差点に屹立している櫓を取り囲んで、祭半纏から湯気をあげて、
無心になって、ただもうその身を、八木節音頭に委ねて。

【天候】
終日、快晴。

1676声 沼田の夕風

2012年08月04日

汗を拭いつつ、炎天のだらだら坂を上がっていた。
駅前からバスに乗ればよかったものを、
市街地まで通じているこの坂をのぼって行こうと思ったのは、やはり。
坂の上から聞こえてくる祭囃子の興奮が、足を動かしめたのであろう。

アロハシャツの背中がびっしょりなった頃、
やっと坂の上にある沼田市街へ着いた。
うろ覚えの記憶を手繰りつつ、吉澤さんの居を目指した。
旧市街と言うのは街の様相を憶えやすいので、見覚えのある看板や商店を伝って、
迷わず到着できた。
すでに、仲間でひしめきあっている座敷に通して頂き、まずは乾杯。
目の前の往来を流れてゆく、祭半纏の若衆や、
雄大な山車を見物しつつの一杯は最高であった。
何より、沼田は夕風が心地好い。

【天候】
終日、快晴。

1675声 祭りの季節

2012年08月03日

祭りの季節である。
住んでいる高崎市も、この土日は、「高崎まつり」で賑わっている。
明日の日曜日には花火があるので、烏川沿いは毎年のこと、
大勢の人出があるのであろう。
ここ数年、夕立に降られることが多かったが、
今年はなんだか大丈夫そうな気がする。

桐生では八木節まつり、沼田では沼田まつりと、
今年の高崎まつりは時期が重なっている。
自分も、高崎からは抜け出して、
この二つの祭りの中に紛れ込んでいると思う。
八木節の音頭がはや、耳の奥で聞こえる言うな気がする。

【天候】
終日、雲多くも晴れ。

1674声 駄目だけれど

2012年08月02日

ここ数日は、晴天なので空がすっきりと夕焼けている。
そんな光景を眺めつつ、
先月号の俳句の雑誌に送った一句を思い浮かべていた。

うつくしと思ふさびしき夕焼かな

勿論、駄目である。
何が、と言うのは言わずもがな、形容詞まみれである。
駄目だけれども、ともかく、今日も夕焼けである。

【天候】
終日、晴天。

1673声 月の水輪

2012年08月01日

夕方になると、どっと疲れが出てしまって、
夕涼みのつもりで本など読み出すと、たちまち睡魔にからめ捕られてしまう。

起きてひとっ風呂浴びて、月夜をほっつき歩きに出掛けた。
青田が並ぶ中に、一枚、水を張っただけの田圃があった。
月光に照らされる水面には、ぱちり、ぱちりと、水の輪が広がっては消えている。
輪の正体は、あめんぼの足跡、である。

闇の中、姿は見えぬが水の輪が月光を反射させてゆくので、それと分かる。
その光景を何とか一句にすべく、しばらく見ていたが、どうにも掴み切れなかった。
明るい場所へ帰って来ると、腕や足には無数の赤い丸。
気付かぬ間に、盛大に蚊に喰われてしまった。

【天候】
終日、酷暑。

1672声 涼しい月

2012年07月31日

夜、風呂へ入る前の数分、外をほっつき歩いている。
今夜は、特に月が涼しげであり、
青田にはいつになく、穏やかな風が吹いていた。

知人の妹さんに、出産の兆しが予定よりも早く現れた。
と言うことを、昨夜電話で聞いた。
満月に近い今日の月を眺めていて、このなまめかしい月光に、
そんな力がありそうにも感じた。

何だか、大人になる程に、夏の終わりに気付くのが早くなっている。
明日から八月だが、すでに、明らかに、
夜の風物からかすかな秋の訪れを感じる。
まだ、日中は苛烈なる炎天だが、夜は。
もっと焦点を絞れば、月は、もう夏の光が薄らいでいる。
その機微が、巧い事一句に捉えられればよいのだが、中々、これが、どうして。

【天候】
終日、猛暑日。

1671声 世代の代表

2012年07月30日

昨今。
巷に虚ろな目が溢れているのは、連日の猛暑に相まって、
このロンドン五輪の影響であろう。

好きな人はもう、色々な種目を網羅すべく、
テレビの中継放送にかじり付くことになる。
この中継放送は当然、ロンドンとの時差があるので、
日中だったり深夜だったり、時間がまちまちである。
スポーツには疎いほうなので、オリンピックと言えどあまり真剣に見る訳でないが、
それでも、自分と同世代の選手が出ている試合は気になる。

例えば、水泳の北島康介選手などはほぼ同世代だが、
2004年のアテネで金メダル、08年の北京でも金メダルを獲得し、
世代の代表選手と言う感があった。
金メダルを獲ったあの日の北島選手。
そして、その報道に沸く市井の印象が、
そのままその年のオリンピックの印象となっている。
2004年の時は東京に住んでいた時期で、
北島選手の実家界隈の商店街の賑わいは、肌で感じたのでよく憶えている。

思えば、出場選手の大変が自分よりも年下となってしまった。
「次」がある選手と、おそらく「次」の期待できない、
つまりは選手生命の最期をかけて臨む選手がいる。
いま、どうしても、後者の方へ感情移入してしまう。

【天候】
終日、猛暑日。

1670声 酔眼花火

2012年07月29日

花火でも観に行こう。
てぇんで出掛けて、往来の即席ビール販売所。
あえなく引っ掛かってしまい、ヘコヘコのコップでビールをガブガブ。
空が暮れはじめるまで、絶えず、ヘコヘコのやつでグビグビ。
花火が上がる頃には、ちと酔眼朦朧としつつも、
浴衣の若者たちに紛れ、どうにか俳句をひとつふたつ作りつつ、観覧していた。

帰りにまた例の即席で、ヘコヘコをゴクゴク。
足取りもヘロヘロになりつつ、どうにか帰って来れた。
そしていま、句帖見て見ると、「花火大会にて」の横に書いてある、
五七五と思しきヘナヘナの文字は、もはや判別不能である。
結句、大いに散財してヘトヘトになっただけであったが、
あとからゆっくり五七五に整えればよいのである。

【天候】
終日、炎天。
夜半に夕立有り。

1669声 変人か俳人

2012年07月28日

夏休みなので、午前中からテレビでアニメを放映している。
それを見終えてから、冷やし中華を食べ、午後からプールにでも出掛けたら。
完全に夏休みの小学生の生活である。

プールへ行って、プールサイドからじっと、もう凝視と言えるほどじっと、
水遊びしている人たちを眺めている人がいたら。
それは、変人か俳人である。

先日。
吟行へ行って、吟行場所の公園に着くと、小川で子供たちが水遊びをしていた。
その周りに、おっさんが二人、私も、その中に加わる。
等間隔で三人のおっさんが、子供たちの水遊びをじっと眺めている。
勿論、句にする為に眺めているのだが、客観的に見れば、そら怖ろしい光景である。
しかし、子供と言うのはそんな視線などもろともせずに、全力で遊べる力が備わっている。

【天候】
終日、苛烈なる炎天。

1668声 戦勝気分

2012年07月27日

どうしても、もう、この、暑さ。
である。
文章の、ほうも、こう、息も絶え絶え。
に、なって、しまう。

土用の丑の日。
と言うことで、スーパーで特売の鰻など買い求めてきた。
それをつまみに、勿論、麦酒で一杯。
冷蔵庫に、先日頂いて来たハートランドビールが四本ばかり入っていたので、
それと、鰻と一緒に買ってきたモルツを飲む。
オリンピックのサッカーとやらで、日本の初戦。
なんでも強豪スペインを破ったとかで、周辺は俄かに沸いていた。
少し前は、女子サッカーのなでしこジャパンが、やはりどこぞの国を破ったとか。
そして、とどめに、高崎商業高校が甲子園の出場を決めたことで、もう沸騰していた。
高崎市に住む、スポーツ観戦好きは、さぞかし酒の美味い日々が続いているのだろう。

鰻と麦酒がなんだか効いていしまって、はや、寝ようと思う。
戦勝国気分に、ほんのすこし、浸りつつ。

【天候】
終日、炎天。
前橋、館林共に37℃超。

1667声 夏の艶

2012年07月26日

大急ぎ大急ぎ。
車を駆って到着したのが、投句締め切りの20分前だった。

座の後の方から、第一声。
「あぁ、いま着いたばかりだからもう少し延ばしましょうか」
締め切り時間を、である。
「いえ、2分で一句作るので、大丈夫です」
などと、いささか危うい決意をして、きっぱり断った。
すると、句の捻出に苦戦しているのか、数名の視線がギロリと刺さってきた。
つまりは、「格好付けずに、もう少し延ばせ」と言うのである。
意を酌んで、机の上のノンアルコールビールも酌みつつ、
「では、3分で一句にさせて頂きます」。

夏衣、白服、浴衣、扇子に団扇に扇風機。
夏は座って句会の参加者を眺めているだけでも、季題が豊富である。
そして、どこか艶っぽい句が多くなるのも、また夏らしさである。

【天候】
終日、炎天。

1666声 ぐたりばたり

2012年07月25日

梅雨の残党がいるのか、ここ数日はすっきりしない天候。
それだからやはり、夏風邪や暑気あたりの人も多い。
すくなくとも、私の周りには。

これが炎天下になると、風邪どころではなく熱中症のおそれもある。
そう言えば、近年は「日射病」なんてめっきり死語めいてきた。

日射病戸板にのせて運ばれぬ  滝沢伊代次

熱中症は「ぐたり」、日射病は掲句のように、「ばたり」と言う印象がある。
そうならないため今宵も、ビタミン、ミネラルの豊富な麦酒を飲むのである。

【天候】
終日、曇ったり晴れたり。

1665声 風鈴のそば

2012年07月24日

まだまだ夏バテで、だらだらしている。
夏風邪の始まりかも知れぬ。
そう思うのは、喉の奥に風邪を引いた時に感じる、
特有の匂いとも味とも判別のつかぬ、ほろ苦い「感覚」がある。

こう言う時は、ひたすら寝転んで本を読んで居たくなる。
時折音色が聞こえる風鈴のそばで、本を読んでいて、
夏バテもなかなか悪くない。
などと、思ったりしている。

【天候】
終日、曇ったり晴れたり。

1664声 茄子の日焼け

2012年07月23日

七月も中旬だと言うのに、早くも夏バテである。
食欲不振だが、日々の雑事をこなす為、のそりのそりと素麺を啜る。
今日、プールの横を通りかかったら、
小さいウォータースライダーをすべってゆく子供たちが見えた。
まだ、真っ黒に日焼けしている子はいなかった。
これが、あと一月も経てばみんな、
茄子の如くに日をはじき返すほど、日焼けしているのだろう。
子供時分はひと夏で、ずいぶんと同級生が大人になった印象がある。
それに出合う、あの二学期の始業式の感動が、ふと思い出される。

【天候】
終日、曇天。