日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

1765声 月と猫

2012年11月04日

ばたばたと人通りのある商店街の商店の軒先で、
丸まっている猫を見かける。
のんきに目を細め、人間世界の動向など、
まったくお構いなしと言った感じである。

そんな猫でも、夕方にはもぞもぞし出し、
日暮には路地から路地へ活動している。
夜になって彼等は、本当の瞳を取り戻す。
月夜の彼等と出遭うと、「はっ」と目を見張るほど、
神秘的な眼の光を宿している。

月光と振り向く猫の眼光と  諒一

【天候】
終日、秋晴れ。

1764声 年末まで

2012年11月03日

何だか、ざわざわかつばたばたした週末の真っ只中にある。
今日は文化の日で秋晴れ。
例年、文化の日は吸い込まれるような青空になっている気がする。
そして、この文化の日を境に、様々な流れに巻き込まれる。
巻き込まれつつ、どうにかこうにか、気付けば大晦日まで辿り付いている。
今年も例外になく、すでに巻き込まれつつも、いつもどおり麦酒は飲んでいる。

【天候】
終日、秋晴れ。

1763声 昭和館

2012年11月02日

11月に入り、風がなんだかぶっきらぼうになって来た。
立冬までもう手の届くところまで来ているので、
山の裏では、からっ風の予行演習でも始まっているのだろう。

昨日、先月一杯で桐生市内にある銭湯の「昭和館」が、
その86年の歴史に幕と閉じたことを知った。
最後に行ったのが、今夏の「八木節祭り」初日であった。
桐生の街から、昭和史の源流が一つ枯れることになる。
「惜しい」とは思うが、「よくぞここまで」と言う思いの方が強い。

【天候】
終日、秋晴れ。

1762声 青い山

2012年11月01日

冬が近くなるにつれ、家の裏手に見える榛名山や赤城山。
その遥かに見える連山が、遠くなった。
風が冷たく澄んできたから、そう感じるのだろう。
実際には遠くなっていないのに、遠く見える。
それだったら、あの山の青さも、何だかあやしい。

【天候】
終日、秋晴れ。

1761声 南瓜のお化け

2012年10月31日

今日は、10月31日水曜日。
先週末には、街に随分と仮装した人たちが出たようである。
と言うことを今週、テレビや新聞報道で知った。
近年、一挙に定着感のあるイベントになった「ハロウィン」。
ここまで来ると、今年あたりも多くの俳句が生まれ、
歳時記に載る日も近いのではないか。
すでに、版の新しい歳時記の「秋」の頁には載っているかも知れぬ。
ともあれ、街中の商店や金融機関や病院、どこへ行っても南瓜のお化けだらけ。
学校などでも「仮装」を通して、このイベントに触れているところもあるらしい。
いまや、一月後のクリスマスと肩を並べる、堂々たる、晩秋のイベントとなった。

ハロウィンの魔女の衣装が干してあり   諒一

【天候】
終日、秋晴れ。

1760声 小さな風

2012年10月30日

毎年、背高泡立草が黄色い花をつけて群生する時期が来ると、悩まされる。
小さな虫に、である。

大きさは2、3mm程度で小さめの天道虫と言った具合。
全体的にこげ茶色をしている。
その虫が、秋日和の日中など、何百匹と家の白壁にはり付いている。
白い物に目が無いらしく、干してある蒲団やらシーツも勿論。
来ている白いシャツにまで、飛び付いて来る。

玄関を開ければ中に数匹。
シャツを取り込めば、ポケットの中に数匹。
家の中のどこかに、相当数入り込むという始末の悪い虫なのである。
背高泡立草の群生と時期同じくして出現するので、
自宅周辺の群生地が奴らの根城だと考えている。
しかし、奴らの天下も短いもので、ここ数日、気温がぐっと冷え込んだので、
一斉にどこかへ退散してしまったようである。
あんな小さなものでも、風の変わり目がちゃんと分かっている。

【天候】
午前中曇り、午後から秋晴れ。

1759声 十三夜

2012年10月29日

十三夜は二日前だったが、今宵は未だ、月光を清かに感じた。
日中がすっきりとした秋晴れだったので、月が冴えたのである。
外へ出て吟行しようと思い立ったが、夜になり、
風がぐんと冷え込んでいたので止めた。
十五夜からの、季節の移ろいをしみじみと感じ、
月光も、何だかきめ細かになっていた。

【天候】
終日、風少し強くも秋晴れ。

1758声 最初の麦酒最後の麦酒

2012年10月28日

昨晩は中之条と前橋と、二つの場所で杯を酌み交わした。
当然、一晩の合計酒量も増える。

しかし、一晩明けた今日は、左程残っていない。
ちゃんぽんにちゃんぽんを重ねる様な飲み方で、あまり強くない私などは、
ある程度二日酔いは覚悟していたのだが、平気である。

要因の一つとして、滑り出しが良かった。
と言うことを、いま、暇なので検証している。
乾杯の生麦酒は、「モルツ」だった。
私の好きなラガービールの一つである。
そして、モルツの次は、銀河高原ビールの「ペールエール」。
これも、私の好きなエールビールのひとつ。
つまり、この上なく良い滑り出しでの酒席だったのである。

その後はもう、日本酒と得体の知れぬワインと、また麦酒と。
はしご酒の最初に飲む麦酒と、最後に飲む麦酒。
堀澤さん最近、後者に重きを置いているが、私は前者にいくらか分があると思う。

【天候】
終日、降ったり止んだり。

1757声 中之条駅発高崎方面行最終列車

2012年10月27日

夕方の吾妻線である。
寂寞たる晩秋の景が広がる車窓を眺めつつ、中之条駅で下車。
そこから歩いて、中心街にある旧廣盛酒造蔵を目指す。

およそ10分ほどで到着し、早速、作品を見学。
作品、てぇのは、今日から9日間続くものづくり作家16人展。
「秋、酒蔵にて」が開催されているのである。
そのオープニングの宴に、参加してきた。

今回は、「宮澤賢治の銀河鉄道の夜」のテーマに沿って、
作品が製作されている。
開催期間中の酒や料理、そしてこの宴の料理でさえも、
テーマに沿って作られている。

一足先に会場を出て、中之条発高崎方面行きの最終列車に乗り込む。
人も疎らな列車内。
遠くに見える街の灯。
夕景の寂寞たる思いは消えて、
賢二の童話のようなファンタジックなもの見えて来るから、不思議であった。

【天候】
終日、秋晴れ。

1756声 寒さとの格闘

2012年10月26日

種々雑多な要因があり、定例の句会場所である素竹邸へ到着したのが、
締め切り30分前であった。
座にある皆は、もう外を吟行してきた後で、星月夜やら流れ星やら、
話が盛り上がっている。
この会は10句投句なので、単純計算3分で1句。
もう、外へ行って流れ星を待っている余裕は、私には無い。

机の上の煎餅をつまみつつ、作戦を練る。
湯呑の横の半紙には、席題が幾つか書かれている。
それを眺めていて、「夜寒」が目に止まった。
これ、である。
席に居ながら、向こうからやって来てくれる季題。
この寒さの一派、つまり、そぞろ寒、うそ寒、夜寒など。
これを一網打尽にして、10区揃えようと思い立ち、早速、上着を一枚脱ぐ。
もちろん、奴らをおびき寄せる為である。

鼻水を垂らしつつ、どうにか寒さで8句、他2句揃え、投句できた。
この寒さとの格闘の成果が、果たして句に反映されたかどうかはあやしいが、
取り合えず、熱っつぅい風呂に浸かりたくなった。

※「お問い合わせ」に俳句の掲載情報をメール頂きました方々にご連絡です。
  本サイトの「クレインダンス」のコーナーに、掲載しておきましたので、ご確認ください。

【天候】
終日、秋晴れ。

1755声 デジタル俳句

2012年10月25日

「あれ、スマホですか」
などと、時折、驚きながら言われることがある。

先入観、なのであろう。
銭湯や俳句に心魅かれているあたり、
あいつには黒いダイヤル電話がお似合いである。
そう言う「像」が出来上がっていることと思う。

例を上げれば、俳句。
宗匠頭巾をかぶった先生の下、皆、短冊に筆で句をしたためておるイメージを、
まったくこれらの文芸に、縁の無い方は持っているかも知れぬ。
しかし、現代である。
60代、もしくはその上の世代の方でも、
吟行の際、携帯電話やスマートフォンに句をしたためているケースを良く見かける。
そして、それは女性に殊に多い気がする。
若い人になると、ipadなどのタブレット端末を操りつつ、吟行される方もいる。

スマホを持って驚かれている私も、果たして使いこなせているかどうか。
因みに、俳句を書きとめるのは、もっぱら句帖に鉛筆である。

【天候】
終日、秋日和。

1754声 零余子

2012年10月24日

昨夜、「零余子」を生まれて初めて食べた。
蛇足ながら、零余子と書いて「むかご」と読む。
上州出身の俳人に、「長谷川零余子」があるが、
氏の号は「れいよし」と読む。

このむかごとは、山芋の葉のにできる、パチンコ玉くらいの球芽。
俳句の世界では、晩秋の季題の「零余子飯」として広く知られている。

笊に、塩茹でした零余子が盛られて出て来た。
その味わいは、とても山気豊かな滋味があった。
なんだか、懐かしい様な馴染み深い味である。
その味を通して、DNAに眠る自らのルーツに、触れたような気がした。

【天候】
終日、秋日和。

1753声 夕刊奔走記

2012年10月23日

奔走。
と言うほどでもないが、探していた。
新聞の夕刊を、である。

俳句が15句掲載されることになっていたので、
掲載誌を買い求めて見ようと思っていた。
夜、コンビニをはしごしたのだが、売っているのは日刊ばかり。
地方都市、それも郊外のコンビニだからであろうか。
普段、夕刊を読む習慣がないので分からない。

そのまま、あきらめて車へ乗り込むと、
知人より掲載されていた旨の連絡が来たので、どうやら問題なかったらしい。
未だに掲載誌は見ていない。
しかし、文章と違って、俳句の内容なんてものは変わりようがないので、
その連絡を聞けば、別段掲載しに目を通さずとも良いような気持になった。

【天候】
曇りのち雨。

1752声 秋の贅沢

2012年10月22日

帰りがけに、コンビニへ寄って買った。
琥珀エビスを、である。

麒麟の「秋味」も、国内の缶麦酒界における秋の代名詞だが、
これはその発売時期から見て、初秋の感が強い。
この「琥珀エビス」は毎年、今時期、つまり11月にそろそろ手が届こうかと言う、
晩秋に発売される。
限られた店では年中「生」で飲めるのだが、全国的に缶麦酒が出回るのは、
やはり晩秋である。
そして、年明けの慌ただしさとともに、いつしか、店頭から姿を消している。

そう言う「プレミアム」感の濃い麦酒なのだが、そうだからと言って、
マリアージュ式に、小洒落た料理との相性を説く必要はないと思っている。
私は、この琥珀エビスとの相性が良い料理は、何と言ってもコンビニのおでんだと思う。
500円でお釣りがくるくらいに見繕った、コンビ二のおでんと、琥珀エビスを二缶。
しめて1,000円の贅沢。
この上ない、この秋の楽しみが、毎年、私の秋を更に深めてゆく。

【天候】
終日、雲多くも晴れ。

1751声 琥珀の湯

2012年10月21日

久しぶりに、遠方の銭湯へ足を伸ばした。
埼玉県は加須市の「ときわ湯」から、行田市の「中将湯」にはしご湯をした。

今回は車だったので、淡々と目的地を最短距離で巡った。
どちらも、立派なペンキ絵を有する、風格ある伝統銭湯。
特にときわ湯は、おそらく一番湯だったので、気持好かった。
時刻は午後三時半。
天窓から差し込む西日が、湯の上にとろとろと溜まりつつ、
琥珀色に光っている風情などは、ちとオツなものである。

電車で向かっていないので、湯上がりに赤提灯で一杯。
と言う訳にはいかないが、寒い時期はどうも、
はしご湯して帰ると風邪をひいてしまう恐れがあるので、
その楽しみを味わえず、断腸の思いでハンドルを切る。
帰路、熊谷市街を抜ける辺りで、もう喉が疼いてしかたなかったが、
我慢に我慢を重ねて、どうには帰ってこれた。

【天候】
終日、実に秋晴れ。

1750声 たらこたらこ

2012年10月20日

先日、親戚から「たらこ」がしこたま送られて来たので、
朝晩ともなく、たらこを食べている。
当然、今夜もたらこで飲んでいる訳だが、
一杯やるには。たらこはちと塩辛い気がする。
もっとも、本格的な呑兵衛ならば、物足りない位なのであろうが、
私は軟弱なる麦酒党員である。
炊き立てのご飯があったら、などと考えてしまう。

イギリスのロックバンドに、モーターヘッドがある。
フロントマンであるレミーのお気に入りは、コーラのジャックダニエル割り。
1975年のバンド結成以来、シラフでいたことは一度もないと言う、逸話を持つ豪快な人物である。
近年、糖尿病との診断結果を受け、その対処法として彼が実践しているのは、
ジャックダニエルとコーラの、割る比率を変えただけだそうな。

そんな記事を思い出しつつ、かつ、糖尿病や痛風に恐れをなしつつも、
たらこをもう一本オーブントースターに入れ、冷蔵からもう一缶。

【天候】
終日、実に秋晴れ。

1749声 俳句の中

2012年10月19日

ある高校の俳句部での句会が果て、
二次会へ移動するべく、教室の前で待っていた。
さっきまで句会に参加していた中学生が颯爽と、
教室を出て階段を駆け降りて行った。

「彼は野球部とのかけもちなんです」
私の横に居た、この学校の卒業生でもある俳人が教えてくれた。
「野球と俳句なんて、なんだか意外な取り合わせですね」
私がそう言うと、彼はすこし考えてから、
「子規もそうですよね」
と、言った。

確かに、その通りである。
自らを俳句の「中」に置くことによってできる固定観念と言うのは、
おそろしいと感じた。
と同時に、その中から今一度出て、
外側から眺めてみなければなるまいとも、思った。

【天候】
終日、秋晴れ。

1748声 利き店

2012年10月18日

「高崎バル」。
まず簡単に説明すると、「バル」てぇのは、立ちのみ酒場を意味するスペイン語で、
近年、「なんとかバル」式に、全国の街でこの「街バル」行われている。
その一環である「高崎バル」へ行って来た。

5枚つづりのチケットを購入して、スタート。
私はチケットを持っていなかったので、一緒に行った仲間に着いてゆく。
この機会でなければ、まず扉を開けないような店。
私の場合で例えれば、勘定が高くつくそうな店などにも、安心して入れる。
そして、チケット1枚分の料理を食べ終えたら、気がねなく店を移れる。
この2点がとても快適だった。

どんどんはしご酒をして、「利き酒」ならぬ「利き店」が出来る。
好きな店には、3日間の高崎バル開催期間が終わった後にでも、
ゆっくりと行けばよいのである。
こう言うシステムに則る、と言う飲み方も面白いものであった。

【天候】
曇りのち雨。