日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

1707声 秋の反響

2012年09月06日

秋の夜である。
風物が澄んでいるので、宵の景色が綺麗に見える。
雲に映る紫色の夕焼け。
遠くに瞬いている潤んだ夜景。
虫の声も、立秋の頃からは代替わりしているようで、
よりしみじみとした音色になってきた。

部屋の隅に立てかけてあるギターを手にとって、
鳴らしてみると、そこはかとなく鳴りが良い。
アコースティクなので、音の違いはエレキギターより繊細に分かる。
秋の空気を吸った木が、弦の振動をよく反響させているのか、
はたまた、自分の感覚が鋭敏になっているのか。
弦はいつの間にか随分と錆びていたが、自分の腕よりはましなようである。

【天候】
快晴、夕方一時雨。

1706声 コスモスの駅

2012年09月05日

今夜は殊に蒸し暑い。
月光もなんだか濁っていて、虫の声も重たく感じる。
それと関係があるのだろうか、部屋の中に小さな羽虫がやけに多い。
特に、蛍光灯のあたりに狂い飛んでいる。

群馬県山間部にはもう秋の気配が濃く、路肩にコスモスなど揺れていた。
さる俳人の方に聞いたのだが、俳句大会などで選をしていると、
「コスモス」と「無人駅」を取り合わせた句が、毎回多く出て来るらしい。

この二つを織り交ぜた、現代の月並俳句の代表選手のような句を、
俳句初心の頃に作っていたことを思い出した。
ローカル線の夕暮の車窓風景に馴染み深い人間にとっては、
そんな凡句を作りたくなる心境が痛いほどよくわかる。

【天候】
終日、快晴。

1705声 日焼子

2012年09月04日

気候が爽やかになった為であろうか。
最近、殊に眠い。
終日、ぼんやりしながら過ごしている。

一番眠い頃が、正午から夕方くらいで、いま振り返っても、
記憶がとびとびになっている。
そんな中、午後三時を過ぎたころ、小学一年生であろう。
みな黄色い帽子を被っているので、それと分かる。
往来にぞろぞろと下校して行く姿を見た。

夏休み明け直後。
いくら子供と言えどみな大人しく、
いささか本調子ではないように見受けられた。
しかし、もれなく真っ黒に日焼けしているので、
なんだかすこし安心した。

【天候】
日中、晴れ、夕方に一時雨。

1704声 新涼の豆腐

2012年09月02日

残暑も一区切りついて、ようやく、涼しくなってきた。
単に「涼し」だと、夏の季語となる。

後藤夜半の句に、こんな句がある、

涼しやとおもひ涼しとおもひけり

真夏の往来を歩いていて、冷房の効いた室内に入った。
はたまた、風の通り抜けるトンネルに入った時など、
まず反射的に「あっ、涼しい」と思う、ポロっと独り言などもでる。
そして、体から暑さが逃げて行って改めて「あぁ、涼しい」と思う。

そう言う涼しさの季節から、秋の季語である「新涼」の季節になった。
こんどは前田普羅に、こんな句。

新涼や豆腐驚く唐辛子 

冷奴だと思う。
この冷奴は、とても美味しそうだといつも思っていた。
そして、新涼の時期になったら、ぜひ、実践してみようとも。

【天候】
終日、降ったり止んだり。

1703声 秋の虫籠

2012年09月01日

地元の商店で、買い物をしていた。
レジで小銭を勘定していると、ふと、幽かな音が耳に入って来た。
懐かしいその音色の方へ、吸い寄せられるように足を向けると、
隅の薄暗がり。
棚の一番下に置いてある虫籠の中から、聞こえる。

鈴虫、であった。
5匹位入っているのだろうか、値札には380円と書かれている。
他にも小さな入れ物があって、カブト虫やクワガタなぞ売っていた。
因みに、カブト虫が300円にクワガタが400円。
ノコリリクワガタの方が、一匹の値段が高いのである。

時刻を見ると夕方なので、鈴虫が丁度鳴き始める頃である。
しばし聴き入って、ゆらゆらと思い出に浸っていた。
鈴虫が好きだった祖母も、今月で一周忌である。

【天候】
朝に一時通り雨、その後は晴れ。

1702声 炭ラーメン

2012年08月31日

昨日、上野村まで出かけたついでに、南牧村で「炭ラーメン」を食べて来た。
炭ラーメンとは、食用微粉炭を練り込んで作った特製の麺を使用した、
村の名物とも言えるラーメンである。
したがって、麺は黒い。
白濁したスープの中から、箸でこの麺を摘み上げた瞬間。
初めての人は大抵、低く感嘆の声を漏らす。

この炭ラーメンのある南牧村は、群馬県内でも屈指の自然がある。
そう言う自然の中で食べるから、この炭ラーメンが活きるのだと感じた。
南牧村、そしてその奥の上野村まで行くと、高い秋の空でさえ随分と近く感じた。

【天候】
終日、快晴。

1701声 片方の靴

2012年08月30日

明日で8月も果てる。
のんべんだらりとひと夏を過してしまったが、
ふと、心の残りがあることに気がついた。
道端に落っこちている、薄汚れた片方の靴の如くに、
どうでもけれど、なんとなく気になる。

海、なのである。
その心残りは、海に行けなかったことに起因している。
毎年海を見に行っているわけでも、
マリンスポーツを趣味としている訳でもないが、
妙に海のあのきらめく波のうねりが、心にちらつく。

子供時分。
夏休み明けに久しぶりに友達と会うと、
夏休みにどこに旅行に行ったかが、話の糸口だった。
海なし県に住み暮らす人間にとって、夏休みに行く海は羨望の的であった。
あの自分の感覚が、まだ、心の隅に残っているのかもしれない。
連休明けの勤め人も、「どっか行ったの」と言うのが話の糸口になっているので、
大人から子供に伝染していった風習なのであろう。

【天候】
終日、快晴。

1700声 第1700声記念特別企画「鶴の手拭い恩返し」PartⅡ

2012年08月29日

この日刊「鶴のひとこえ」。
本日でめでたく、第1700声の節目を迎えました。
クレインダンスより、読者の方へ景品の手拭いをもって恩返しさせて頂きます。
まだまだ残暑厳しい折、手拭はとても重宝します。
手拭い一本あれば、道すがらに見つけた銭湯でひとっ風呂。
なんて楽しみもありますからね。

選りすぐった手拭いを、抽選で2名様に、
一品づつプレゼントさせて頂きます。
現世かつ公平な抽選をもって、当選を決定させて頂きます。
それでは、下記を参照したうえのご応募、お待ちしております。
そして、これからもひとつよろしくおねがいします。

■応募方法
送付先の「郵便番号」・「住所」・「氏名」を明記の上、
Topページにある【お問い合わせ】よりご応募下さい。

■応募締切
平成23年9月2日(日)

■当選発表
厳正な抽選のうえ、当選者には景品の発送をもってかえさせて頂きます。

■アンケート
日刊「鶴のひとこえ」に対して、ご意見ご感想をご記入下さい。
※後日掲載させて頂く場合がございます。(無くても可)

※お一人様、メール一通のご応募とさせて頂きます。
応募に際し、頂いた個人情報は、当企画の目的にそった景品送付等にのみ利用し、
他目的には利用しません。

【天候】
終日、雲多くも快晴。
今年初の鰯雲で、日ざしこそ強いが秋めいた空。

1699声 酒と麻酔

2012年08月28日

明日で1700声の節目を迎える。
それは明日書くので、今日は今日である。

どうにも、歯が痛い。
虫歯になっている、否。
なりかけているので、表面を削っておきます。
と言うのが、今春、歯科医院の診察台で聞いた話であった。
それから半年経った、現在。
つい先日の夏風邪の後遺症が、この弱っている歯に集中的に出ている。

ズキリズキリとした、痛みに耐えながら、人類と歯痛との戦いには悠久の歴史があるのだ。
などと、悠長に考えていた。
そんな考えに至るくらいなので、まだ深刻では無いのだろうが、歯の痛みがこんなにも、
生活全般における行動意欲を削ぐとは思わなかった。
痛みから逃れる為に、麦酒を余計に飲んでしまう。
酔ってうやむやにしてしてしまおうと言う魂胆だが、こう言う時に限って酔わない。

唐突に、ひとつ、思い出した。
学生時分、歯医医院で歯を抜く手術の際に、まず麻酔をかけた。
注射器で歯茎に「チューッ」と麻酔を入れたが、少し効きが浅かったので、
「もう一本お願いします」と、執刀主に頼んだ。
その時、「君、大人になったら酒が強いかもしれんぞ」とマスクの内からそう呟いて、
おもむろにもう一本打ってくれた。

大人も中年の域に差しかかった現在でも、たいして酒に強くなっていない。
酒に弱く麻酔強くと言うのは、随分と損な体質な気がする。

【天候】
終日、快晴。

1698声 録画装置購入記 後編

2012年08月27日

昨日の続き。

早速、大型電気量販店に行き、こそこそ録画装置のコーナーを物色していると、
ひとつ、機能は十分にして値段は安価なマシーンを一台発見した。
メーカー名は素人目からみても二流だと分かるが、
使用している自分のテレビもこのメーカーのものなので、問題ない。
むしろ、どうしても王道から逸れたものを選びたい自分の傾向に合っている。
片方の耳にイヤホンを付けている店員の方に、価格の理由を尋ねると、
「展示処分品」だと言う。
なるほど、マシーン前面の液晶部分から天板部分にかけて、大きなすり傷が目立つ。

これも何かの運命とか、「処分品」の悲哀とか、自分を納得させて購入する事にした。
ペットショップで動物を購入するようだが、そうでもしないと、
さみしい懐具合の踏ん切りがつかないのである。
帰宅し、早速テレビにこのマシーンをセットすると、ずいぶんと傷だらけな事に気がついた。
それもあの売り場で奮闘して来た勲章ではないかと、納得し頭を掻きながら、配線をつないだ。
小一時間もかけて配線を終え、汗を拭って電源を押した頃には、もう日曜日も終わりかけていた。
二度三度、リモコンの電源を押しても本体装置のランプがつかぬ。
要するに、リモコン内部に入れる単4電池2本が入っていなかったようである。

【天候】
終日、快晴。

1697声 録画装置購入記 前編

2012年08月26日

少しは風邪の症状も緩和してきたが、まだ、
この残暑の炎天下に立ち向かう勇気が湧かない。

家で大人しくしていようと、テレビなぞつけると、
日本テレビでは「24時間テレビ」の真っ只中。
学生時分、この24時間テレビのエンドロールは、
即ち、自分の夏休みのエンドロールでもあった。
あとに残った大量の宿題を一週間で終わらせ、
2学期の学校生活に帰らねばならぬと言う、寂寥感。
それは、日曜日のサザエさんの比でなく、
心に重くのしかかっていた思い出がある。

そんなことから、最近はめっきりテレビをつけなくなってしまったと言う思いに至り、
そもそもテレビ番組の録画装置が無いことがその要因として浮上し、
それならば、安価な録画装置など手に入れて見ようと言う考えに帰着した。
情報収集の為にインターネットで確認すると、HDレコーダーにBRレコーダーにDVDレコーダーに。
そしてともかく、大は小を…方式に、
それらが一体になっているものを購入するのが得策であろうと決めた。

長くなりましたので、続きはまた明日。

【天候】
終日、快晴。

1696声 蝉と扁桃腺

2012年08月25日

依然として、体調は芳しからず。
それでも、酒場へ出掛ける用事がある。
昨日の用事は反故にしたが、
今日はもうヤケクソ的になってきたので、出掛けようと思う。

若い時分。
少しの風邪でも、大いに飲んだ翌日はケロッと治っていた。
その幻想が未だ消え失せずに、頭の隅に滞留している。
これには幾度、痛い目にあわされたことか。
そして、いま、まさにそれを繰り返そうとしている。

夏風邪は厄介だと聞く。
窓の外で、喘ぐように秋の蝉が鳴いている。
その声が聞こえるたび、奥歯の辺りがズキズキと痛む。
おそらく、風邪に起因する歯痛かと思う。
こう言う時は、最初の一口の酒で、勝敗が決する。
その一口をクリアできれば、次の一杯、また一杯。
と、いつもの如く深みにはまってゆく。

さて、首尾よく酒を飲めたとして。
幻想はやはり幻想のまま終わるのだろうか。
それとも。

【天候】
終日、快晴。

1695声 夏風邪

2012年08月24日

今朝起床して、徐々に気がついた。
口腔の違和感に、である。
おまけに、倦怠感と扁桃腺の痛み。

どうやら、夏風邪をひいてしまったようである。
残暑疲れと相まって、遂に体調を崩してしまった。

体調が芳しくないと、これほどまでに堪えるのか。
と言うほど、残暑が辛い。
今日は、栄養ドリンクなど飲みつつ、安静に。
でも、麦酒は一缶くらい飲んで、寝ようと思う。

【天候】
終日、快晴。

1694声 さびしい音色

2012年08月23日

木曜の句会であった。
いつものことながら、大幅に遅れて先生宅に到着した。
車を庭に停めると、もう薄闇のそこかしこに、句帖を握りしめた人たち。

取り合えず、机の上の残り物で腹ごしらえをして、
落ち着いたところで、裏の田圃まで出掛けた。
月は見えないが、降るような星空と一面の虫時雨である。
遠く、伊香保の灯が風に潤んで見える。

ぽつりぽつりと句を作り始めて、ふと、気がついた。
かすかに、かすかに、鈴を振るような音色。
鈴虫、である。
それも野生の。
近年、野生の鈴虫は激減しているので、とても久しぶりに聴いた。
しばしその繊細な音色に聴き入っていたが、
一匹しかおらず、さびしい音色である。
それでも、やはり、鈴虫の音色は他とは一線を画す趣がある。
句としては結実しなかったが、小さな感動を得た。

【天候】
終日、快晴。

1693声 噴水の空

2012年08月22日

もうじりじりと、痛いくらいの日差しである。
今夏の暑さは、本番よりも残暑の方が厳しい。

夏の電力不足を懸念していた節電も、一段落。
そう思ったのは、今日。
通りかかった前橋公園で、噴水が大きく放物線を描いていたからである。

公園内。
利根川の畔に、大噴水がある。
都市公園にしては見事な水量で、見ごたえがある。
力強く吹き上がる、一本の水柱であったり。
四方から中央に向かって噴射したり、その仕掛けも多彩。
水量が強いので、子供の水遊びには向かないが、ぼんやり眺めるには良い。
そして、一人でぼんやり眺める噴水は、ちとさびしい。
「ばちゃ」っと、投げやりに噴水が止んだ後、あっけらかんと残る空。

【天候】
終日、快晴。

1692声 小さな動物

2012年08月21日

この残暑に、ほとほとまいっている。
今日も県内最高気温は館林市で37℃と言う、
洒落にもならない暑さであった。

炎天下、である。
腐食のすすんでいる外の階段で、
およそ煙草一本ほどのゲジゲジを見つけた。
じっとしていたので、何とはなしに靴で階段の隙間から落とそうとすると、
「サッ」と、目にも止まらぬ速さで、逃げてしまった。

ゲジゲジの動きは、自分の知っている限り愚鈍な印象を持っていたが、
その印象を、この一匹に新しくさせられた。
梅雨の頃によく見かけたゲジゲジは、たしかに、のそのそしていて、
その何百本かの足の動きまで観察できた。
しかし、今日の、この盛夏のゲジゲジは観察はおろか、そのスピードたるや、
暑さに浮かされて見た幻影ではなかろうかと、思う次第であった。

本当に幻影だったら、随分つまらぬ幻影なので、実際に見たと思う。
地球がどんどん暑くなっていったら、このゲジゲジのような小さな動物たちが、
幅をきかせるのではなかろうか。
人間は外へ出る事が出来ず、冷房の効いたシェルター住まい。
そして、小さな動物たちが占拠する、新しい地球。
これは、暑さに浮かされた私の幻影であり妄想である。

【天候】
終日、快晴。

1691声 虫の闇

2012年08月20日

お盆を過ぎて、残暑が厳しい。
日中は猛暑で、外へ出るのが危険状態だが、
夕方の風は驚くほど澄んでいる。
そう感じるのは、薄紫色の山陵や涼しい色に揺らぐ夜景など、
風物全体に「澄んだ」印象を受けるからである。

夜は日毎に虫の音が増えている。
俳句をやっているくせに、虫の音はおよそ、
五六種類くらいしか聞き分けられない。
聞き分けて見ようと、外へ出て真っ暗な田の畦道を歩くのだが、
虫時雨が闇と一緒に圧し掛かってくるほど、迫力がある。
よく見れば、大型の精霊バッタなども闇の中でキチキチ跳ねており、
何だか気味が悪くなって、直ぐに夜歩きは止めてしまった。

もし、生粋の都会っ子俳人をこう言う場。
つまり田舎の畦道などへ吟行に誘ったなら、おそらく俳句どころではないだろう。
押し寄せる蚊の大群。
波のように広がる虫時雨。
地面を跳ね跳ぶバッタやコオロギの類。
頬の当たりに蛾の大きな奴が「ピト」っとくっついた日にゃ、
卒倒してしまうのではなかろうか。
かく言う私も、首をすくめながら畦道を引き返して来たので、
偉そうに言えたものではないが。

【天候】
終日、快晴。

1690声 離宮

2012年08月19日

「承応3年に甲府藩主の徳川綱重が…」。
と言うのは「浜離宮」の案内看板にあった説明で、要は将軍家の別邸や鷹狩の場。
そして、幕末には、幕府海軍伝習屯所。
明治時代には天皇もたびたび訪れていた、離宮で、いまは都立公園になっている。

林立するビルに囲まれた人造公園。
と言ってしまえば興もないが、魚や蜻蛉、何より蝉時雨がすさまじく、
都会の緑だが、生態系は息づいていた。

しかしながら、炎天下がどうにも体に堪えられず、麦酒の酔いも手伝って、
早々にビル街へと辞した。
新橋はすぐそこ、あとはもう、小銭を勘定しながら麦酒を飲むばかりであった。

【天候】
終日、快晴。