日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

1006声 金借りたい茅刈りたい

2010年10月02日

「茅葺」
と書いてみて、こう言う漢字を書く事を、恥ずかしながら初めて知った。
これで、「かやぶき」と読む。
あの、かやぶき屋根の「かやぶき」である。
古くは縄文時代の竪穴式住居であったり、江戸時代の農家であったり。
現代では稀になってしまったが、県内でも、
主に養蚕農家などでかやぶき屋根の家が見られる。
集落としては、岐阜県の世界遺産である、
「白川郷・五箇山の合掌造り集落」が有名である。
そのかやぶき屋根の家を、中之条町に建てよう。
ってな事をやっているのが、ほのじ氏。
「中之条に家建てようと思うから、抜井もまぁ、ひとつ手伝ってよ」
「分かりました、で、あたしゃ何やりゃ、いいんです」
「今度、みんなで草刈りに行くから、鎌持って来て」
「あいよ」
その草刈りの日が、今日だった。
「草刈り」ってから、私はてっきり、住居建築予定地の除草作業だと思い込んでいた。
しかし、着いた先は、一面のススキ畑。
十五夜はもう大分過ぎてしまったが、お月見とは風流な。
などと思っていると、周りの人たちはそそくさと着替え始めて、
長靴とジャージに首巻タオル。
そう、この「草刈り」ってのは、かやぶき屋根に使う「かや刈り」の事だったのだ。
根元から2,3cmの所を、鎌で鋭角的に刈って行く。
じゃあ、ってんで刈ろうとすると、鋭角的に飛び込んできた声。
「おまえそれで刈るの」
「えっ、はい、草刈りに役立ちそうなものがこれしかなかったんで」
「それは、おまえ、枝切りばさみだろ」
私が持って行った、枝切りばさみで一本ずつ切ってたんじゃ、
確かに日が暮れてしまう。
本職の方も来ていらして、鎌一本で短時間の間に、
山のようにかやを刈ってしまった技には驚いた。
私はもっぱら、かやを集めて紐で縛る。
と言う作業にやり甲斐を見出し、一心不乱に縛り上げていた。
家が建ったら、囲炉裏で燗でもつけてみようか。
ともあれ、未だ先は長そうである。
【天候】
朝、薄曇り、後、爽やかな秋晴れ。
終日、風も無く、穏やかなり。

1005声 猫の福

2010年10月01日

昨夜は俳句の先生宅で行われている、句会に参加した。
出掛けるのが億劫になる冷たい雨も、
俳句を詠むにはチョイとオツなもので、好適と言える。
「一日一句」などと自分に言い聞かせ、7月より毎日句作してきた。
そして、「一日一句は無駄に非ず」
と言う事を、環境の違う場所で突発的に句作してみて、改めて実感できた。
よって、「一日一句」、今少しばかり続けてみようと思う。
一日一句はまだ3カ月だが、およそ3年も毎日やってきたのが、
この日刊「鶴のひとこえ」である。
1000声記念企画から一夜明け、また走りださねばならない。
次に目指す地点は、1100声。
沿道からの声援が聞こえないのが、ちと寂しい。
句会から帰宅し、夜半の玄関をそっと開けると、
ポストに突っ込んである封筒が見えた。
部屋の灯りを点けて、送り主を確認すると、「招き猫美術館」。
「猫世界からの招待状だろうか」
などと奇妙な物語を想像していると、思い出した。
そう言えば、先頃、「第4回招き猫俳句大賞」に応募したのだった。
この俳句大賞で大賞を得た場合は、「木彫りの招き猫」が貰えるのである。
何かの折、その招き猫を一目見て、何故だか分からんのだが、
「これさえあれば福が来る」、
突然そうひらめき、筆をとった。
封筒の中に入っていたのは、賞状。
結果を言うと、大賞。
ではなく、入選だった。
2010年9月30日から12月14日まで、「第4回招き猫俳句大賞展」として、
美術館に展示されるらしい。
入選句を見ると、なんだか、ワルノリ俳句に通ずるものが少なからずある。
群馬県からは、どうやら私だけらしい。
封筒の中には、招待券も同封されていたので、
もし御覧になりたい方は1名様にプレゼント。
っても、「招き猫美術館」の在所は岡山県岡山市。
群馬県からはちと遠いし、岡山県の方が読んでいる筈も無かろうし。
木彫りの招き猫は獲れずとも、副賞でもらったポストカードに描かれている、
様々な招き猫を眺めていると、副が来そうな予感。
【天候】
朝、曇天。
正午には回復し、雲が溶けた様な穏やかな青空。

1004声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第5回(全5回)

2010年09月30日

■クレインダンス対談 第5回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
偶然ゲスト:M先生
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜話は現内閣、つまり政権の中枢に至って〜
M先生:今、S(閣僚の方)に電話してみようか。
一同:(必死で)いや、勘弁して下さい!
M先生:ちょっとこれ、ワイン塩、パイナップルに付けて食ってみ。
抜:はい。(一口食べて)うん。
M先生:甘みを引き立てるか。
抜:いや、全く。全く、あいません。
M先生:そうか。(一口食べて)駄目だな。全くあわない、と言う事が分かった。
それが、その「分かる事」が、大切なんだ。
物にも「五行陰陽」がある。
抜:先生、ちょっといいですか。
M先生:うん、なんだ。
抜:先生は川端康成に会った事がある。ってのは本当ですか。
M先生:いや。会った、んじゃなくて、骨董仲間だよ。
抜:(目玉が半分飛び出しつつ)えーっ。
M先生:あるよ、買った物が。
堀:抜井、この機会だから、聞きたい事は聞いといた方がいいよ。
抜:じゃあ、先生は、あの、佐藤春夫にも…。
M先生:うん、知っとるよ。しかし、佐藤春夫とは、おまえもメランコリックなヤツだな。
抜:(苦笑)
小林秀雄が借りてた別荘に、佐藤春夫とか鈴木大拙とか来ててな。
そこにガキの頃、居た事があった。
抜:はぁ(絶句)
M先生:俺は、色々な人に会ったけど、小林秀雄はうん。やっぱり、頭良いね。
そう、小林秀雄は俺は、今際の際にいたんだ。
堀:嘘のような本当の話ですね。
M先生:そう、今、一番幸せなのは誰か知ってる。
抜:分からないです。
M先生:(元総理の)H氏だよ。信楽で仏像造っちゃうって発想が良いな。
堀:信楽の土で、ですか。
M先生:焼き物の信楽で、だよ。じゃあ、一寸、モリファツァー飲んでみよう。
〜T女史に、茶器等を一式用意して頂いて〜
M先生:これは、一煎目から飲んでいいから。じゃあ、チョコをレディーファーストで。
T女史:じゃあ、赤いの。(一口で食べて)うん、フルーティー。
M先生:カカオマスの味が、ちゃんと残るでしょ。
T女史:うん。あっ、美味しい。
一同:じゃあ、一個づつ、食べましょう。
M先生:あなたは女性だから、もう一個いいよ。
抜:あっ、ズルイ。
M先生:このお茶はな、一煎ずつ、変わって来るから。
〜チョコとお茶を味わい、しばし沈黙〜
T女史:美味しい。
堀澤:うん、美味い。
抜:うん、美味いけど分からないなぁ。分からん。
堀:酒を飲んだ後に、茶を飲む習慣がないからじゃない。
M先生:だからな、お前は俺の歳に近づいたら、きっと、気付く。
お前の言ってるのは、渋いんだよ。渋いって感じが、美味くないんだ。
抜:はい。
M先生:文化がだんだん爛熟してくるとな、厭な味が、その、納得できるようになる。
抜:じゃあ、全然、僕は爛熟してない(笑)
M先生:ほら、このチョコレート。
だんだん、カカオマスの香りが強くなって、その消える余韻を楽しむ。
チョコレートも必死に作れば、これくらいになる。
まさに、「本」なんだよ。
(実際、「hugo&victor」のケースは本のようになっている)
抜:はぁ、本ですか。
M先生:この「モリファツァー」と「hugo&victor」を食べてな。
「一生懸命生きなくっちゃいけない」
と言う気持ちに、少しでもなる事が、大切なんだよ。
この後、話と酔いは更に深くなり、机上を舞う会話は、
モリファツァーの馥郁たるジャスミン香りと共に漂っていた。
まるで、夢。
のようなひとときを過し、途中から、対談である事も忘れていた。
夢から覚めれば、待っているのは現実。
それでは明日からも、日刊「鶴のひとこえ」で。

1003声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第4回(全5回)

2010年09月29日

■クレインダンス対談 第4回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
偶然ゲスト:M先生
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜裏口から、フラリとM先生(既にほろ酔いで、稲荷寿司を持って)登場〜
堀:(酔眼、飛び出そうに驚いて)あっ、先生だ!!こんばんは。
抜:こんばんは。
M先生:わんばんこ。はい、これ「ワイン塩」。諸君等は知らないでしょ。
一同:はい。
M先生:(テーブルの皿を見渡して)芋は塩だよ。そして、シメに※「モリファツァー」と「hugo&victor」でやろう。
堀:ついさっき、先生の噂してたんですよ。
M先生:あっ、そう。そう言えば、この間、チェンダオに行って来たんだよ。
〜旅行譚から善と悪の話に至り〜
ゲーテのな、ファウストを読んで、その、つまりメフィストも神の使いなんだよ。
堀:その、メ…なんとかってなんですか。
M先生:「メフィスト」って、悪魔。俺はゲーテが好きでな。つまり、メフィストフェレスって「悪魔」も「神」の使いなんだよ。
堀:はぁ、悪魔も神の使い。
M先生:まぁ、俺は色々あってこうなっちゃったけどな。
一同:(笑)
M先生:プライーベートでは最近、和服を着てるんだけど。三亀松ってのが、俺の「粋」の師匠なんだけど。
抜:えっ、「みきまつ」って、あの「柳家」の…ですか。
堀:抜井、聞け聞け。
M先生:そうだよ。ガキの頃、親父に連れられて会ってな。こう言われたんだよ、
「坊ちゃん、大きくなったら、社長とか先生とか言われる人になっちゃいけません。旦那と呼ばれる人にならなくっちゃ」
抜:ほーう。
堀:先生それ、どこで言われたんですか。
M先生:新橋。新橋の新喜楽って料亭。
抜:それは先生、いつ頃の話ですか。
M先生:幼稚園。あがる前ぐらいかな。
堀:幼稚園上がる前に、三亀松から、「旦那」。
一同:(笑)
〜たしかめる事は、人間的でない〜
M先生:小学校の時は100点取らないようにしよう、って。
堀:それは、どう言うことですか。
M先生:人間ってのは間違いをする。
だから、テストの時は、上から下まで、パァーっとやったら、スィーっと帰っちゃう。
堀:わざと?
M先生:わざと、じゃない。普通に、一回やったら見直さない。
抜:それで、どこか間違えているだろう、と踏んで。
M先生:間違えている事が人間的なんだ。100点を取るってのは、おかしい。
一同:(感心して)はぁー。
M先生:100点を取ろうとすると、一回やってまた見直して、2回目もまた見直して。
それは、意味がない。確かめる、って事は人間的でない。
そう思ってたから、一回やったら、直ぐ帰る。俺は一回も見直した事が無い。
抜:(腑に落ちぬ表情で)左様、ですか。
M先生:そう。問題に対して、間違っているかどうかなんて、考えてる事がよくない。
その恐怖心が、精神的に良くないんだ。だから、見直さなかった。
堀:聞けば聞くほど、すごい。
M先生:すごくない。普通だよ。間違えるってのは、人間的なんだよ。
それを許容できないのは、おかしい。
だから、100点を取るためだけに努力する、ってのは絶対におかしい。
抜:確かめても、間違いだらけだったな…。
先生の話。
それはまるで、イリュージョンショーを見ているかのよう。
しかし全部、タネあかしの無い、本当の話。
そして、いよいよ明日は、最終回。
※補足
「モリファツァー」ってのは、中国のお茶。
「hugo&victor」ってのは、パリで流行しているチョコレート。
先生から何度も聞いたが、私には発音さえ覚束ない(発音あってるかな)、逸品。

1002声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第3回(全5回)

2010年09月28日

■クレインダンス対談 第3回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜話のキャッチボールもままならぬ、酔っ払い対談続行中〜
堀:俺、始めたがりじゃん。
抜:極度の、始めたがりですよね(笑)
堀:始めるって事と、止めないって事。最近、「やめない」って事に、すごい価値があるって気付いた。
抜:ほう、ほう。
堀:抜井なんか、もしかしたらそういうタイプかも知れないけど。
俺は最近、選択肢が狭くなったってのもあるけど、「やめたくない」って事が、沢山ある。
抜:それは、例えば。
堀:「ほのじ」もそうだし、「めっかった群馬」も。二階に演芸場を造るってのもそう。
やめないで繋げて行く、そこには何らかの変化が必要なんだけどね。
抜:今回の、※「めっかった群馬リニューアル」もそうですね。
堀:「やめないでつなげる」これが重要だね、38歳にもなると。
抜井は、後10年くらいはどんどん始めた方がいいよ。
抜:後10年、そうですか(笑)
もう、相当自分にヤキが回ってきたような気がしますが、始めるなぁ…、そうですか。
「始める」って事は同時に、「やめる」って事と繋がってますからね。
やめた事が次に始める事にリンクしてる。つまり、やめる事が終わりでない、と考えて…。
堀:あれ、T女史もそんな事、言ってたな。始まりは終わりの始まりとか何とか…。
T:言ってた、ような、気がする。
抜:この感じですね。
堀澤さん、つまり、この軽くいい加減な感じでなくては、物事は始められないですね。
さっきの僕みたいに、始まりは終わりのナンタラなんて、言っている様ではまだまだ駄目なんです。
〜T女子が淹れて来たお茶で、一寸、一息つきます〜
T女史:はい、これ中国のお茶です。
抜:何茶ですか?
T女史:「がんちゃ」です。
抜:「岩」の「茶」ですか。
T女史:そうです、岩場に生えている茶葉です。
中国の方は商談の時なんかには、この岩茶を飲むみたいです。
抜:リラックス効果?
T女史:頭が冴えるんです。肝臓にも効くらしいですよ。
抜:じゃあ僕らは、ガブ飲みしなくてはなりませんね(笑)
堀:(厨房からウイスキーの小瓶を持って来て)変なウイスキーがあってさ。
抜:また、奥から何か引っ張り出して来ましたね(笑)
堀:これ、「無頼派」。知ってる?
抜:知ってますよ。昔、よくコンビニで買ってました。
堀:この前、知り合いの人がこれ持って来てさ、その時居た、M先生にどんどん注ぐんだ。
そんで、M先生一口飲んで、「これはひどい」って言ってた。
抜:(笑)
堀:「ひどい、けどいい」って人だからね、M先生。この前も聞いてみたんだよ。
「先生、立ち食いうどんはどうですか」って。
抜:ほう、それは気になる。
堀:そしたら、「あれはひどい。ひどいけど食えちゃうんだよな」だって。
抜:まさに、言い得て妙です(笑)
それにしても、この岩茶って、いけますね、美味い。
岩茶で一息ついてから、ぼちぼち、ハードリカーに手を出します。
ウイスキーを飲みながら、対談を再開したところへ、噂をすれば影。
明日は遂に、偶然ゲストの「M先生」登場です。
※現在、「めっかった群馬」を小さくリニューアルしようとしております。
来月下旬頃には、マイナーチェンジしたサイトが、お目見えできると思います。

1001声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第2回(全5回)

2010年09月27日

■クレインダンス対談 第2回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
〜二人とも、酒の酔いも馴染んで来て、舌もなめらかに回って行きます〜
堀:しかし、「めっかった群馬」のアクセス数は伸びないなぁ(笑)
抜:もう何年も横ばいですよね。
堀:始めた頃はさぁ、掘り出し情報と言うか、「群馬県面白情報サイト」を意識してたけど、
県外からのアクセスが、意外なほど少ないよなぁ。
抜:そうですね。リピーターの方は、ほとんど、県内の方だと思いますね。
堀:だけど、まだ4年目だもんな。
抜:そうですね。目指すは5年、と言うところです。
堀:20年くらい経ってから、良さが出てくるんだと思うよ。
抜:老舗の味ってヤツですかぁ…。
堀:ネット社会もその辺の飲み屋と一緒で、新陳代謝が早いからさぁ、10年もやったら老舗になるんじゃないの。
抜:(笑)それは、言えてるかも知れません。
堀:誰かに言われたなぁ、めっかった群馬のTopページが放つ独特なアヤシサが良いって。
抜:巷の店だったら、万人が暖簾をくぐれるような店じゃないですね。
入ろうとすると、一緒に居る人が腕つかんで「ダメ!」っていう様な(笑)
堀:そうだね、絶対に。店構えを見た人は思うよな、この店なんでやれてるんだろ。
丁度、俺の店みたいにさ(笑)
抜:あのサイトの、どこにも収益、つまり「金の匂い」を感じるようなところがないですからね。
堀:こうなってくると、白鵬の連勝記録とか、魁皇の角番とかさ。
抜:おっ、また、相撲に戻った(笑)
堀:つまり、やめられなくなってくる。
〜酔いが回るにつれ、話はさらに深い場所へ〜
堀:お客さんや他人としゃべってたりしてさぁ、
自分の伝えたい事が伝わらないと、昔の俺は、言葉を足してたんだよ。
それが最近は、すっと、引くんだよ、自分がね。これ、抜井の影響だと思うよ。
抜:はぁー、そうですか(笑)
堀:しゃべってると、「あっ」って(笑)
自分の中で「あっ」と思うと、「ふっ」と引く様になっちゃう。
抜:じゃあ、以前は押してたんですね。
堀:押してた押してた。それで、なんだか怒っぽかったし。楽になったなぁ、なんだか。
抜:それは押しの中の引き、だからじゃないですか。
堀:ほぉう。
抜:今までは、押しでやってきた。つまり、押しを知っているからこそ、引いた時に違う景色が見える。
だから、心地好い距離感を見つけたんですよ。
ずっと引いてたら、僕みたいにですけど(笑)、距離が離れ過ぎて、心地好くないですよ。
堀:はぁ、そうか。
抜:そうです。
この後、T女史が買い出しに行ってくれました。
勿論、酒を。
机に並んだのは、「トリス」やら「無頼派」やらのウイスキー。
どうなることやら、また、明日。

1000声 鶴のひとこえ1000声記念企画 〜クレインダンス対談〜 第1回(全5回)

2010年09月26日

■クレインダンス対談 第1回
対談:堀澤宏之×抜井諒一
撮影・お給仕:T女史
場所:ほのじ(伊勢崎市)
T女史:抜井さん「おきゅうと」って知ってますか。
抜井:知らないです。
堀澤:T女史が先週、九州に行って来て、そのお土産。
抜井:九州の郷土料理ですか。
T女史:そうです。
〜おきゅうとで一杯やりつつ、徐々に対談が始まります〜
堀:最近、読書したり文章を書いたりって言う時間がとれてないんだけど、
すごく大事だよね。
抜:大事ですね。
堀:そう言う時間が無いと、時間がダラーっと流れて行って、
一日の中で考える時間が持て無い。
その考える時間を抜井は無理やり、おそらく2時間くらい、
ひとこえの更新で作っているけど、それでも短いと思う?
抜:思いますよ。ただ、また持て余して腐らすほど、
有りすぎてもダメだと思いますね。
堀:そうだ、今回、魁皇が角番なんだよね。
抜:また、考える時間が短いですね(笑)
堀:13回目の角番。
抜:負け越したら終り、と言うヤツですね。
堀:そう、俺は思い入れが強くて。
抜:以前、何度か言ってましたね。
堀:うん、初土俵が昭和の力士って魁皇しか残ってないんだよね。
抜:へぇ、もう、そんなですか。
堀:そう。たぶん、魁皇、貴乃花親方、俺って同級生じゃないのかな。
常々、思ってるんだけど、魁皇がもし引退したら。
昭和が終わるんだよね、俺の中で。
抜:じゃあ、今日の一番には、昭和47年世代の昭和が、かかってるんですね。
厨房のラジオから、大相撲中継が聞こえています。
この後、白鵬×魁皇、注目の一番に、座の一堂、耳を傾けつつ、飲んでおりました。
この続きは、また明日。

999声 未来のテレビ

2010年09月25日

9月17日に放送された、アニメ「ドラえもん」。
いつもの2話の中、「ほんもの3D」と言うタイトルの話があった。
自宅に来た、まだ世間で発売前の超巨大3Dテレビ。
それを、御馴染の仲間を集めて自慢するスネ夫。
皆、3Dメガネをかけて3D映像の迫力を体感するのだが、そこはスネ夫。
意地悪して、のび太にだけ3Dメガネを貸してくれない。
3D映像を体験できなかったのび太は、お約束の行動。
一目散にドラえもんに泣き付くのである。
そこでドラえもん。
そんなのび太を見かねて、未来の道具、かければ、見る映像が本当に飛び出す、
「ほんもの3Dメガネ」を貸してあげるのだ。
こののび太を見ていて、まだ、アナログテレビでドラえもんを見ている私も、
身につまされた。
3Dどころか、のび太の家と同じく、地デジ化もなされていない。
家族の噂で聞いたところによると、私の祖母祖父宅も、
地デジテレビを導入する心積もりが有り、どうやら私が選べと言う風潮がある。
自分のテレビがまだアナログなのに、果たして地デジテレビの選定が出来るか、
甚だ不安である。
先日、祖母からはその意向を伝える電話が掛かって来た時の事。
国勢調査の調査書に記載してある文字が小さくて読めない、と言っていたらしい。
それではおそらく、テレビの文字を読むのも大変なのだろう。
むしろ、3Dテレビの方が、見やすいのかも知れない。
いや、「ほんもの3Dメガネ」の方がもっと見やすい。
ドラえもんに泣き付こうかな。
映像に弱い人も楽しめる。
ってのも、未来のテレビに課せられた、ひとつの課題なのだろう。
【天候】
朝、薄日射す曇天。
空、ビールグラスの中から、泡を見上げているかの如し。
後、回復し雲多くも晴天。

998声 サンドイッチとウイスキー

2010年09月24日

トリスウイスキーの瓶。
その首根っこを鷲掴みにして、ほのじから飛び出しのが、昨夜、23時10分前。
JR伊勢崎駅で、23時発の高崎行き終電車に、どうにか転がり込めた。
通常ならば、悠々、間に合う。
しかしながら、現在状況は酔っ払いの千鳥足。
放置自転車にぶつかったり、電柱に抱きついたり、
券売機前で小銭をばらまいたりと言う、おまけが付いてくる。
車内のシートに着席し、一息付いて、瓶の蓋を開け、ウイスキーをラッパ飲み。
しようと思うのだが、度数40%ストレートじゃいくらなんでも、私にはキツイ。
やはり、西部劇に出て来るならす者の様にはいかない。
派手にむせている私の声が、静かな車内に響き渡る。
斜向かいの席に座って携帯電話をいじっている、ジャージルックのお嬢さん。
どうか、そんな冷たい目で見ないで下さい。
雨降りの今宵は、やけに冷えます。
駅からタクシーに乗って、帰り際。
往生際悪く、コンビニで降りて、サンドイッチを買う。
ミックスサンドイッチを、食いながら歩く。
トリスウイスキーを、歩きながら飲む。
虫の音がさんざめく田圃の畦道を、大威張りで行く。
見上げれば、夜空。
穴を開けた様に切れている雲間から、ぼんやりと満月。
そうか、今宵は、中秋の名月。
【天候】
終日曇天。
時折、冷たい小雨がまじる。
長袖シャツにジャケットを着て、丁度良い気温。

997声 彼岸のぼた餅

2010年09月23日

天気予報通り、気候は一気に秋めいてしまった。
今日は秋分の日。
雨降りの秋の休日と言うのは、どこか所在ない心持になる。
現在時刻は午後3時過ぎ。
冷たい雨も上がって、野原では虫が鳴き始めた。
これか出掛ける予定が1件。
と言うのも、この日刊「鶴のひとこえ」、あと3声で第1,000声を迎える。
その為の記念企画を収録すべく、伊勢崎まで出掛ける用事。
今時期は秋彼岸なので、近所では墓参りをしている人たちを見かける。
私など、もうかれこれ、10年程、墓参りをしていない気がする。
「バチ当たり者」
と、両親含む親族一同から実際に言われたり、言われなかったり。
今日も行けそうにないが、
やはり、彼岸の時期でないと更に行けそうにない。
けれども、ぼた餅ぐらいは、食ってみようと思う。
【天候】
朝から強い雨。
午後には小降りとなり、その後断続的に降ったり止んだり。
昨日との気温差は10度以上あり、空気は一気に秋めく。

996声 稲光

2010年09月22日

へこたれてしまう。
くらいに、暑い。
東京都心において、今日、最高気温が30度を超えた。
これによって、真夏日の年間日数が2004年の70日を更新して71日となり、
過去最多を記録したらしい。
つまり、統計開始以来、一番暑い夏であったのだ。
それでも、今日は中秋の名月。
しかし、関東地方では夕方から雷。
澄んだ空に浮かぶ満月を観賞する筈が、
黒雲に走る稲光を鑑賞する事になってしまった。
現在時刻は午後11時。
雨は上がったのだが、群馬県高崎市からでは、
どうやら名月は拝めそうにない。
去年の今時分は、丁度、群馬の銭湯本を刊行しようと志していた頃。
未だ、「群馬伝統銭湯大全」なんて名前も考え付いていなく、
茫漠と書籍(のような物)にしてみようと考えていた頃だ。
同時に、「自分に本当に出来るのだろうか」と、不安も抱えていた。
そう言う人間には、名月よりも稲光の方が似合う。
一年経って、在庫本の埃を払っている、現在の私には、
名月を覆う夜の曇天が似合っているような気がする。
さればこそ、稲光よ、もう一度。
【天候】
終日、雲も疎らなる秋晴れ。
依然として、残暑甚だし。

995声 敬老の日の悪人

2010年09月21日

今日は運動会の振り替え休日。
って事で、近所の小学校が休み。
それを知ったのは、今朝、通勤の時。
いつも、登校班で列になって行く筈の子供たちが、
沿道に見えなかったからである。
小学校の脇を通ると、お母さんであろうか、低学年生と思しき娘と一緒に、
鉄棒で坂上がりの練習していた。
そう言えば、敬老の日で祝日だった昨日。
高崎市街に映画を観に行ったのだが、館内に溢れかえっているのは、学生。
若者の洪水だった。
掻き分けながら入場し、スクリーンで開演待っていた映画は、『悪人』である。
先頃、カナダのモントリオール世界映画祭において、
ヒロイン役を演じた深津絵里さんが、最優秀女優賞を獲得した映画。
だから、と言う訳でもないが、吉田修一さんの原作に対する好奇心も相まって、
原作を読む前に観てしまった。
映画評。
など、私には出来そうも無いので、感想を少し。
物語の全体を包んでいるのは、「閉塞感」であった。
若者誰しもが内包している、性の鬱屈、生活の倦怠、精神の孤独。
それらが、複雑に絡まり合う。
そのこんがらがった糸を、解かず切ってしまう事で起こる、殺人。
それは被害者と加害者を生み、同時に、被害者の家族と加害者の家族をも生む。
誰しもが持つ「悪」によってもたらされる、悲劇。
市井のどこにでもいる人たちを描いた作品だけに、
観客は、登場人物の誰にか感情移入して観る事が出来るのではなかろうか。
夜の海原を照らし続ける、孤独な灯台の如く、いつまでも彷徨える心。
しかし、登場人物の背景描写が薄く、見終えてから、
原作を読まねばと言う思いに至った。
俳優陣の演技は秀逸で、特に、主演の妻夫木聡さんには、鬼気迫るものを感じた。
【天候】
終日、雲も疎らな晴れ。
朝晩は涼しいが、日中は残暑甚だし。
巷には、未だ半袖の人、多数。

994声 温度計の逆回し

2010年09月20日

夏季は冷涼。
とは聞いていたが、9月現在の気候はもはや寒冷に近く、とても驚いた。
長野県は蓼科高原が、である。
昨日。
諏訪湖から群馬への帰路は、山梨方面へ下って白樺湖へ周り、
蓼科高原を通って来た。
峠道には、のんびり屋の鹿が一匹、ガードレール脇で草を食んでいた。
そんな、白樺が林立する高原風景。
諏訪湖の気温は、半袖で、軽く走ると汗ばむくらい。
それが、諏訪湖辺りから、およそ1,000m登った蓼科高原では、
長袖にジャケットを羽織って、丁度良いくらいの気温。
その体感気温は、もう晩秋であった。
白樺湖畔のコンビニで休んでいると、低いエンジン音を轟かせながら、
バイクの一団が入って来た。
ハーレーのチョッパーに乗ったライダーたちの半数が、
薄手のダウンジャケットを着用していたのには、いささか驚いた。
長野県佐久市から群馬県上野村へ入り、南牧村、下仁田町、富岡市を抜け、
ようやく高崎市へ着いた。
車を降りると、温度計を一気に逆回しに戻したかのごとく、残暑。
先程まで、蓼科に居たせいか、半袖でも暑く感じる。
しかし、冷えた生ビールを飲む時には、こちらの方が好適な気温である。
【天候】
朝から雨。
午後には雨降り止み、雲の切れ間から薄日射す。
夜半になっても、いささか蒸し暑し。

993声 石仏の妙味

2010年09月19日

「万治の石仏」
ちゅう、有名な石仏があって、かねがね見物したいと思っていた。
明日が敬老の日で休み、よって今日の日曜日は3連休の中日。
丁度、誂え向きの日取りなので、行って来た。
長野県は諏訪湖の畔まで。
正確な場所は、長野県下諏訪市東山田字石仏。
「字石仏」と言う地名からして、魅力的な匂いを感じる。
「万治3年11月1日」と石仏の胴に刻まれている事から、
万治の石仏と呼ばれる様になった。
万治ってのは、江戸時代の1658年から1660年の年号。
時の将軍は徳川家綱。
それ以外は、数々の伝説を残している、謎の石仏なのである。
岡本太郎がこの石仏を絶賛した。
と言うエピソードは、観光向きの情報として、広く伝えられている。
確かに、現地に行って見ると、万治の石仏と周辺景観の妙に、圧倒される。
やはり、一番適当な形容が、「妙」。
妙な雰囲気なのである。
【天候】
終日、雲多くも秋晴れの一日。

992声 難攻不落の女 後編

2010年09月18日

昨日の続き。
佐々木女史。
そしてその友人共に、酒には滅法強い。
これが、男性陣敗北の一番の原因になってしまうのだが、話を進める。
何度目かの杯のやり取りの後、酒を進める後輩が、明らかに泥酔状態になってきた。
佐々木女史は、いつもの伝で、ビールジョッキ片手に平静を保っている。
ジョッキを傾けている佐々木女史の耳に入って来たのは、
呂律のもつれた男性陣の会話。
後輩が、先輩の方にしなだれかかって、なにやら耳打ちしている。
その声が、泥酔している事もあり、耳打ちから漏れ聞こえてくる。
「先輩、もうそーとー呑ましてるんですがね、相手のおんなども、
一向に潰れそうにないっすよ」
と言う様な塩梅の会話。
その瞬間に、否、佐々木女史と友人は、序盤から男性陣の魂胆に気付いていた。
つまり、「自分とその友人を酔い潰して、何かヨカラヌコトを企んでいるのであろう」と。
「それでどうなったんですか」
佐々木女史の酒癖を知っている私は、なんだか、男性陣に同情する様な心持で、
話のオチをせがんだ。
「友だちと呑み直して帰って来たわよ」
ビールジョッキを豪快に煽りながら、そう言い捨てた、佐々木女史。
男性陣は店で潰れてしまって、佐々木女史はそそくさと友人を引き連れ、
馴染みの店で飲み直して帰った、と言う。
なんとも、百戦錬磨の身のこなしである。
「そう言う場に居て、こわくないんですか」
一応、私は佐々木女史の後輩であるので、気を使って聞いてみた。
「アンタみたいなヒョロっちいのがいくら来ても、こわかないわよ」
私は、相手が悪かったと、ますます男性に同情すると共に、
二人組の仕掛けた、その安直な作戦を軽侮した。
そんな、とりとめもない昔の思い出話が、ふと思い浮かんだ。
時を経て、あの時佐々木女史の小噺に笑い転げていた私が、
現在は、結婚相談の勧誘を受ける年齢になってしまった。
その話を思い浮かべ、脳内劇場で芝居になぞらえると、
どうもその間抜けな後輩の役が、自分に適役のように思えてならないのである。
【天候】
終日、綿菓子の出来そこないの様な雲が、ぼんやりと浮かんでいた秋晴れ。
近隣の小学校でかいさいされているのであろう。
運動会の声が、風に乗って聞こえて来た。

991声 難攻不落の女 前編

2010年09月17日

「はい、抜井です」
「抜井さんのお宅でしょうか」
「はい、そうです」
「諒一さんは御在宅でしょうか」
「はい、本人です」
「左様ですか。私、結婚相談をさせて頂いております○○と言う会社の者ですが」
この類の電話が、2月に1度くらいの頻度でかかってくる。
私の個人情報をどこでどう調べたのか、甚だ疑問である。
しかし、私は元来、生活の中で自らの個人情報を軽んじている傾向があるので、
その疑問を、左程追求してみようと言う気も起こらない。
それよりも、自分がその類の会社の名簿の中に記載され、
営業の対象となっている事の方が、俄かに信じられない。
昔、私が現在の会社に入社したばかりなので、23,4歳の頃。
知人に当時、32,3歳くらいであった女性がいた。
何かの酒席での事、その女性、
佐々木さん(仮名)が自らの「婚活体験」を話し始めた。
多少酔っているので、雰囲気は慣れた小噺のようであった。
この、佐々木女史。
20代後半に差し掛かると、いよいよ、結婚を視野に入れた活動に勤しみ始めた。
友達の飲み会、知り合いの知り合いとして参加する合コン、
果てはお見合いパーティー。
一見すると、黙っていてもモテそうなタイプに見えたので、話が余計に面白い。
その中で、友達と参加したと或る飲み会での一件の話。
その日、佐々木女史はいつものように、友人二人と知り合いの男性二人が参加する、
謂わば、2対2の合コンの席に居た。
ビールで乾杯し、話も滞りなく進み、雰囲気も悪くない。
しかし佐々木女史、ある一点だけが、妙に気になりだした。
それは、相手の男性。
どうやら先輩と後輩の関係にあるらしい、後輩の方が、
佐々木女史にしつこく酒を勧める事。
佐々木女史も嫌いじゃない。
勢い良く杯を空けると、相手が踊りださんばかりに喜ぶ。
そして、喜んでいる後輩に、返杯。
さて、相手の勧めるまま、杯を空けて行く佐々木女史を待っていたものとは。
明日へ続く。
【天候】
朝より、鰯雲の浮かぶ秋空。
日中は薄日射し、いささか残暑の気配は消え気なぬが、終日、穏やかな秋晴れ。

990声 その日のお天気

2010年09月16日

数日前から、この日刊「鶴のひとこえ」を更新する際に、
その日の「天候」を記する事にした。
それは、先日読んでいた、内田百?に関する、吉行淳之介が書いた随筆の一節による。
吉行淳之介が戦後、内田百?の戦時下に執筆された随筆を読んでいると、
そこに記されていた当時の天気が、
大いに記憶を喚起させた(ちと記憶が曖昧だが、おそらくそうである)。
と、言う一節。
因みに、吉行淳之介が育った麹町では、内田百?も暮らしていた。
つまり、お互い、同じ町内の住人だったのである。
或る日、吉行宅に届いていた新聞に、手書きのチラシが折り込まれていた。
その筆で手書きされた文面を読むと、猫を探しているらしい。
それは、百?が愛猫「ノラ」を探す為に書いたチラシだった。
と言うエピソードもある。
そうか、と思った。
私など、永井荷風の「断腸亭日乗」などを捲っていて、
時折、書かれているその日の天候描写を読むと、生まれる以前の出来事なのだが、
妙に近しい印象を受ける。
記憶で無く、想像力が喚起されるのであろう。
そんな事を考えていて、こうやって、折角毎日書いているんだから、
その日の天候くらい記しておこうと思い立った。
内容が薄いので、後から読み返した場合、天候くらいは役に立つのでは。
と言う腹積もりもある。
記載するのは、私が住んでいる、群馬県高崎市の天候であり、
もし出掛けた際には、その土地の天候と言う事になる。
しかし、いつまで続く分からぬし、読者も、殆ど群馬県内の人と推察されるので、
良しとする。
【天候】
終日、冷たい雨。
夕方に雨上がり、夜には虫が鳴いていた。

989声 愛煙家の受難

2010年09月15日

「これ」と決めると、同じものを食べる癖がある。
行きつけの食堂へ行くと、「ラーメン定食」を注文する。
一度、ラーメン定食と決めてしまうと、夏でも冬でも、
頑としてそれを注文している。
と言っても、店のおばちゃんなどは、暖簾をくぐって来た私の顔を見るや否や、
伝票に「ラーメン定1」と書いている。
私は只、席に着いて黙っていれば事足りる、と言う仕組みに、いつの頃かなった。
その店の厨房で鍋を振るっているのは、私と同級の幼馴染。
今日、彼と雑談していると、煙草の話になった。
来月の1日から、たばこ税が増税となり、1本あたり3.5円の値上げとなる。
それに加え、製造メーカーにおいても、1本あたり1.5円の値上げ価格が上乗せになり、
合計すると、1本あたり5円値上がりすることになる。
早い話、1箱に20本入りのマイルドセブンの価格が、税込300円から410円、
つまり110円上がる訳だ。
銘柄によって、その価格に多少の差異はある。
それを受けた彼は、駆け込みで、煙草を買い溜めしているらしい。
しかし、いよいよとなったら、価格の安い銘柄に鞍替えする事も、
視野に入れていると言う。
愛煙家と言うのは、それぞれに好きな銘柄を持っているものである。
その銘柄の吸い慣れた煙草から、味の馴染まない煙草に替えるのは、
さぞや心苦しいだろう。
私は煙草は飲まないので、好きな麦酒に照らし合わせて考えると、
煙草飲みの心中を察する。
コンビニの冷蔵庫を開け、麦酒を横目に発泡酒、でもなく、懐具合を考慮して、
所謂、第3の麦酒を取り出している心境であろう。
「これを機に止める」
と言う所までは、踏み切れないらしい。
彼の様な鞍替え組が大勢出れば、価格帯の低い銘柄種類が、
増えるのではなかろうか。
そして、価格帯の高い銘柄は、現在の葉巻の如く、高級嗜好品になって行く。
そんな気がする。
【天候】
朝から小雨交じりの曇天。
昨日との気温差も5、6度程度あり、半袖では、肌寒く感じた。
夕方に小雨が降り、夜は涼く、今日を境に、寝具はすっかり秋物となる。